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【稀代の悪女、三度目の人生で無才無能を楽しむ】あらすじ、WEB版、書籍紹介
(あらすじ)
中身お婆ちゃんなラビアンジェが、三度目の今世を勝手気ままに楽しむ物語。
●前々世↓
無才無能な稀代の悪女。婚約者を奪われて嫉妬に狂い、奪った令嬢を生贄にして、悪魔を呼び出そうとした。けれど王女の異母兄である王太子が立ち上がり、悪魔共々王女を討ち滅ぼした。
――と、死後も語り継がれる王女。
●前世↓
別の世界(日本)に転生。86歳で子供、孫、ひ孫に囲まれて天寿を全う。年下の旦那さん
ある意味黒歴史な子供との日常を短歌に①(全3話)
【ママ腹が まあ年やしと 頷く子 母の腹見て 独り完結】
着替えてたら、ボソッと後ろから次男。途中でヤベッて顔して、フォローにならんフォローしてくれるな! むしろオチやん、それ!
――2ヶ月後――
2キロ肉落とした。減量意欲の起爆剤をありがとう?
という嵐、子供との日常。
※※後書き※※
ご覧いただき、ありがとうございます。こんなアホっぽい日常短歌3選ですが、クスッと笑ってくれればと思っ
【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第8話
「詳しくは丞相にお聞き下さいませ。表向きの事ならば把握なさっておりましょう」
こちらの世界は初代の世界と違い、魔力というものが存在致しますからね。
あの方と同じ色味をお持ちなら魔力を体外へ放出し、他者へ威圧感や畏怖を与える事など造作もないはず。
しかし私には無意味。一体、何度鼻で笑わされる羽目になるのでしょうか。
「裏向きの事まで話したとて、私に何の利があると? ただ私の身が危なくな
書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)10
「急に動かしたり重い物を持ったりすればぶり返す。数日は安静にしておけ」
「ふふ、ありがとうございます」
ちゃんと治してもらえた事にほっとする。不遜だけれど無才無能だからと偏見を行動に移す人でなくてよかったわ。
いつもより自然な笑みを向けてから教室へと戻ったわ。
「そんな顔もできんのかよ」
だからその後保険医がどんな顔をしていたのか、もちろん知る由もないわ。
余談だけれどうちのキャ
書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)9
「ジョシュア=ロベニア第2王子殿下。あなたの言動にそう思わされるのは私。あなたの言動でそう思わせたのがあなたでしてよ。間違えないで下さいな? 立場と力のある加害者が被害者のような顔をして済ませようとするのは、卑怯ではなくて?」
微笑みをかつて稀代の悪女だった頃のような氷の微笑に切り替え、きっぱり告げてあげるわ。中身があなたの祖母ちゃんでもDVは許しません。
恐らく初めての婚約者の圧を乗せた
書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)8
「……あら? 何か忘れているわ? 何だったかしら……まあいいわね」
就寝前。わずかに起こった疑問を頭から消し去って意識を手放したのだけれど、これがいけなかったのかしらね?
そうしてまたいつもの朝がきたわ。今日のDクラスは2校時目からの遅出登校だったの。いつもより遅い時間に登校して教室に……。
「ラビアンジェ=ロブール」
入る前に孫に腕を掴まれたわ。
「残念ね。何だかシチュエーション
【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第6話
「何者か。名を名乗れ」
寂れた廃宮で対峙した私を睨む殿方。鋭くも凛とした声主の手には、前世で見覚えがしかとある剣。
冷たく光る抜き身の刀身が私の首に沿わされた。
その時、雲間から月光が私達を照らす。
天そらに浮かぶ望月が照らすは、藤色の髪。陽光の下で見るならば、恐らく殿方の瞳は、紫紺色なのでしょう。
今はもう遠い記憶夢の中でしか見る事の叶わない、あの方と同じ……。
まさか今
【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第5話
「あう、あうあうあー」
(ああ、瞼が重いですー)
「ふふふ、もうおねむちゃんだね。爸爸の寝かしつけは師範並みさ」
まったくもってこの父親。どんどんと手慣れてきて、今では揺り籠より余程、心地良いリズムと揺れを体現するようになっております。
ああ、二代目の私が奮起した幼き頃が夢に……。
私は実態調査と太夫の知識、初志貫徹完遂との覚悟を胸と頭に携えて、まずは花街の娼館へ向かいました。姐さんを
書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)7
「何がほら、だ!」
まあまあ、失言だったかしら。
それにしても朝から怒鳴りっぱなしで疲れない?
いえ、これは若さね。朝から孫のテンションが高いわ。祖母ちゃんはついていけないのだけれど?
目の前には銀髪碧眼のあちらの世界によくいる乙女ゲームの攻略キャラ並みに王子然とした、あ、王子だったわね。麗しき王子様が……あらあら?
「お顔が残念でしてよ?」
「ラビアンジェ=ロブール!! 無才無
【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第4話
「ふわわわわ。うわうわ、げふっ、んあううう」
(困りましたね。やっぱり乳を飲むと、ゲフッ、眠くなりますううう)
「可愛いディー。今日もたくさん飲んでくれて妈妈は嬉しいわ」
「うちの滴雫はゲップも可愛いらしいね。ほらほら、寝かしつけは爸爸がしてあげようね」
いつの間に? 父親が寝室に舞い戻っております。
母親から受け取った私の背中を、ツボを押さえた絶妙な力加減でポンポン叩き始めました。こ
書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)5
「そうそう、アッシェ家」
忘れていたわ。四公の内、残るアッシェ家はどうなのか。
当時の王妃の生家である為に、その血筋と王家がそれ以上の縁を持つ事はなかったの。
当時の王妃は血が繋がらない亡き平民の側室が産んだ娘であったとはいえ、王女を育んだ者としての責任の重さを痛感したのですって。
そしてただ1人の世継ぎだった王太子の惨状。その心痛が重なって早々に蟄居したらしいわ。自らを咎人として
書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)4
「何よ! お義姉様なんて婚約者なのに愛称すら呼ばせていただけないくせに! 教養も大してない淑女とほど遠い無才無能が、いつまでも王子様の婚約者にしがみつかないで! 今のお義姉様はまるであの稀代の悪女と同じね! 無才無能で魔法もまともに使えない! 婚約者の真の愛を邪魔するベルジャンヌ! 本当にみっともない!」
まあ。お顔がどんどん赤くなると思っていたら、あちらの世界の笛吹きヤカンのようにピーッて鳴
【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第3話
「毎朝しっかり飲んでくれるなんて、うちのディーは偉いわ」
無精髭の脅威が遠のいた今、やっと安心して朝食をいただけます。無精髭の主は、どこぞで身支度でもしているのでしょう。
数時間毎に同じ飲み物を口にし続けて、我ながらよく飽きませんね。でも飽きると死活問題。本能に感謝です。
母親も起き抜けは胸が張って痛むようです。お乳が詰まらぬよう、しっかり飲まねばなりません。
痛みに加えて腫れてし
書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)3
「食事を続けたいなら好きにしろ」
「「はい」」
ため息を1つ吐いて食事を再開したお父様に倣って私達兄妹も食べ始めたわ。
やっと落ち着いて食事できるのね。今日は仲良し料理長のフルコースをゆっくりと最後まで美味しくいただけるのね。嬉しいわ。
全員が黙々と食べ進めるから、ほんの少しばかりカチャカチャとナイフとフォークの音がしてしまうけれど、この程度は仕方ないのよ。
それにしても学習しない