書籍化・WEB版【稀代の悪女、三度目の人生で……】(一章)4
「何よ! お義姉様なんて婚約者なのに愛称すら呼ばせていただけないくせに! 教養も大してない淑女とほど遠い無才無能が、いつまでも王子様の婚約者にしがみつかないで! 今のお義姉様はまるであの稀代の悪女と同じね! 無才無能で魔法もまともに使えない! 婚約者の真の愛を邪魔するベルジャンヌ! 本当にみっともない!」
まあ。お顔がどんどん赤くなると思っていたら、あちらの世界の笛吹きヤカンのようにピーッて鳴る勢いで捲し立てたわ。
よくそんなに早口で舌を噛まないわね。お義姉様ビックリ