春日章宏

作詞作曲家/アレンジャー/ピアニスト/キーボーディスト ユニバーサルミュージックパブリ…

春日章宏

作詞作曲家/アレンジャー/ピアニスト/キーボーディスト ユニバーサルミュージックパブリッシング提携作家。 1983年東京生まれ。

マガジン

  • 作曲家を目指す人のための音楽理論

    作曲家を目指す人のための音楽理論を公開しています。 クラシックの楽典は情報が古い上に必要以上に難解で、POPS向けの理論書は正しいものと間違ったものが混在しています。 現役の作曲家目線の、最新の音楽理論をまとめていきたいと思います。

記事一覧

固定された記事

目次 - 作曲家を目指す人のための音楽理論

※随時更新予定※ 0.はじめに0.1. 作曲の方法 0.2. なぜコードや理論を学ぶ必要があるのか 1.基礎知識1.1. インターバル(音程) 1.2キーとサークルオブフィフス(5度…

春日章宏
5年前
6

12キーとサークルオブフィフス(五度圏)

どうも、作曲家のカスガです。 音楽理論を学ぶ前に、まずはキー(調性)について知っておく必要があります。 12キーとサークルオブフィフス(五度圏)キー(調性)は全部…

春日章宏
5年前
16

アッパーストラクチャーという概念

どうも、作曲家のカスガです。 今回は、アッパーストラクチャーという概念について説明したいと思います。 コードを上下に分割するアッパーストラクチャーとは、簡単に言…

春日章宏
5年前
11

なぜコードや理論を学ぶ必要があるのか

どうも、作曲家のカスガです。 唐突ですが、音楽を趣味や将来の目標にする方の中には、こういうことを言う人が一定数います。 「難しいコードなんか使わなくても作曲でき…

春日章宏
5年前
8

テンションノート

どうも、作曲家のカスガです。 今回はテンションノートについて解説してみます。 テンションノートは9th系、11th系、13th系の3種類があり、コードのキャラクターに応じて…

春日章宏
5年前
9

ハーモニックマイナー・パーフェクト5thビロウ

どうも、作曲家のカスガです。 ハーモニックマイナー・パーフェクト5thビロウ (Harmonic Minor Perfect 5th Below) を紹介します。 何とも言いにくい長い名前のスケールで…

春日章宏
5年前
3

ダイアトニックスケール / モード

どうも、作曲家のカスガです。 ダイアトニックコードは既に紹介しましたが、それぞれのコードに対応した「ダイアトニックスケール」も存在します。 ダイアトニックコード…

春日章宏
5年前
4

スラッシュコード・オンコード

どうも、作曲家のカスガです。 今回はスラッシュコード・オンコードを紹介します。 スラッシュコードとオンコードは基本的に同じものですが、表記の仕方が変わります。 …

春日章宏
5年前
3

作曲の方法

どうも、作曲家のカスガです。 作曲のレッスンをしていると受ける質問に、こんなものがあります。 「どういう風に曲を作っているんですか?」 「どうやって作っていけば…

春日章宏
5年前
8

四和音 特殊な四和音

どうも、作曲家のカスガです。 今回は、今までに紹介していない、使用頻度の比較的少ないものを紹介していきます。 M7(#5)aug.M7と表記される場合もあります。 7(b5)7(#…

春日章宏
5年前

四和音 | シックスコード

どうも、作曲家のカスガです。 今回はコード四和音のシックスコード、6/m6のふたつを紹介します。 6はメジャーコードに長6度を、m6はマイナーコードに長6度を加えたもの…

春日章宏
5年前
1

四和音 | 7sus4(セブンスサスフォー)

どうも、作曲家のカスガです。 トライアドにsus4がありましたが、四和音でも sus4が使えます。 7sus4の構成音このコードはsus4に短7度を加えたもので、ルート、完全4度、…

春日章宏
5年前
1

四和音 | dim(ディミニッシュ)

どうも、作曲家のカスガです。 三和音のディミニッシュトライアドというコードがありますが、本来のディミニッシュコードは四和音です。 ディミニッシュコードの構成音 …

春日章宏
5年前
15

四和音 | m7(♭5) / mM7

どうも、作曲家のカスガです。 今回はm7(♭5)(マイナーセブンスフラットファイブ)とmM7(マイナーメジャーセブンス)の2つのコードを紹介します。 四和音のコードを学…

春日章宏
5年前
3

四和音 | ドミナントセブンス

どうも、作曲家のカスガです。 今回紹介するドミナントセブンスは、とても特殊でありながら、非常に使用頻度が高いコードです。 別のコードに解決する強い力を持ち、それ…

