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社会的孤立を俯瞰するボードゲーム 〜コミュニティコーピング〜

コロナ明けから、久しぶりに対面のボードゲームのイベントに参加しました。

今回紹介するのは「コミュニティコーピング」というボードゲームです。現実として迎えつつある少子高齢化という社会問題に、ボードゲームを通じて向き合おうというコンセプトに基づいて作られました。

最近のひとつのブームになりつつあるボードゲーム。こちらの団体は「ボードゲームを通じて社会問題に触れる機会を提供する」をひとつのビジョンとして活動されています。

こちらのゲームを通じて、これから迎える高齢化社会の一端を体感してみませんか。

コーピングを体感するボードゲーム

そもそも「コーピング」という言葉を初めて聞く方も多いでしょう。メンタルヘルスの用語のひとつで、様々なコミュニケーションを通じて、ストレスの要因を解決することを指します。

コーピングを通して、仕事のパフォーマンスや日々のモチベーションの向上につなげることが目的です。

コミュニティコーピングは人と地域資源をつなげることで、個人的に抱える悩みに起因する社会的孤立を解消する「協力型」のボードゲームです。

設定された6つの地域で様々な悩みを抱えた人が次々と発生します。プレイヤーはコーピングを通じて悩みを明らかにし、解決できる人をつなげることで問題を解消していきます。

ひとつの地域でも問題解決が間に合わなければ、ゲームオーバーです。

ここでは高齢者に限らず、高齢者を支える若い世代の人たちも登場します。経済面や健康面の問題など、個人で抱えている多様な問題に取り組みます。

プレイしてみての感想

実際にプレイしてみて、個人的に感じたのは現実を端的に捉えた「リアリティ」でした。

一人暮らしであるが故に健康面が疎かになっている高齢者や、高齢の両親の介護が急務である若者など、高齢化社会にありがちな問題が散りばめられていました。

その中には、実際に自分が将来的に抱えそうな問題も多くありました。ある種の危機迫るような感覚にもなりました。

また、実際に解決のスキルを持つ方々がキャラクターとして登場します。中には個人的に知らないような役職もあり、こういう人がいるということを知る機会にもなりました。

コミュニティコーピングは市町村の役所や学校でも活用されていて、完成度も非常に高いです。ちなみに、成功率は10%程度と結構な難易度だそうです。

社会的処方について

以前に社会的孤立とそのケアについて書かれた本を読んだことがありました。今回のコミュニティコーピングにつながる話題でもあります。

ここで言う「社会的処方」とは、患者の非医療的なニーズに目を向け、地域における多様な活動や文化サークルなどマッチングさせることで、患者が自律的に生きていけるように支援する活動のこと。

イギリスでは既存の枠組みとして、高齢者の社会的孤立を解決するための仕組みが存在します。日本でもイギリスをモデルケースとして、日本の環境に適合するように社会的処方を広げる取り組みが進んでいます。

社会的孤立が人間の寿命を縮めることが、実験的にも判明しています。ここではキーワードのひとつに「リンクワーカー」が登場しますが、まさにコミュニティコーピングの登場人物たちを指しています。

おわりに

久しぶりのボードゲームのイベントでしたので、懐かしい気持ちも感じながら、楽しく参加できました。

普段の受動的な学習でだけでなく、こういう全く異なるアプローチから、現実について考える機会もだいじだなと思いました。

また機会があれば、ぜひ参加したいです。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに寄り添えたら幸いです。何卒よろしくお願いいたします。

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