感染症の発症で起こりやすいクループ症候群の症状や原因、治療法、予防策などは?
こんにちは、翼祈(たすき)です。
クループ症候群とは、ウイルスや細菌での感染が起因の呼吸器疾患のことを指し、生後6ヵ月~3歳頃に多く見受けられる呼吸器の感染症で、主に気管の入り口の周辺の喉頭気管部分が風邪などで腫れと炎症を発症する喉頭気管気管支炎です。
クループとは疾患の名前ではなく、ウイルス感染などが起因である特有のものを咳込み、特定の呼吸器疾患の総称です。
独特の咳で、悪化するにつれて声がかすれ、喉頭部で息を吸う時にはゼーゼーと音がする様な特徴的な症状になります(吸気性喘鳴)。
クループ症候群のおよそ80%程度は軽症で、外来通院での治療ができるとされています。その反面で人工呼吸器を装着しなければいけない症例はおよそ3%未満程度あるとされています。
クループ症候群の症状のピークは3〜4日目で、一般的に1週間程度で治癒する短期的な病気です。クループ症候群の原因がウイルスや細菌だと診断を受けた時には、周りの人々に感染を拡大させない様に、人混みは避ける必要もあります。
主に秋と冬にかかることが多く、特に生後6ヵ月の赤ちゃんや3歳頃の子どもさんに多く見受けられます。6歳以降になるとほとんどかかりません。性差に関しては特に指摘されていません。
特に、小さい赤ちゃんの時期は、保育園・幼稚園などの集団生活を始めた頃でもあるため、集団感染を繰り返し起こしやすく、クループ症候群に感染しやすい頃でもあります。子どもさんが多く集合する場所では感染症が拡大しやすいことから、必ずかかりつけ医の診察を受けて、登園・登校の時期を相談する様に心がけましょう。
今回はクループ症候群の症状、原因、治療法について、紹介したいと思います。
◉症状
・急な発熱
・声がれや声が出づらくなる(嗄声:させい)
・喉の痛み
・唇の色が悪く紫色をしている(チアノーゼ)
・犬が吠えたり、オットセイの鳴き声の様な音の咳(犬吠様咳嗽:けんばいようがいそう)
・深夜に症状が悪化(特にクループ症候群に感染した翌日の夜が咳が悪化しやすいが、朝には落ち着いている)
・息を吸ったり時にケンケン・ヒューヒュー・ゴーゴーという呼吸の音がする吸気性喘鳴
・全身倦怠感でぐったりしている
・陥没呼吸(喘鳴が増強し、呼吸時に肋骨や鎖骨のくぼみがペコペコ凹み、息苦しそうにしている)
・多呼吸、苦しいそうにしている
・呼吸がしづらく横に寝ることができない、水分が痛く感じて飲めない
また、呼吸困難を引き起こすケースもあります。
これらの症状は夜に悪化しやすいことも大きな特徴です。
朝は症状が軽快していた場合でも、夜に症状が多く見受けられることがしばしばあって、3~4日程度症状を繰り返す場合もあります。
◉原因
①ウイルス感染がほとんどでパラインフルエンザウイルス1型・2型による喉頭気管気管支炎。
②アレルギーにより喉頭の入口にむくみが起きたもの(声門浮腫)。
重篤な呼吸困難と高熱を伴って、急激な悪化の経過を辿るヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)などによる急性喉頭蓋炎。
④胃食道逆流やアレルギー、急性喉頭蓋炎などの感染。
⑤腫瘍や異物(ピーナッツなど)などによる機械的な閉塞。
それ以外の原因ウイルスにコロナウイルス、エンテロウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルス、麻疹ウイルスなども知られています。
◉類似している病気
クループ症候群と診断を誤りやすい、より重症の病気として急性喉頭蓋炎という病気があります。
突然の高熱、唾を飲み込めずにダラダラ口から流れてしまう程の喉の痛み、急激に進行して呼吸困難などの症状が出現して、場合によっては空気の通り道が完全に閉じてしまって命を落としてしまうことがあります。
この様な症状が認められたら、速やかに救急車を呼んで下さい。
◉合併症
肺炎や中耳炎など
◉感染経路
・接触感染
・飛沫感染
◉診断基準
クループ症候群の確定診断をするには診察で、臨床症状を経て確定診断されることがほとんどです。場合によっては、以下の検査手段が活用されています。
・喉頭部X線検査
・細菌培養検査
・気管支鏡検査
身体診察では、声のかすれ具合、呼吸音、咳音の確認をし、発熱が出ている場合は体温の測定も実施されます。また、酸素飽和濃度Sp02の測定も実施します。
特徴的な咳が出ている時にはスマホなどで咳を録音し、受診をした時に医師に聞かせて確認して頂くのも良い方法でしょう。
