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東京に住んでれば、部屋なんて片付かなくて当然なのである

整理収納アドバイザーの米田まりなです。本日4月3日より、NIKKEIプラス1で片付けの連載を開始しました🎉

次回は5月後半の掲載を予定しています。

初めての新聞連載ということで書きたいことが沢山あり、2000字に収まりきらなかったので、書き切れなかった「私が片づけを始めた理由と、片づけへの想い」を、こちらの記事で共有させて頂きます。(ということで以下より新聞口調になります笑)

日本の家は小さく、都心の部屋は狭い

「自分の部屋は十分に広い」と思う方はごく僅かと思うが、
諸外国と比べて日本の平均住宅面積は狭い。

また国内の住宅面積の地域差は非常に大きく、
「統計でみる都道府県のすがた2019」によると、東京都民は茨城県民と比べて三分の一の広さの住宅に住んでいることになる。

私は幼少期を茨城県で過ごし、中高時代は宮城県に転居、
大学時代に上京し、現在まで東京都内のマンションで暮らしている。

都市部に移り住む度、収納の難易度が格段にあがることを体感してきた。「部屋に収まる量が、本当に必要な物の量」などと言われることもあるが、茨城県から東京都に引っ越した瞬間に物欲が三分の一になることはない。
部屋が片づかないことに悩むあなたも、
自分の所有欲が住宅サイズに合致していないだけと、
どうか楽観的に捉えてほしい。

「捨てる」だけが片づけではない

片づけをしたものの、リバウンド経験のある方も少なくないだろう。

昨今では片づけにおいて「とにかく捨てること」が推奨されているが、
モノへの愛着が強い人からは、辛くなり挫折したという声を聞く。

私自身も、モノを捨てられない一人だ。幼少期から、両親の集める本と雑貨に囲まれて生活をしてきたため、モノへの愛着は人一倍強い。
今でも自宅には、母手作りの洋服や、受験時代のノートなど、
「使わなくても愛着があるモノ」が沢山ある。

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(画像は実家の玄関)

筆者は元々部屋の片づけが苦手であったが、
パソコンのデータ整理は得意であった。
データはすぐに使わない場合、削除せずとも、アーカイブ(一時保存)して視界から外すことができる。
しばらく放置して、容量が飽和してきた頃合いに削除をすればよく、
段階を踏めるので気が楽だ。

このアーカイブの考えを片づけに持ち込み、捨てずに部屋を片づけてみたいという考えから、整理収納アドバイザー一級の資格を取得した。
当時は自宅の片づけもままならない状態だったが、ユーキャンの講座を
受講しながら、1年程度の座学&周囲の方の自宅を訪問しての実践練習で、スキルを身につけることができた。
当時出版されていた整理収納に関係する本も、40冊程度読み込んだ。

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そして整理収納アドバイザー1級の資格取得後は、
アイドル応援が趣味の方、スニーカーコレクターの方、ファッション関係の仕事に就く方など、
「所有そのものを生き甲斐にする方」の自宅を中心に訪問していった。

彼ら・彼女らの部屋は、個性が部屋の端々から溢れ出ていて、訪問している私もワクワクが止まらない。
「モノを愛する人はクリエイティブだ」ということを身にしみて実感した。

持ち物は自分史になり、次の世代にも受け継がれていく
ミニマリストは効率的だが、全員が全員、画一的な部屋の様相になってしまっては味気ない。創造は豊かなインプットからしか生まれない。
愛着あるモノは大切に後世に遺しつつ、
同時に快適で機能的な部屋を作っていくことを、私のミッションにしようと決めた。

まずは部屋の容量を把握するところから

ここからは具体的に、片づけ術を紹介していこう。

引っ越しをしない限り、部屋に入る荷物の総量は決まっている。
まずは押入れやクローゼットなど、自宅の収納スペースの大きさを測定してみよう。
メジャーで測るのは煩雑なので、段ボール箱やカゴを手に持ち、大まかに何個分かを把握していく。

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容量が把握できたら、残すモノを選定していこう。
一つ一つのモノを、「使うモノ」・「愛するモノ」・「それ以外」に分けていく。

特に思い入れもなく、かつ使わないモノは、売る・譲る・寄付などで外に出して部屋の面積を確保しよう。
愛するモノが多すぎて、部屋の容量をオーバーしてしまう場合は、今一度吟味をし直した上で、外部収納サービス(サマリーポケット)も検討してほしい。


月1回以上使うものは三段のカラーボックスに定位置を決める。
詰めすぎると出し入れの手間が増えるので、八割以上は詰めないようにしよう。

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それ以下の使用頻度のものは箱に詰め込み、押入れなどの収納スペースへ。箱を閉じる前に写真撮影しておけば、中に何が入っているかを忘れない。

この収納方法は、アパレル店舗の店頭とバックヤードから着想を得ている。頻繁に使うモノは手に取りやすいようラックに平置き、今すぐ使わないモノは段ボールに詰めて重ねておくのが効率的だ。

収納グッズを駆使して収納量を増やす手法もあるが、グッズを増やすほどに、掃除などメンテナンスの手間も増えていく。
また安易に棚を買い足してしまうと、居住エリアの面積が狭くなり、快適さが損なわれてしまう。
部屋に残すモノが決まるまで、収納家具は買わないようにしよう。

モノへの愛情自体は尊い一方で、部屋の面積は限られており、
モノが少ないほど快適に使えるのもまた事実。
愛着のあるモノは大切に残しつつ、思い入れのないモノは手放して、メリハリをつけて片づけを進めていきたい。

最後にこれだけ、3つの意識改革

片づけを成功させる第一歩は、コンプレックスをなくすこと。
どんなに煽られても、「自分は片づけられない、ダメな人間だ」など、決して思わないで。片づけは正しい手法で習得すれば、誰でも後天的に習得できるスキルだ。

①捨てなくていい
いざ片づけとなると、ゴミ袋を手にする人は多い。捨てることを目的化せず、まずは持ち物一つ一つと丁寧に向き合うことから初めて。

②凝らなくていい
フェリシモの調査によると、収納家具を買っても使いこなせなかった経験がある人は65パーセント。
まずは部屋に残すモノを選びきった上で、収納手法を検討する。

③一気にやらなくていい
片づけの適切時間は、一日三時間が上限。
それ以上続けてしまうと、集中力が切れて判断を誤り、リバウンドの元に。


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