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読書まとめ『集中できないのは、部屋のせい。』→集中を妨げるノイズを視界・意識から消す

『集中できないのは、部屋のせい。東大卒「収納コンサルタント」が開発! 科学的片づけメソッド37』米田 まりな



一言で言うと

集中を妨げるノイズを視界・意識から消す



概要

ノウハウだけでなく、科学的根拠を重視した片づけ本です。先日読んだ『部屋を片づけるだけで子どもはぐんぐん伸びる!』で、片づけと子どもが伸びることの関係性についての裏付けが提示されていないことが気になっていました。

ダメ元で「片づけ 科学」で検索してみたところ、本書がヒットしたので読んでみました。

本書における片づけの目的は、自宅作業の集中力を高めることに設定されています。他の本のように、ていねいな暮らし、とかふわっとした目的ではないところが特徴。哲学やミニマリズム系の本を読んで「いま、ここ」への集中力の重要性を感じていたので、「集中できる部屋づくり」というテーマには興味をそそられました。


集中力を保つためには、今必要ではないモノ(ノイズ)を視界に入れないことが重要だと読み取れました。未処理の書類などが視界の端に入ると脳が潜在意識で認識してしまい、目の前のタスクとは関係ないタスクに脳のリソースが割かれてしまいます。つまり、余計なモノを片づけて、集中したいモノ以外は視界に入らない環境を作ればいいわけです。

視界に入りさえしなければいいので、捨てる以外の選択肢も広がります。箱に入れてクローゼットにしまったり、家の外部(トランクルームなど)に保管したり、など。特に後者の「所有と家に収めることとを分離する」という考え方は興味深いですね。


本稿では、本書からの学びを3つ共有します。



① 仕組み化:頻度と利用シーンで分ける

本書では、モノを使用頻度ごとに分類する方法が推奨されています。毎日使うモノは、使うタイミングで手の届く範囲(ハンディゾーン)に置き、毎月・毎年使うモノはクローゼットなどに収納してしまってOK。文房具は筆箱に、服はクローゼットに、といった具合でカテゴリごとに分類する方法が一般的ですが、使用頻度ごとに分類することで、必要なモノがすばやく取り出しやすくなります。とても合理的で、目からウロコでした。

使用頻度の高いモノは、利用シーンごとにグループ化するとさらに使いやすくなります。例えば、朝に使うモノ、仕事で使うモノ、休憩・プライベートで使うモノ、といったグループ分けですね。私の場合は、洗面所の引き出しに、眼鏡ケース・アラーム付き腕時計・マスクを入れるようにしました。一見バラバラなアイテムたちですが、これらは私にとっての「就寝時に使うモノ」のグループです。夜にコンタクトレンズを外して眼鏡をかけるタイミングで、腕時計とマスクも一緒に取り出して、今日の寝床(長女の気分次第で部屋が異なる)に持っていきます。

また、使用頻度の低いモノは、視界に入らないようにすることが重要。前述のとおり、余計なモノが視界の端に入るだけで集中の妨げになります。箱に入れてフタをするのが簡単な方法ですが、最近では荷物の預かりサービスも普及してきました。我が家だと、ベランダをもっと有効活用できそうな気がします。



② 視える化:まずは全部外に出す

片づけのフローは、全部出す→頻度別に分ける→定位置を決める→使ったら戻す、です。単純明快ですね。この感覚を掴むための練習として、財布でやってみることがオススメされています。整理収納アドバイザー1級テキストの第1章にも出てくる、取り組みやすい片づけだそうです。

フローの4ステップのうち、最初のステップである「全部出す」が特に重要だと感じました。収納されて見えなくなっているモノをすべて表に出すことで、持ち物の視える化をしていると言えます。長女がおもちゃ箱をひっくり返して、「こんなところに○○があった!」と懐かしいおもちゃで遊ぶのと似ていますね。

視える化の観点では、不要なモノを捨てる・隠すことで、大切なものを視える化する効果もあると考えられます。本書で挙げられている例として、要対応の書類を出しっぱなしにしない、という考え方があります。出しっぱなしにし続けることで見慣れてしまうので、対応を忘れないようにするリマインド効果は低いと言います。また、見るたびに「やらなきゃ(=まだやっていない)」、という小さな罪悪感に襲われるのも集中の妨げになります。書類自体は対応期日ごとのファイルに入れて視界から消して、スマホなどでリマインダーをセットすることが推奨されていました。



③ 習慣化:短く繰り返して、生活の一部に

片づけを一気にやりすぎないことも重要です。長時間片づけを続ければ心身が疲れて、脳が「この作業は苦痛だ」と認識してしまい、片づけに対する心理的抵抗が強くなるおそれがあります。

そこで、筋トレと同じように、短時間でこまめに繰り返すのがオススメされています。本書における、整理・収納・整頓の定義は下記のとおり。

整理:一つひとつのモノを所有する意味を定義する
収納:モノを使いやすい状態に配置する
整頓:使い終わったモノを定位置に戻す

このうち、整理+収納は30分、整頓は5分を1セットとします。余裕があったらもう1~2セット追加する、くらいの感覚で、片づけを長時間化しないようにします。休日などの時間があるときに整理+収納を行い、整頓は毎日行うイメージですね。片づけを特別な作業として捉えるではなく、生活の一部として習慣化することが継続のコツだと言えそうです、

また、整頓している最中に、整理・収納を始めないようにしなければ、と感じました。毎晩長女のおもちゃ片づけさせるとき(整頓)に、「まだこれで遊ぶ?(整理)」とか「これはどこに入れるの?(収納)」とか言っちゃうんですよね。開始時の声かけも、「片づけしよう」だと整理・収納を含んでしまうので、整頓だけにフォーカスした「元のところに戻そう」にします。おもちゃは帰る、おもちゃ箱、的な。



著者様note



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