身体検査だけでは診断が困難なケースでは、喉頭部・胸部X線検査もかけ合わせて実施します。喉頭部X線検査では、喉頭蓋下の狭小化(steeple sign)と呼ばれる気管支の拡張が認められるケースがあります。
クループ症候群の合併症である肺炎を見つけることに関しても、喉頭部X線検査は有用な診断基準です。
重篤なクループ症候群や、症状が改善せず悪い経過を繰り返して起こしている時には、子どもさんに対して、気管支鏡検査を実施することもあります。
また細菌培養検査は、細菌などの病原体を特定するために実施し、治療に必要な治療薬を選択することに役立ちますが、喉頭部が炎症で腫れていることで、喉頭部に綿棒を挿入して検査をすることが困難であって、一般的には実施されません。
気管支鏡検査は声帯の状態や呼吸管の形状を総合評価することで、クループ症候群の程度を確定診断し、適切な治療を行うための検査です。
気管支鏡検査は設備の整った病院での検査で、専門医師が行う、高度な検査になります。
◉治療法
クループ症候群の治療で一番大事なのは、喉や気管支など気道の腫れをひかせることです。腫れや炎症を抑え込む治療薬を活用して治療をします。
クループ症候群の一般的な治療法は、鎮咳去痰剤や気管支拡張剤の内服、十分な安静と水分補給といった対症療法がほとんどの場合行います。喉頭の腫れを抑え込むためにエピネフリンの吸入やステロイドの内服薬の治療法もあります。
ですがクループ症候群の原因ウイルスによっては繰り返し感染したり、肺炎に繋がったりする場合もあることから、原因となる病気の治療も同時進行で行います。
症状が重症な時には入院を必要とする場合もあって、脱水症状に対して輸液、低酸素状態に対して酸素投与が実施されます。
軽症の時には、部屋の湿度を高く維持した状態で安静に過ごすことで、クループ証拠群の症状の改善の期待が持てます。
病院から処方された薬を適切に服用し、静かで落ち着いた環境を家庭内で作ることが大事です。食事は咳が収まっている時に少しずつ食べさせ、水分補給をすることも十分に注意を払って下さい。
空気が乾燥していると咳込んで、クループ証拠群の炎症が悪化することもあるので、加湿器や湿ったタオルを室内に干すなど室内の湿度を高くする様に意識しましょう。色々な方法を取り入れて空気を湿らせておくと、咳が酷くなりづらいです。
クループ証拠群に感染している子どもさんを泣かせず、なるべく喉頭の安静を維持することが重要だと言えます。
・水分の補給→たんを切りやすくするために水分はいつもより多めに飲ませて下さい。酷く咳き込む時は飲み物を少しずつ何度も飲ませましょう。また、咳込む時は、湯気の出る暖かなお茶などを少しずつ飲ませると、症状が緩和されます。
・入浴→息苦しい時や高熱が出ている時以外は構いません。入浴により気道が加湿されて、咳が出ることが軽くなる場合もあります。
・食べ物→息苦しそうにしている時に無理に食べさせるべきではありません。息苦しさがなくなったら、本人の食べたいものを与えましょう。息苦しさや咳き込みがなく、食欲があるならば、少しずつ注意しながら食べさせて下さい。
◉予防策
呼吸器疾患のワクチン接種を受けることで発症を事前に予防することができます。
それ以外には、発症が多い秋から冬にかけては、手洗いうがい、そして消毒を徹底することも感染させないためには効果的な行動です。
◉受診の目安
元気がなく、全身ぐったりしていたり、呼吸困難などがある場合は、早期の病院受診が必要になります。
特に休日や夜間にクループ証拠群の症状が悪化した場合は、救急機関を受診する必要もあります。
咳や息苦しさでの睡眠障害は、さらなる体調不良に繋がる恐れもあります。
この症状がある時には、適切に病院を受診し、治療を受けることが重要になってきます。
また、唇の色が紫色(チアノーゼ)に変わり、急激に顔色が悪くなった時には、自己治療や自己判断は避けて、病院を受診して下さい。
「いつもとは違う呼吸の苦しさや咳が出ていたら、早期に病院を受診する」というポイントをしっかり押さえておきましょう。
参考サイト
再診の目安は、
・高熱があるとき
・強い咳をして睡眠障害にあるとき
・息苦しそうになったとき
・水分補給があまりできていないとき
だそうです。
私は1回むせ出すとむせ続けて、電車の中だと周りの人から嫌な目でジロジロ見られたり、横に座っている人が席を離れたりと、嫌な思いをするので、今のご時世、咳き込むのは辛いなと感じています。
そういう時には、RSウイルスにかかった時の病院の薬局で買った、咳止めの飴玉をよく舐めています。
咳止めの飴玉はよく効くので、もし咳にお困りでしたら、使って頂きたいと思います。