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蒼樹ほのお
2023年1月23日 15:45
むかしは本の虫だったが二十六歳頃からあまり読まなくなった一人暮らしを始めたときからだマンガも小説も聖書も読むと云ったら詩くらい代わりにぼくは人生を読んでいるそこから学び取ってきたぼくの人生で接するものはどれも本だと思っている冬の嵐も 夏の台風も歌番組もユーチューブも彼女の微笑みも友のLINEも牧師先生の説教も祈りの時間もすべてが本だと思っているこの世に本でない
2023年1月22日 17:20
かかりつけの病院で事務員が替わっていた診察を終え薬局へ受付の子がまた違うここはときどき薬剤師も入れ替わる速く安く正確に若く美しく文句を云わないより便利な部品を探してるらしい古くなるだけで捨てられる泣き笑い恋も呼吸もするのにどこもそうだどれだけの悲劇が世界中で起こっているのか熱意は下がるプライドも失せる「人の命は地球より重い」きれいごと言うなよ誰も信じち
2023年1月17日 19:52
ある人からぼくの作品が人さまをお救いしますようにそう伝えられた…どうだろ?人を救うのは無理でも少しでも人の心を癒やすようなそんな詩を描けたらと思う鳥頭なので忘れちゃうかもしれないけどそう云うのも少し積極的に描いてゆきたいなそんなことを思いながら今夜も台所でラーメンをすする
2023年1月15日 15:17
詩を描きたいのに描けないワタワタすることがときにあるそう云うときはできるもの できるものいいのじゃなくて嫌になるけれど創作するしかないそれしかぼくにはないからふつうの人にできることができなかったりするそれがなにかとかここではいちいち口にしないけれど
2023年1月13日 21:23
病気は嫌なものだが経験することによって人の痛みを自分のことのように感じる感受性が与えられる苦しい思いをしないと一人前になれないのとどこか似ていると云うのもぼくが不治の病である統合失調症の患者だから軽々しく云えるのであってバリ健康な人が口にすれば石が飛んでくるかもでも、いつか経験してよかったと思えたらな…
2023年1月10日 14:54
十代の頃はなりたい自分と現実のギャップによく涙していたでも誰にも打ち明けられずベッドで膝を抱えていた好きな女性に手紙を送り文通することになった日天にも昇る気持ちだった手紙を書いている間だけは愉しいのに終わると哀しいけっきょくは独りか。その子にも悩みは伝えられなかったただ愉しげに場を盛り上げるだけ深夜のラジオに熱中したパーソナリティーの語りが胸に響く――苦しい
2023年1月3日 15:38
何年か前に詩人の谷川俊太郎さんに手紙を書いた「詩を千作書きました」と記したらすぐに返事をいただき――叱られた「あなたは何になるつもりですか?」「詩では食べてゆけませんよ」そんなことを云われたでもぼくはもう二千作以上書いてしまったまた手紙を送れば叱られるだろうか「どうしても書いてしまうんです」「書かずにいられないんです!」こう云っても叱られるだろうかしょうがないで
2023年1月3日 16:59
十代の頃の苦しみを思うとあの頃なぜ詩を書いていなかったのかと思う苦しさをまるごと言葉にして吐いていればつらさも少しは楽になった気がしてでもあのときは書いていなかった代わりにぼくが詩を書いてあげなきゃいけない今の痛み、哀しみ、愉しみを詩にしなくちゃいけない言葉は今しか吐けないから今、口にしよう痛み哀しみ愉しみをあなたしか吐けない言葉であなたしか語れない語り口で口に
2022年12月21日 08:00
「今日こそなんとかしてやる!」そう誓いながら毎日登校していたそれが病気だとは信じなかったがなにかおかしいとは思っていたクラスの好きでもない女子が異常に気になってその子を始終見ていたら気づかれてそれからは下を向いて授業を受けるようになっていたその女子を見ずにいられなかったから授業中ずっと下を向いているのに「見てる」「見てる」とぼくを非難する声が聴こえるぼくがその子をまだ
2022年12月19日 07:15
夢を描いて真剣に生きて誤解を受けて差別されてそんなことを繰り返していた十六の頃 すでに統合失調症を発症していた逃げたいのに逃げ場がない友人はみな去り孤独の中でうろたえていた世間が化け物小屋に見えた生きるのが地獄になった差別を受けたのは旧友からだけではないいとこ、床屋のオヤジ、宗教家、下級生、ただの知人やけくそにもなるよ!涙ながらに酒を注いだ呑んで呑んで吐いて