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推しグルが無くなり喪失感に苛まれたドルオタが小波津志の声に出会った話
※この記事はLDH超初心者の糞ニワカが書いています
長年のファンの方等にとって不快になる箇所がありましたら
申し訳ありません。
30年弱ジャニオタをやっていた主が小波津志くんの声に出会って
衝撃を受けたことを叫んでいるだけの記事です
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アイドルオタク
KPOPオタク
国内の実力派ボーイズグループオタク・・・
あらゆる
【小説】推しグル解散するってよ⑭END
当然のように世の中には「推しグループ解散癒し休日」などというものは存在せず、千晶も真紀も腫れた目を誤魔化しながら翌日も会社に出社した。
きっと自分たち以外にも、帰宅してすぐに家事をしたり、子育てをしたり、介護をしたり、他にもきっといろいろなしなければならないことに向かっていったファンは山のようにいるのだろう。
けれど、あの日あの会場にいたファン一人一人は間違いなく幸せで、その分つらくてそんな、同
【小説】推しグル解散するってよ⑬
人生で最後のGAPのコンサートがやってきた。
社会人のファンに合わせて夕方からの開催にしてくれたものの、平日だったので休みのとれなかった真紀は午後休をもらった。
ああ、果てしなく続くと思っていたその温かい日々はこんな風に呆気なく終わってしまうのかと、これまでの20年を振り返っては複雑な思いで千晶は一人で会場へ向かった。
朝はとんでもなく早く目が覚めてしまってギリギリまでどちらを着ようかと迷ってい
【小説】推しグル解散するってよ⑫
いつまでも、さよならを回避できる場所に立っていたくて、GAPと関係のない場所に居座ろうと努力もしたが、上手くいかない千晶と真紀であった。
若手の男性アイドルを見てみたりもしたが、嫌な癖が出て、ステージパフォーマンスはいちいちGAPと比べたりなんかした。
若い彼らは何もかも素晴らしくて、そう、GAPの2年目、3年目に比べたらとんでもなく優秀だった。
それを見る度にGAPの2年目とかマジでやばかった
【小説】推しグル解散するってよ⑪
** NEXTSTAGE **
千晶がどんなに仕事に奔走しようと、真紀がどれだけ仕事で結果を出そうと、24時間が過ぎるのを遅らせる能力を得ることはできなかった。わかっていたが、苦しかった。
美しく新緑に輝いていた木の葉が紅く華やかに変わった姿を見ても、これを来年見る時にはもうGAPの存在は無いのかと落ち込む二人だった。
とにかく、仕事を頑張り続ける千晶を上司は褒めたが、千晶は一人で空回
【小説】推しグル解散するってよ⑩
加熱式たばこの白くも透明なケムリが、海風に揺れる。
真紀と千晶は少し車を走らせて海に来ていた。
バタバタと、あわあわと、仕事に追われ過ごしているうちに9月も半ばとなっていた。解散までの日数を大切に、丁寧に、生きていきたかったがそうもいかなかった。
それが悲しくて、けれどそれが救いでもあった。
9月の平日の海は真夏ほどの賑わいはなく、平日休みと思われる人々が砂浜でぽつりぽつりと歩いている程
【小説】推しグル解散するってよ⑨
大二郎に惹かれた理由はたぶん、顔だった。初めはただそれだけだった。
高い鼻に純日本人とは思えないくっきりとした目元、色白の肌。好きになった当初の大二郎は少しぶっきらぼうで、バラエティ番組に出演すれば態度が悪いとインターネットの掲示板に書かれたタイプのアイドルだった。そんな彼が、メンバー同士だとたくさん笑い、はしゃぎ、さりげないやさしさを見せる度に「私だけは大二郎の良さを知っている」なんて喜んでい
【小説】推しグル解散するってよ⑧
真紀は冷えた床の上で、婚活アプリを開いた。
自分に「イイネ」の評価をくれた男性陣を見ていたが、色々な男性を見すぎて頭が混乱していた。
ルックスの良い男性はアイドルで補給すれば良いと思っているので、真紀はあまり恋愛において外見を気にしない。だからこそ迷いが多かった。
全員が良い人に見えるし、全員が悪い人にすら思えた。
自身の年収が高いせいで、年収が低い男性にも申し訳なさを抱えながらも惹かれなかった
【小説】推しグル解散するってよ⑤
―――例えば8月のコンサートツアー。
真夏の日差しの下で汗をかきながら会場の物販エリアで千晶と真紀は世界一愛しい悩みを相談しあった。
『真紀ちゃん、グッズどうするー?』
『私は選ぶの面倒だから全部買うわ。ちぃはどうする?』
『そっか、この人富豪だった。私は全部はキツイなあ。』
『富豪ってなんだよ。』
『しがない契約社員に全買いはキツイっす!』
『迷ったら実用性のあるもん買いなよ。』
『とりあえずマ
【小説】推しグル解散するってよ④
千晶と修との最初の記憶は3歳まで遡る。もともと家が近所だったことに加えて、母親同士が千晶と修を同じ年に妊娠したのでよく相談し合ったり、交流があったらしい。
もはや生まれる前から幼馴染だったとでも言おうか。必然的に一緒に遊ぶことが多く、互いを修ちゃんちぃちゃんと呼び合い仲良く過ごしていた。千晶にとっては真紀は頼りになるお姉さん、修は同性の友達のような身近な存在だった。小学校を卒業するまでは。
中
【小説】推しグル解散するってよ③
泣きに泣いて真っ赤になった目元をハンカチで抑えて、千晶はそっと正座した。お客さん……? と真紀に目線を向けると、真紀はううん、と先ほどの変わらずバスタオルを目に当てたまま首を横に振った。物音に気にしている様子も無い。
「修だよ。」
真紀が一人の男の名前を口にした。
「修、くん?」
聞き覚えのあるその名前を千晶は意図せず復唱した。
「修さ、今日、私が使いもんにならないと思ってさ、来てくれるってさっき
【小説】推しグル解散するってよ②
『ちぃ、飲もう』
短文のメッセージ。ちぃという呼称。相手は真紀しかいなかった。
千晶は間髪入れずに「今すぐ行きます」と同じく短文で送った。
森永真紀。千晶のオタク友達、いわゆる“オタ友”であり、幼馴染でもある。
千晶の八歳上の三十八歳。歳こそ離れているが、実家は徒歩二分ほど。千晶が幼稚園児の頃から可愛がってくれている。
現在は都会から少し離れたマンションに一人暮らしで、千晶と同じくGAP