おばあさんかもしれない(ショートストーリー)
お母さんから渡されたお使いものを持って、おばあさんに会いにゆく。
おばあさんの家は隣町にある。私の家から歩いて15分ほどの距離。ここらは駅から少し離れているせいか、私の住む町よりどこかのんびりした空気が漂う。道路の端をトテトテと三毛猫が歩を進め、ふとこちらを見上げて「みゃあ」と鳴いた。どこかの家の庭先で、ひょろりと伸びた茎の先に花をつけたヒマワリが、かすかに揺れる。
お盆を過ぎたとはいえ、まだまだ午後の日差しはまぶしく、アスファルトを強く照り返している。どこからか、セミがジー