【小説】推しグル解散するってよ⑤
―――例えば8月のコンサートツアー。
真夏の日差しの下で汗をかきながら会場の物販エリアで千晶と真紀は世界一愛しい悩みを相談しあった。
『真紀ちゃん、グッズどうするー?』
『私は選ぶの面倒だから全部買うわ。ちぃはどうする?』
『そっか、この人富豪だった。私は全部はキツイなあ。』
『富豪ってなんだよ。』
『しがない契約社員に全買いはキツイっす!』
『迷ったら実用性のあるもん買いなよ。』
『とりあえずマイボトルはあれば使うよね。』
『仕事中でもGAPを感じられるってのがいいよね。』