春日章宏
5年前
3

四和音 | メジャーセブンス・マイナーセブンス

どうも、作曲家のカスガです。 現在のジャズをベースとした音楽理論では、三和音よりも四和音をベースとした考え方が主流です。 まずは基本となるメジャーセブンス、マイ…

春日章宏
5年前
3
目次 - 作曲家を目指す人のための音楽理論

目次 - 作曲家を目指す人のための音楽理論

※随時更新予定※

0.はじめに0.1. 作曲の方法

0.2. なぜコードや理論を学ぶ必要があるのか

1.基礎知識1.1. インターバル(音程)

1.2キーとサークルオブフィフス(5度圏)

1.3. メジャースケールと3種のマイナースケール

1.4. 練習方法

2. コード - トライアド2.1. メジャー・マイナー

2.2. m(♭5)(マイナーフラットファイブ)

2.3. su

もっとみる
12キーとサークルオブフィフス(五度圏)

12キーとサークルオブフィフス(五度圏)

どうも、作曲家のカスガです。

音楽理論を学ぶ前に、まずはキー(調性)について知っておく必要があります。

12キーとサークルオブフィフス(五度圏)キー(調性)は全部で12種類あります。
これは1オクターブが12音で構成されているためです。

サークルオブフィフス(五度圏)と呼ばれる図があるので、これを見ると分かりやすいですね。

ピアノの鍵盤の数を数えると分かりますが、例えばドから1音(半音)ず

もっとみる
アッパーストラクチャーという概念

アッパーストラクチャーという概念

どうも、作曲家のカスガです。

今回は、アッパーストラクチャーという概念について説明したいと思います。

コードを上下に分割するアッパーストラクチャーとは、簡単に言えば「何かのコードの上の部分」です。

例えば、以下の様な例があります。

このように、1つのコードをルートとそれ以外に分ける事で、構成音の多いコードを簡単に理解する事が出来ます。

またシチュエーションにもよりますが、コードの全ての音

もっとみる
なぜコードや理論を学ぶ必要があるのか

なぜコードや理論を学ぶ必要があるのか

どうも、作曲家のカスガです。

唐突ですが、音楽を趣味や将来の目標にする方の中には、こういうことを言う人が一定数います。

「難しいコードなんか使わなくても作曲できる!」
「理論の勉強なんか不要!感性が大事!」
「理論を覚えると感性が失われる!」

これは半分正解ですが、半分間違いです。

「難しいコードなんか使わなくても作曲できる!」

難しいコードを使わなくても作曲できますが、色々なコードを使

もっとみる
テンションノート

テンションノート

どうも、作曲家のカスガです。

今回はテンションノートについて解説してみます。

テンションノートは9th系、11th系、13th系の3種類があり、コードのキャラクターに応じてシャープ、フラットなどの付き方が変わります。

メジャーセブンスのテンション

メジャーセブンスに入る可能性があるテンションノートは、9, #11 , 13の3つです。

全てのテンションノート(特に#11)を使うと、リディア

もっとみる
ハーモニックマイナー・パーフェクト5thビロウ

ハーモニックマイナー・パーフェクト5thビロウ

どうも、作曲家のカスガです。

ハーモニックマイナー・パーフェクト5thビロウ
(Harmonic Minor Perfect 5th Below)
を紹介します。
何とも言いにくい長い名前のスケールですね。

このスケールはハーモニックマイナー・キーに属する第5スケールで、7(♭9)上で演奏されます。

つまり、完全5度下のハーモニックマイナーと同じ構成音という意味です。

マイナーキーのⅤは7

もっとみる
ダイアトニックスケール / モード

ダイアトニックスケール / モード

どうも、作曲家のカスガです。

ダイアトニックコードは既に紹介しましたが、それぞれのコードに対応した「ダイアトニックスケール」も存在します。

ダイアトニックコードのトニックから始まる7つのスケールです。

Ⅰ →イオニアン(Ionian)
Ⅱ →ドリアン(Dorian)
Ⅲ →フリジアン(Phrygian)
Ⅳ →リディアン(Lydian)
Ⅴ →ミクソリディアン(Mixolydian)
Ⅵ →

