お友達の「ひまわりさん」
容赦なく照りつける日差しが、夏の訪れを知らせていた。
その夏の訪れとともにふたりの前に現れたのは
「ひまわりさん」だった。
ふたりは「ひまわりさん」とお友達になった。
ひまわりさんにはたっぷりの水分が必要だ!
と、思ったのだが…
「あ、私ね〜ちょっと特別な種類なの。もちろん普通なら水分をたっぷりいただかない育たないんだけど、私の場合はね、お話!お話が栄養素なの!だから私と一緒にお喋りしてちょうだい。あ、もちろん水分も少しはちょうだいね。」
ひまわりさんはそう言うと、ふたりに沢山質問してきた。
そして特にひまわりさんが興味を持ったのは、noteのお話だった。
「noteっていう世界はすごく楽しそうね〜。ねぇもっと教えて!」
それからふたりは毎日、色んなnoterさんの記事や作品のお話を
ひまわりさんに沢山話した。
ひまわりさんは毎回すごく楽しそうで、ぐんぐん成長していった。
あまりにもどんどん背が高くなって
そのうちふたりのお話が聞こえにくくなった。
そういう時はひまわりさんが屈んでくれて、お話を続けた。
「ほんっと栄養になるわ〜。もうこれは私の元気の源ね!あ、そういえば言ってないことがあったわ。」
そう言うとふたりに向かってまた自分の体をくねっと曲げて
その背の高い体をぐっと近づけた。
「私ね、夏の間しかお話聞けないの。時期がくれば、耳がね、閉じてしまうの。あ、耳?ここにあるのよ。」
そういうと花弁の中から「耳」なるものを見せてくれた。
「この耳が閉じると、お話が聞こえなくなっちゃうの。そうすると、栄養が入ってこないでしょ?終わりを迎えるってわけ。」
ふたりは突然告げられたその言葉に驚きを隠せず、動揺している。
「あ、大丈夫よ。なんて言うのかな、一度終わる…って言うのかな?これは毎年くるものだからね。そんなに寂しくない話よ。そりゃあ貴方達の面白いお話が聞けないのはこっちも残念だけどさ。これはもうね、そういうことなのよ。」
ふたりはじっとひまわりさんを見ている。
「まぁ今年はいつもより、すごくいい栄養をもらったわ!ほんと、ありがとね!ぐんぐん成長できたもん。」
満足そうなひまわりさんに、ふたりも少しホッとした。
「じゃあまた会える日まで、それまで沢山お話、用意しといてよ。ちゃんと来年もくるわよ〜!私の栄養は、ふたりに任せたっ!」
三人は固く約束をして、ひまわりさんと別れるその日まで
お喋りを続けたのでした。
***
この度、yuca.さんのこちらの企画に参加させて頂きました。
今までこういった企画に参加をしたことがなかったのですが
実は今回たまたまこの同じタイミングで
私はひまわりのイラストを描いている最中でした。
それがきっかけとなり、初めて応募してみることにしました。
いつもの私の「ねじりさんと相棒さん」シリーズではありますが
これも何かの縁かなと思い、挑戦させていただきました。
最初はまだ意味を持たないひまわりのイラストでしたが
ここに登場するひまわりと同じように
こうして物語へと成長できたことは
この企画のお陰だと思っています。
yuca.さん、ありがとうございました。
ではまた。
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