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「呪術廻戦」で学ぶ、リーダーが持つべき視点(※ネタバレ無し)

「100年後の荒野で笑うのは儂である必要はない。呪いが人として立っていればそれでいい」

✔呪術廻戦の「術式」をおさらい

 今期の最高峰の人気アニメと言っても過言ではない呪術廻戦。内容が複雑で難解なので、面白いから人気は出ても鬼滅の刃には迫らない、約ネバとかヒロアカくらいの人気で収まる(って言うても結構な人気度ですよ?)かなって思ってましたが、ガチ迫りしてますね。驚きです。

 すごくざっっっくり言うと、人間の負の感情から生まれた「呪い」=「呪霊」と、それを払う人間の「呪術師」そして「呪詛師」がいます。簡単に言うと、術式を使って人を助けるのが「呪術師」で、人を殺すのが「呪詛師」ですね(ダークサイドに落ちたのが呪詛師)

 そして、それぞれの呪力に応じた「術式」を使って戦いますが、呪術師が持つ「術式」によって能力・効果が違います。術式は生まれつき持っているもので、後天的には身につないものらしいです。(イメージ的にはヒロアカの個性みたいな…)なので、ジャンル的には能力バトル系になると思われます。

 ただまぁ、この「術式」の理論がなかなか難しいのですが、特級しか使えないという「領域展開」のワードはもはや流行語となりつつあります。この中で最強の呪術師と言われる五条悟(CV:中村悠一)の「無量空処」は最強…というか五条悟が最強なのですが、術式だけでなく顔面も特級of特級で、アニメ7話で爆発的に女性支持者を増やしました…。(いちおう貼っとくか)

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 個人的には、伏黒(CV:内田雄馬)の式神を呼ぶ時の印の結び方が「影遊び(手の組み方によって、色んな動物の影を作る遊び)なのが、なんかカワイくて好きですね。宿儺(CV:諏訪部順一)が伏黒に「影を依り代にして式神を呼び出すのか」みたいな事を言ってたと思いますが、印が影遊びの形なのだから、影を媒体?にして式神を出す、という理論は納得できます。(↓影絵参考…なつかしいなぁ)

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✔呪霊が人間を殺す理由

 さて、人間の呪いから生まれた呪霊が、なぜ人間を殺そうとするのか、ですが、その答えは意外なほどさらりと出ていたので、見過ごしている方も多いと思います…と、偉そうに書きましたが、何を隠そうみみのすけ自身も、つい昨日、アニヲタon-line談義で、その話をしてくれたケニヤさんのお陰で気づけたんですけどね…wあはっ♪しかも、その言葉はとても深いので、今回のテーマに取り上げました。

 夏油傑(CV:櫻井孝宏)と漏湖(CV:千葉繁)がファミレスで密談(ファミレスで密談?って思うかもだけど…呪霊は呪力持ってないと見えないので密談でOK)していましたが、あのシーンは、漏湖が呪詛師である夏油に人間を滅ぼすにはどうしたらいいか?と相談していたんですね。この二人の関係は夏油=コンサルタント、漏湖=クライアントでと考えるといいでしょう。

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 そのクライアント漏湖は、コンサルタント夏油に対し、自分の目的を語ります。その時の「人間は嘘でできている。表に出る正の感情や行動には、必ず裏がある。だが負の感情、憎悪や殺意などは偽りのない真実だ。そこから生まれ落ちた我々呪いこそ、真に純粋な本物の”人間”なのだ」「100年後の荒野で笑うのは儂である必要はない。呪いが人として立っていればそれでいい」という漏湖の言葉こそ、その答えです。

✔正しいか間違っているかの二元論で決めない

 この漏湖のセリフはなかなか「ハッ」とさせられますよね。昨日のon-line談義ですごく盛り上がった瞬間の1つでした。これが正しいか間違っているかということは問題ではありません。あくまで漏湖の主観ですから。

 ですが、以前「東京喰種」について取り上げた時も書きましたが、別の視点で一旦考えてみる事、相手の立場で物事を見てみる事は、公私共に大事な事です。一般的には「善」と考えられていることは本当に「善」なのか?「悪」は「悪」なのか?そもそも「どちらかだけが正しいのか」と…。

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 「人間は嘘でできている。表に出る正の感情や行動には、必ず裏がある。だが負の感情、憎悪や殺意などは偽りのない真実だ。という言葉は、いささか極端ではあっても「憎悪や殺意には嘘偽りがない」という点は、納得できます。これらの負の感情は、嘘で起こることはありませんよね。

 一方で「正の感情や行動」つまり、「善意」には本心からモノと偽りのものの2種類があります。例としてこのnoteを始めとするあらゆるSNSで「スキ・いいね・フォロー」などの「正の行動」を行う時、全てを本心から好きな記事や配信者だけにしかしない、という人はどれだけいるでしょうか?

 事実、人によっては自分へのフォローバック欲しさに、めったやたらとフォローボタンを押している人もいますよね?それは「フォローをする」という善意の裏に「自分にお返してほしい」という本心が隠れていますよね?(あくまで事例として取り上げただけで、別に批判の意思はありません)

 もちろん、世界には本心からの良心・善意もたくさんあります。私もたくさんの人たちの心からの善意に助けられてきました。でも逆に、善意に見せかけた悪意も体感しています。

 人間不信になりそうな裏切りにもあいましたw…理論でも学んでいましたが、体感的に確信したのは「敵意が表面化している人の方がマシ」ということです。これについては、また別のテーマになりますので、次回詳しく書きます。すごく大切な事で、何より自分自身を守るために知ってほしいことだからです。

✔漏湖は志が高い経営者

 「…だが負の感情、憎悪や殺意などは偽りのない真実だ。そこから生まれ落ちた我々呪いこそ、真に純粋な本物の”人間”なのだ」と言い切る漏湖は、一般的に多い「悪側」と違って自己の欲望だけで行動を起こしてはいません。漏湖の哲学の神髄は「100年後の荒野で笑うのは儂である必要はない。呪いが人として立っていればそれでいい」という言葉にあります。

 夏油が「君たちのボス」と漏湖に向かって言っているので、ボスは漏湖ではないのですが、この言葉から真のリーダー気質を感じます。リーダーとは「全体の益」をいかに考えることができるかであって、自分自身の能力だけ高めたいとか、自分の欲求だけを満たす存在は、いかに大きな力を持っていても、カリスマ性だけあっても、真のリーダーとは言えません。

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 例えば、鬼舞辻無惨は強大な力を持ってはいますが、彼の行動原理は極めて私的です。無惨は自分自身が太陽を克服したいというためだけに、鬼を作り続け、多くの人を殺してきました。そこには、思想も哲学もないただの自己満足でしかありません。

 漏湖の場合は、鬼滅の刃の世界観で例えるなら「鬼たち全てのために太陽を克服させたい。だから鬼を作り続けるのだ。太陽を克服するのは自分でなくても構わない」という考えになります。無惨とは真反対ですよね。

 これが経営者なら「社員の給料をUPさせるために、企業の利益を上げるのだ。業績が上がっても、自分の給料は据え置きで構わない」と言った感じでしょうか?ちなみに漏湖は社長というよりは、気分屋の経営者にふりまわされて困っている「専務」という感じだと思いますw

 こういう視点で見てみると、呪術廻戦も「アニメを見る無駄な浪費の時間」ではなくなるのではないでしょうか?アニメから何を学ぶか、何を感じるかは自分次第ですから。

 

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