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お花見note🌸🌻

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2021年。お花見企画【春】【夏】投稿作品をまとめています。次回の開催もお楽しみに!
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#創作

お花見note*2021夏【終了】

お花見note*2021夏【終了】

皆さまお待たせいたしました!お花見企画第2弾のお誘いです。

春に実施したお花見企画。「お花を一緒に楽しむのは桜の時期だけじゃなくてもいいんじゃないか」ということで!今回も一緒にnoteでお花見を楽しめたらいいなと思っています。ご参加お待ちしております!

【企画内容】
ヒマワリが登場する物語(ショートストーリー)を募集します。そして、お気に入りのヒマワリの写真(又はイラスト)を記事に貼ってくださ

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お友達の「ひまわりさん」

お友達の「ひまわりさん」

容赦なく照りつける日差しが、夏の訪れを知らせていた。

その夏の訪れとともにふたりの前に現れたのは
「ひまわりさん」だった。

ふたりは「ひまわりさん」とお友達になった。

ひまわりさんにはたっぷりの水分が必要だ!
と、思ったのだが…

「あ、私ね〜ちょっと特別な種類なの。もちろん普通なら水分をたっぷりいただかない育たないんだけど、私の場合はね、お話!お話が栄養素なの!だから私と一緒にお喋りしてち

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父のひまわり

父のひまわり

容赦なく照りつける日差しが、夏の訪れを知らせていた。

・・やっぱり、来るんじゃなかった。

お世辞にも有名とは言えない地方の小さな美術館なのに、信じられないほどに長蛇の列が出来ていた。

梅雨の終わり、うだるような暑さにもかかわらず、何時間も外で待たなければいけない。

「ゴッホが来るから、遊びに来てよ」

久しぶりの父からのメールには、まるで友人のように、日本で絶大な人気を集めるオランダ人画家

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桜が無い世界

桜が無い世界

風がひとひらの花びらを運んできた。私は、髪に付いた桃色のそれを指でそっと摘む。

これが、桜の花びらなのか。

2050年に生まれた私は、桜を知らない。

なんでも、2040年ごろに桜が枯れてしまう木の病気が流行ったのだという。

ソメイヨシノだけではなく、山桜も、寒緋桜も、河津桜も、“桜”とつく木は全て枯れてしまう奇病であったそうだ。

日本人にとって桜は、風物詩を超えて、象徴のような存在でもあ

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櫻の花は今が盛り(ショートストーリー)

櫻の花は今が盛り(ショートストーリー)

風がひとひらの花びらを運んできた。私は、髪に付いた桃色のそれを指でそっと摘む。

「…ん…」
私の指の気配に気付いた彼が、少し顔を歪ませた後、薄く目を開けた。
「あ、起こしちゃったね」
私はそう言い、自分の太ももの上にのった彼の頭をゆっくりと撫でる。
「桜の花びらがついてたからとったのよ」
「そっか…俺、ずっと寝てたんだね」
彼は呟いて、大きなあくびをした。うららかな春の日差しが、彼を優しく包んで

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小説noteでお花見 桜

小説noteでお花見 桜

風がひとひらの花びらを運んできた。私は、髪に付いた桃色のそれを指でそっと摘む。はずだったが、それは叶わずひゅるり。花びらがこぼれ落ちた。緑の絨毯の所々が薄い桃色に染まっている。

美香と智也君がワインボトルを持って隣のテーブル席まで来た。純白のドレスの裾は、あちこち動き回る間ずーっと芝生を引きずっている。クリーニング代が高くつかないのかな、なーんてつい現実的な事を考えてしまう自分に苦笑いする。

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小説noteでお花見 桜の下で

小説noteでお花見 桜の下で

風がひとひらの花びらを運んできた。私は、髪に付いた桃色のそれを指でそっと摘む。指先に乗った桃色の花びら。懐かしいな。高校生だった頃を思い出す。

通っていた高校の校章は桜だった。2年生の時、塾で会った男の子に気づかれ、声をかけられた。私がおしとやかなお嬢様だと勘違いした彼。でも結構ガサツだって知ってからも、付き合い続けてくれたよね。2人とも芸術学部がある大学を目指して頑張ったけど、私だけ東京に出て

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