青縞夢芽 / AOSHIMA Yume
記事一覧
夢があっても、なくっても。《思いつき日記》
君の夢が、叶って欲しい。
心の底から応援しているけれど、
本当は、君が、
夢を変えたって、
夢を忘れてしまったって、
最初から夢なんてなくったって、
どっちでもいいんだ。
それよりも、
夢を見ている君がきらきらして、
夢が君の支えになって、
夢が君が落ち込む背中をさすってくれるから、
夢が君が生きるお守りになっているから、
笑顔の源になっているから、
君の夢が、君のそばにいて欲しいと思うんだ。
夜にコーヒーを好きでもいいですか 《思いつき日記》
夜にコーヒー。
わたしはこの組み合わせが好きだ。
眠気覚ましなんかじゃない。
もっと、とくべつな感じ。
やわらかくて、幸せな感じ。
だって、
夜がくると、自分の時間がくる。
自分がつくった空間で、
心も体も解いて過ごせる、
自分だけの時間がくる。
優しい暗闇が、
昼の騒がしさを沈めてくれて、
お気に入りのカーテンが、
私を外から守ってくれる。
そんな空間で、
好きなことをする。
大好きな作
まっすぐに歩くのが、へたくそな件について《思いつき日記》
まっすぐに歩くのが、へたくそだった。
それから、今も、へたくそだ。
鈍い感じがして、気にしていた。
小さい頃からよく転ぶし、つまづく。
大人になって、誰かと並んで歩いていても、
一瞬、相手の視界から消えることも多々、
というくらいに。
ふらふらっとよそ見してしまったり、
そうかと思えば、猪突猛進。心の動く方へ、
なりふりかまわず、駆け出してしまったり。
頭の中も、生き方もおんなじで、
い
オムライスが好きって、なんか可愛い。《思いつき日記》
オムライスが好き。
と言ったら、
オムライスが好きって、なんか可愛い。
と、返ってきた。
まったく根拠はないけれど、
なんだかほっこりしたのは、
きっと、好きなものを好きな自分、まで
肯定してくれた感じがしたから。
オムライスみたいに、くるっと、包んでくれる感じ。
何を好き。
と言っても、
いいね。
って言ってくれる予感のある関係が、
心地よい関係、だと思うのです。
そしてオムライスはいつ
自分のダメなところしか見えなくなった時、答えを教えてくれるのはあったかいスープなのかもしれない。
*このお話はフィクションです。
「私って、どうしてダメなところばかりなんだろう」
なんだか、急に、涙が出る。いいところがなぜかひとつも見えなくて、過去の頑張ってきた時間まで、なかったことのように思えてしまう。なのに、気力は湧いてくれない。ただ、涙が溢れるばかりで、体も心も鈍くなっていく。
ああ、もう、何もしたくない。頑張るのも怖い。お願いだから、助けて。
苦しくてしゃがみこんだ玄関で、目を瞑って
夜が怖くて、明かりの中を彷徨っていた私を救ってくれるのは、暗闇なのかもしれない
*このお話はフィクションです。
「ねえ、お願いだから、電気、消さないで」
ずっと、夜が嫌いだった。暗闇は、私と空気の境界線を狭くするから、心が、きゅっ、と苦しくなる。いっそ、無音になればいいのに、静けさは小さな雑音を目立たせて、小さくなった私を追い込んでくる。やめて、と叫ぼうとするのに、何も見えない。見たいものも、逃げるべきものも、何も。だから、夜が嫌いだった。だから、いつも、電気をつけて眠る。
前向きの前が、わからなくなってしまった時は
「もう、逃げたい。なにもかも、もう嫌だ」
目の前の少女の声に、昔の私が重なっていた。
「でもね、逃げるなんて、ずるいよね。このままでも、嫌な場所から離れても、私は弱いまんまなんだ」
私のアトリエで、絵の具のチューブをいじりながら泣いている女の子。莉奈ちゃんは中学2年生。1ヶ月前に、初めてここを訪ねてきた。
「結局今日も、学校さぼって、奈々さんのところに来ちゃってる」
1ヶ月前にここに来て、その一週
真剣な場所で、「好き」に気づいてしまったら
どうしよう。好き、かもしれない。
こんなところで、どうしてこんな気持ちに気がついてしまったんだろう。広告の合同コンペの会場。自分のチームのプレゼンの時間。3分しかないこの間に、私の集中力は、一体どこにいってしまったんだろう。
デザイナーの彼と、コピーライターの私。会社の同期でチームを組む機会も多く、何個も一緒に作ってきた。小さなポスターから、イベントまで含めた大きな企画まで。彼との仕事は本当に面白
いつもの電車に疑問が湧いたら、それは、「駆け出し下車」の合図なのかもしれない
「ドアが閉まりまーす。ご注意ください」
このドアは、いったい何回閉まったんだろう。6時45分の総武線。同じ駅から、同じ電車に乗って、また同じ駅で降りる。服は4日間のローテーション。向かうのは同じビル。フロアは時々移動するけど、でも、私がやっていることは、毎日会社に行くということだ。
5時30分に目覚ましが鳴る。同じメーカーのコーヒーといつものパン屋さんの食パンの朝食。ランチはいつも、3つ隣のお弁当
まつげの綺麗な君を好きな、理由について。
君のまつげが、好きだった。
長く揃って、艶々している。
写真を撮っても、
一緒に喋っても、
君のまつげはいつだって綺麗だけれど、
でも、
見惚れる瞬間は、きまって、君が真剣に見つめる時だ。
幸せについて考える時。
見えない答えを探す時。
目の前の時間を全部、心に焼き付けようと見開いている時。
そんな時の彼女のまつげの先は、
いつだって、未来を指している。
僕は、君のまつげをコンパスみたいに、想って