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アルセーヌ・ルパン『女探偵ドロテ』-隠された財宝を巡る冒険!イン・ロボール・フォルチュナとは?-

(Spoiler Alert!ネタバレ注意!)

みなさん、こんにちは!

今回も、”準ルパンシリーズ”の1作品である『女探偵ドロテ』を取り上げたいと思います。

”準ルパンシリーズ”は、今回か次回の記事で完了するつもりです。

約1年弱に渡って、アメブロからこちらのnoteへ記事の移行作業をしていましたが、それも終わりに近づいてきました。

ルパンシリーズは、『ルパン最後の事件』や『ルパン、最後の恋』が、まだ残っていますが、これらの作品はnoteでは取り上げないつもりです。

そして、準ルパンシリーズにも、『赤い輪』やルブラン氏が書いたSF小説等の作品がありますが、これらも記事にはしないつもりです。

ですので、ルパンシリーズの一旦区切りがついた後は、私の大好きな『モンテ・クリスト伯』、『ベルサイユのばら』等をご紹介していきたいと思います。

『女探偵ドロテ』は、”準ルパンシリーズ”に入りますが、なかなか重要な作品です。

なぜなら、『女探偵ドロテ』(偕成社)の巻末にある解説で、長島良三氏が述べられているように、『カリオストロ伯爵夫人』で語られる4つの謎のうちの1つを巡る物語であるからです。

4つの謎とは・・・
1 イン・ロボール・フォルチュナ
2 ボヘミア諸王の石
3 フランス諸王の富
4 七本枝の燭台

アルセーヌ・ルパンは、『カリオストロ伯爵夫人』で、”七本枝の燭台”の謎を解き、『奇岩城』で、”フランス諸王の富”を発見し、『三十棺桶島』で”ボヘミア諸王の石”の謎を解明した。

最後の4つ目の謎、”イン・ロボール・フォルチュナ”とは何なのか、それがこの『女探偵ドロテ』のストーリーで明らかになるのです。

『女探偵ドロテ』は、一言で言うと、『カリオストロ伯爵夫人』と同様、隠された財宝を巡るストーリーです。

ドロテの父は、殺されたのか、殺したのは誰か、そして隠された財宝はどこにあるのかが基軸となります。

ドロテは、女性版アルセーヌ・ルパンのような人物で、高貴な生まれのようですが、第一次世界大戦で孤児となった少年たちとサーカス団を結成して、フランス中を渡り歩く生活をしています。
 
何も持っていないし、もちろん裕福ではないけれど、自分の生きたいように生きているドロテは、幸せに見えます。
 
ドロテが思っている幸せが描かれているのですが、「なんの束縛もなく気兼ねもなく規則もなく、持って生まれた能力や個性を自由に伸ばすこと。幸福になれるのは正直な人間だけ」というくだりに、私も心から同意します。

持って生まれた能力や個性を活かして自由に生きている人が、実際どれだけいるでしょうか?

でも、こういう生き方が、真の自分を生きる生き方なんだと改めて思いました。

それでは早速みていきたいと思いますが、アルセーヌ・ルパンやフランスの旅、謎解きや推理・探偵小説がお好きな方は、拙著とYoutubeもあわせてご覧いただけると嬉しいです。

ドロテは、ロボレー城の近くまで来た時、父が第一次世界大戦中に「ロボレー」という言葉を繰り返して亡くなったことを思い出す。

ロボレー城の伯爵に招待され、そこでドロテは、戦時中に自分の親たちが交わした話の内容を知る。

ドロテの父、ラウールの父、デストレイシュ、伯爵の4人は、偶然にもロボレー家の縁者で、どの家にも同じ財宝伝説が受け継がれていたことを知っる。

また、財宝を発見した場合、4人は財宝を分け合うという誓いを立てていた。

ドロテの父は、財宝を見つける手掛かりになる”メダル”を持っており、その片面に、「イン・ロボール・フォルチュナ(富は強い魂に宿る)」というラテン語が刻まれていた。

しかし、父は何者かに殺され、メダルも盗まれたことが、伯爵の話から明らかになる。

ドロテは、悪党のデストレイシュの攻撃をかわしながら、最終的に父が持っていたメダルを手に入れる。

メダルには日付とラ・ロッシュ・ペリアック城の大時計の前と刻まれており、その場所に向かう。

財宝とは、一体何なのか?

そして、その隠し場所はどこなのか?

最後の財宝のありかのくだりは必見です。

なお、財宝のありかを示す最後のクライマックスの場所は、ブルターニュのピリアック(Piriac-sur-Mer)という場所ではないかと思います。

ブルターニュのピリアック(Piriac-sur-Mer)

この場所は、「ルパンの結婚」にも登場するブルターニュのサルゾーに近く、「三十棺桶島」に登場するル・ファウエ村も地図で確認できます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。






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