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Webエンジニアを辞めます

私はWebエンジニアとして会社員で4年、フリーで2年半働いてきました。経済的自立のために選んだのがWeb業界で、確かに稼げたしキャリアも積めたけれど、ここへきて限界がきてしまいました。
ちょうど参画していた案件の契約が切れたタイミングでWebエンジニアを辞めて、他の業種でお仕事をすることに決めました。


私がWebエンジニアになるまで

私は新卒で某ゲームメーカーにプログラマーとして入社しました。ファミコンで育った世代であり「ものづくり」が好きだったからです。ゲーム業界は2年半ほど経験して退きました。その後は、いろいろな業種のアルバイトや派遣社員を経験したのち、育児のために10年ほど専業主婦でいました。
その専業主婦のときに、自分が経済的に自立をしていないことで立場が弱いと感じる場面や、我慢せざるを得ない場面を多く経験し、非常に悔しい思いをしました。仕事に就いて収入を得られるようになれば、そういった状況からいつでも逃げられるようになると考えて、フリーのWebデザイナーを目指して資格取得やアルバイトを経てIT企業に就職しました。

目標は達成できた

IT企業では、過去のプログラマーの経験を活かすことができ、SEとしてシステム開発を中心にデザインからディレクションまで幅広い業務を経験させてもらうことができました。
4年在籍してキャリアも積めたし「経済的に自立をしたい」という願いは叶っていたのですが、子どもの教育費を貯めるには収入を増やす必要があったのと、モダンな開発環境でのフロントエンド業務をしたいという思いから独立しました。
そして、エージェントに準委任契約の案件を紹介してもらう働き方を約2年半続けてきました。その間に参画した案件は4件で、自分のキャリアに自信を持てるようになり、少しずつ収入も増えていきました。

いつまでも不安が拭えない

単価が増えても経済的に安定しませんでした。ひとつの案件が長続きしないという問題が繰り返し起こり、マッチする仕事に出会えず働かない期間があったためです。
参画した4つの案件では、次のようなことがありました。

案件1:参画1年半

参画から1年間は働きやすく安定していました。しかし報酬UPの交渉に同意していただいたあたりから、クライアントが頻繁に日次ミーティングを遅刻したり忘れたりするようになりました。連日だったり、謝らなくなったりもしました。「予算がない」との理由から報酬UPから半年で契約終了となりました。

案件2:参画3ヶ月

参画時点で「仕事がない」と言われ、面談時に聞いていた業務と違う業務をすることになりました。参画から2ヶ月が経ったころ契約更新の協議があり「契約終了」と言われました。最後の1ヶ月間はまったく作業がない状況になりました。

案件3:参画4ヶ月

開発工数を甘く見積もられたスケジュールになっていることが参画後に発覚し、定休日を削って稼働時間を増やさざるを得ない状況でした。「間に合わせるために稼働を増やして欲しい」とクライアントから要望があり、完遂するために同意したものの心身が休まらず、納期直前でクライアントからパワハラを受けるようになりました。仕事を完遂し、こちらから契約を終了しました。

案件4:参画5ヶ月

参画している間ずっと仕様が決まらず、できる作業が本当になくて時間を持て余している状況でした。同時に参画した全員が同じ状況で、私はそんな状況に耐えられず早々に抜け出しました。

感受性は人それぞれなので、例えば最後の案件で「何もしなくてもお金がもらえてラッキー!」と居心地が良いと感じる方もいると思っています。私は退屈な状況を苦痛に感じるので本当に辛かったです。

振り返ってみると、報酬の多いプロジェクトほど私にとって辛い環境でした。まるで「もっとお金が欲しい」という願いが叶う代わりに、辛い環境を与えられたかのように。

案件の契約終了が決まったタイミングで、新規案件獲得のためにエージェントへ案件紹介の依頼をしました。こちらの状況と希望を確認するためにエージェントと面談をしますが、スキルや経験年数を確認されることが苦痛でした。
この業界では、常に市場価値に合わせたスキルをキャッチアップしていく必要があります。市場価値に見合わないスキルは案件の母数が少なかったり、報酬が少なかったりするのです。
本来、自分に向いているスキルや、伸ばしたいと思っているスキルがあっても、実績がなければ参画するチャンスすら与えられません。
それらのことから、無意識に「今のままではダメだ、もっと市場価値に合わせてスキルアップして経験を積まなければ、いつか仕事がなくなってしまう」という強迫観念にとらわれていました。

本音が顔を出してきた

最後に参画した案件の契約終了が見えたころから、いつものように次の案件獲得への行動を起こし始めたのですが、行動が心に伴っていない違和感を覚え、自分が次に何をやりたいのかが分からなくなりました。
Webエンジニアではなく、動画編集だったりデザインライティングなどの仕事に気持ちが向くのです。とにかく自分の感性を活かせることがしたい、と思いました。
最近はエンジニアとしてのスキルをのばす意欲もなく、それによる焦りも感じなくなりました。コーディングをするという行為がもう楽しくない、辛いものへと置き換わってしまったような気がします。

先に書いたように、これまでは「お金」のために仕事を選んできましたが、ここへきて「もっと感性を活かしたいんだ!」という私の本音が顔を出してきたのかもしれません。
そんな本音を見せてくれた私の心に嘘をついてまで「お金」のために仕事を選ぶことはもう辞めたいと思いました。もし選んでも、また同じことを繰り返す気がしています。少なくとも「今」は選ばない方が良いと感じます。
正直、まだ下の子が大学受験を控えている状況なので「お金」は必要ですが、このタイミングで決意しなかったら、ずっと自分らしく楽しく働ける仕事とは巡り会えない気がします。

とりあえず、今は「本当はどうしたいのか、どうありたいのか」を心が教えてくれるまで、自分と向き合う時間をしっかり取ろうと思います。


追記:Webエンジニアを辞めたあとの気持ちを書きました。


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