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PKPK(パパッと簡単ぱぱキッチン)1

寒い季節になると、どうしても鍋が恋しくなります。
私には二人の子供がおり、息子、娘、それぞれが大学、専門学校に通い、親元を離れて生活しています。
コロナの再流行の影響で、オンラインや隔週授業を余儀なくされており、アルバイトにもかなり支障が出ています。
本来であればたまに帰省して一緒にご飯を食べるのですが、それもなかなか出来ませんでした。
しかし、しばらく学校が休みになるということで、久しぶりに二人が帰って来ました。
 二人とも鍋料理が大好きで、まだ実家にいる時の、約八割の晩御飯は鍋でした。春夏秋冬季節を問わず、もうどのくらい作ったかわかりません。
私が鍋料理が好きなのには、いくつか理由があります。

1・・後片付けが楽。
食べ終わったあと、食器も鍋に入れてお湯につけておけるのでかなり楽で時間短縮になる。
2・・栄養が摂れる。
お肉、野菜、魚、きのこ、牡蠣などを同時に摂れるので体にも優しい。
3・・会話が出来る。
思春期の子供たちはなかなか会話をしないと聞いていましたが、鍋にすることで必ず食卓を囲む習慣になり、最後の〆料理まで席を立たなくなりました。雑炊もうどんもちゃんぽんも、子供達が大好きなので、それを楽しみにしながらいろんな話が出来ました。

鍋も少し丈夫なものを購入したので、今でも現役で働いてくれます。
そばやうどん、ちゃんぽん、味噌ラーメンや豚骨ラーメンもこの鍋で作っています。
すき焼きやおでんも出来ます。

何にでも使えるこの鍋には、たくさんの具材達に負けないくらいのいろんな思い出、涙、笑顔が詰まっています。
部活でなかなか結果が出ない悩みも聞いてくれました。
童話発表会の絵本は何にしようか?
女の子同士で喧嘩してしまって、なんて謝ったら仲直りできるかな?
子供の詩コンクールで優秀賞取って、今度授与式で三人テレビに映るけど、パパどんなスーツで行こうかな?
共通テストで先生に志望校は厳しいって言われたけどどこ受験しようかな?第一志望に受かったー!!
などなど、たくさんの喜怒哀楽と共にあった大事な鍋です。

 二人が高校生になり、親元を離れると、成長と共に悩みや問題も、より深刻なものになりました。
息子が高校二年時に、学校やクラスに顔を出せなくなり、ギリギリの状況でした。私はその間、正社員を辞め、会社にお願いしてパート扱いにしてもらいました。
寮と実家、半々で生活させ、週末迎えに行き、月曜日に朝送り、水曜日の夕方面会に行って車の中で話をしながら手作りのお弁当を一緒に食べました。土日は二人で買い物に行き、食材を選び、分担して料理をしました。
息子も少しずつ笑顔が戻り、DVDを一緒に観て、夜は課題やテスト勉強をして、散歩や魚釣りに行って、毎週その繰り返しを根気よくやり、自分でちゃんと卒業が出来ました。
当たり前の事が当たり前ではなくて、どんなことでも喜びがあり、感謝しなければならないという事を、親子で学びました。
つまずいて初めて気付く事、挫けそうになって初めて得る教訓があるんだという事を、私も息子のおかげで勉強しました。
今は息子もだいぶ強くなり、自分の将来の為に頑張っています。

人生、出来れば苦労したくありません。
子供に苦労させたくもありません。
しかし苦労があって初めて成長出来ると思っています。
歯を食いしばって進んだ日々や、涙を流した週末、大学に推薦で受かった時のガッツポーズなど、その全部が本人の人間性を作る上での大きな栄養となっているような気がします。
あの日々を乗り越えた鍋料理は、私達家族の一員なのです。

さて、今夜は二人のリクエストもあっておでんにしてみました。

ありあわせで作りましたがあっという間になくなりました。

からだも温まり、お酒もすすみます。
何かあったら、この鍋で乗り越えて行きたいと思います。これまでも、これからも、いつまでも。

 







#うちの鍋


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