もっとみる
スラッシュコード・オンコード

スラッシュコード・オンコード

どうも、作曲家のカスガです。

今回はスラッシュコード・オンコードを紹介します。
スラッシュコードとオンコードは基本的に同じものですが、表記の仕方が変わります。

どちらを使うかは好みや意図によって変わりますが、視覚的に理解しやすくコードが密集しても比較的に見やすいことから、僕はオンコードを使用することが多いです。

非常に便利なコードなのですが、最初は使い方が難しいかもしれません。

以下に使い

もっとみる
作曲の方法

作曲の方法

どうも、作曲家のカスガです。

作曲のレッスンをしていると受ける質問に、こんなものがあります。

「どういう風に曲を作っているんですか?」

「どうやって作っていけばいいんですか?」

プロアマ問わず、必ず一度は受ける質問。

答えは「好きなものを好きなように作ったらいい」です。
作曲の手順や方法論は人それぞれで、明確な正解はありません。

こんなことを書いてしまうと身も蓋もないので、僕なりの作曲

もっとみる
四和音 特殊な四和音

四和音 特殊な四和音

どうも、作曲家のカスガです。

今回は、今までに紹介していない、使用頻度の比較的少ないものを紹介していきます。

M7(#5)aug.M7と表記される場合もあります。

7(b5)7(#11)と同じ扱いをしがちですが、特にホールトーンスケールを示唆する目的で使うこともあります。

7(#5)aug7と表記される場合があります。
こちらも7(b13)として扱いがちですが、特にハーモニックマイナーの第

もっとみる
四和音 | シックスコード

四和音 | シックスコード

どうも、作曲家のカスガです。

今回はコード四和音のシックスコード、6/m6のふたつを紹介します。

6はメジャーコードに長6度を、m6はマイナーコードに長6度を加えたものです。

信じられない話ですが、古いジャズではM7は不協和音と考えられていて、ⅠM7やⅣM7ではなく6コードが主流だったそうです。

m6コードは、トニックマイナーやモーダルインターチェンジのサブドミナントマイナーとして使われる

もっとみる
四和音 | 7sus4(セブンスサスフォー)

四和音 | 7sus4(セブンスサスフォー)

どうも、作曲家のカスガです。

トライアドにsus4がありましたが、四和音でも sus4が使えます。

7sus4の構成音このコードはsus4に短7度を加えたもので、ルート、完全4度、完全5度、短7度で構成されています。

C7sus4の場合、ルートからC, F, G, Bbです。

C7sus4の使い方C7 sus4には様々な使い方がありますが、Ⅴ7に内声が解決するドミナントとして使うのが最も代

もっとみる
四和音 | dim(ディミニッシュ)

四和音 | dim(ディミニッシュ)

どうも、作曲家のカスガです。

三和音のディミニッシュトライアドというコードがありますが、本来のディミニッシュコードは四和音です。

ディミニッシュコードの構成音

ディミニッシュコードの構成音はルート、短3度、増4度(=減5度)、減7度(=6度)です。

Cdimの場合、構成音はC, E♭, F#, Aになります。

ディミニッシュコードの特徴このコードは全ての構成音が短3度のインターバルになっ

もっとみる
四和音 | m7(♭5) / mM7

四和音 | m7(♭5) / mM7

どうも、作曲家のカスガです。

今回はm7(♭5)(マイナーセブンスフラットファイブ)とmM7(マイナーメジャーセブンス)の2つのコードを紹介します。

四和音のコードを学び始めて最初にぶつかるのが、この二つのコードだと思います。

m7(♭5)(マイナーセブンスフラットファイブ)m7(♭5)は名前の通り、マイナーセブンスの5度をフラットさせたコードです。
別名ハーフディミニッシュとも呼ばれ、省略

もっとみる
四和音 | ドミナントセブンス

四和音 | ドミナントセブンス

どうも、作曲家のカスガです。

今回紹介するドミナントセブンスは、とても特殊でありながら、非常に使用頻度が高いコードです。

別のコードに解決する強い力を持ち、それを活用したコード進行が数多く存在します。

ドミナントセブンスの構成音7(ドミナントセブンス)の構成音は、ルートと長3度、完全5度、短7度です。

C7の場合、ルートはC、長3度はE、完全5度はG、短7度がBbになります。

トライトー

もっとみる
四和音 | メジャーセブンス・マイナーセブンス

四和音 | メジャーセブンス・マイナーセブンス

どうも、作曲家のカスガです。

現在のジャズをベースとした音楽理論では、三和音よりも四和音をベースとした考え方が主流です。

まずは基本となるメジャーセブンス、マイナーセブンスを見ていきましょう。

M7(メジャーセブンス)M7(メジャーセブンス)は、ルート、長3度、完全5度、長7度で構成されています。

CM7の場合、ルートはC、長3度はE、完全5度はG、長7度はBです。

m7(マイナーセブン

もっとみる