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視覚障害者や医療的ケア児など、ここにある日常の一瞬を切り取った心温まる物語。

こんにちは、翼祈(たすき)です。
私は昔から漫画を含めて本を読むことが好きでした。子どもの頃から本が身近にあって、読むことに慣れ親しんで来ました。

最近思うのが、前は少ししか出て来なかった障害者という登場人物が、近年の漫画では主人公として描かれることが増えたということです。

確かに私が子どもの頃も障害者は出て来ましたが、それは車椅子に乗った身体障害者で、それ以外の障害にフィーチャーした作品は読んだことがありませんでした。

この記事で紹介したい本は、2冊です。今回はエッセー漫画『見えないボクと盲導犬アンジーの目もあてられない日々』と、4コマ漫画の冊子【あーくんとそーくん】について、語りたいと思います。

エッセー漫画『見えないボクと盲導犬アンジーの目もあてられない日々』

全盲シンガー・ソングライターで教師としても活躍する神奈川県横浜市に住む栗山龍太さんが、盲導犬と生活するライフスタイルをユーモアを交えて発信する、小学館刊のエッセー漫画『見えないボクと盲導犬アンジーの目もあてられない日々』を出版されました。目が見えないことからの失敗も「クスッと笑って貰えれば嬉しく感じます。親近感が生まれると思います」と思う栗山さんがチョイスしたネタを、神奈川県川崎市に住むイラストレーター・エイイチさんがソフトなイラストで彩っています。小さなお子さんでも読みやすく、障害を抱えている人の困り事やライフスタイルを無理なく理解して欲しいことが栗山さんが強く願っていることです。

盲特別支援学校教諭の肩書きも持つ栗山さんは緑内障を発症し、11歳で全盲になりました。アンジーは3頭目の盲導犬のパートナーです。盲導犬なのに歯科医院の待合室で「栗山さん」と看護師さんから呼ばれると自分だけ待合室まで歩いて行ったり、少量の雨でもタクシーに乗りたいといった、笑みが溢れるシーンを丁寧に描いています。解説文も差し込み、「点字が書かれていない自販機はロシアンルーレット状態」など、視覚障害を抱える人たちの「あるある話」を盛り込んでいます。

2019年5月からエイイチさんがSNSに投稿した漫画が話題を集め、描き下ろしを加えて1冊に仕上げました。SNSに投稿を始めたきっかけは、違う仕事の打ち合わせをしていると、栗山さんとのふとした会話が面白くて笑いが止まらなかったエイイチさんがハッとして、「目が見えないことで、起きた失敗なのに笑いに取っていいのか」と戸惑うことがあったからでした。

栗山さんは「僕はどんなことでも笑いへと変化させたいんです。コミュニケーションに笑いは大事なエッセンス」と思ってきました。エイイチさんは「自分自身で勝手に栗山さんに壁を作っていました。僕が笑った後の栗山君は嬉しいそう」と気付き談の「アンジーの頭だと思って撫でていると、それは獣医師の頭だった」というエピソードも漫画に収めました。

参考:見えない人「あるある」漫画が面白くて笑える 横浜の栗山さんが盲導犬との日常を出版「目もあてられない日々」 東京新聞(2023年)

飲食店などで盲導犬を同伴することを断られる社会問題も真正面から断罪にはしたくないと、アンジーの目線で栗山さんの哀しみを表現しました。体感温度では分かりづらい日なたと日陰を道ゆく人に教えて下さると助かる、という日々の暮らしの情報も届けています。

エッセー漫画『見えないボクと盲導犬アンジーの目もあてられない日々』
はB6判で、フルカラー176ページで税込み1650円で販売
しています。

4コマ漫画の冊子【あーくんとそーくん】

医療的ケア児がいる家族の毎日を描き留めた4コマ漫画の冊子【あーくんとそーくん】を出版しました。本の作者は福岡県小郡市在住のシステムエンジニア、男性Aさんで、医療的なケアを必要とする長男ら3人のお父さんです。2023年6月4日13時から、4コマ漫画の冊子の出版記念会を小郡市の三国校区コミュニティセンターで催され、男性Aさんが妻と2人で講演し、笑い、子育て、涙の参考になる情報が散りばめられた漫画の裏話などを述べました。

男性Aさん一家は夫妻と特別支援学校小学部に通学する6年生の長男、小学4年生の次男、保育園児の長女の5人家族です。長男は水頭症などで生まれつき障害を抱え、たんの吸引といった医療的ケアが常時必要でとなります。

画はイラストが得意な男性Aさんがパソコンで描きます。長男(あーくん)と次男(そーくん)ら家族の接し方や、食事、入浴、歯磨き、遊びなど男性Aさん宅のライフスタイルを描き記しています。日々の暮らしでは「笑顔でいること」を意識している男性Aさんは、「障害を抱えている息子が1人いますが、ごく普通の家庭です。大変さもありますが、笑顔もあるし、楽しい出来事もある日々の暮らしを理解して頂きたいです」と4コマ漫画に込めた想いを述べました。 

元から4コマ漫画は男性AさんがSNSに投稿したり、自分で印刷して知人に配布したりしていました。評判を集め、男性が会員である同小郡市の「NPO法人しょうがい者と共に生きる『みんなのかえるランド』」の理事長の男性Bさんが4コマ漫画の冊子化するプランを発案しました。同「NPO法人しょうがい者と共に生きる『みんなのかえるランド』」内に4コマ漫画の製本委員会を立ち上げて、県社会福祉協議会の助成金も獲得し、2022年10月に《あーくんとそーくん》シリーズの第1作目「医療的ケア児がいる風景」、2023年1月に第2作目「医療的ケア児の進学とママの妊娠とそれからえーっと」を発行しました。第1・2作目には長女が誕生する前までの日常が収録されています。

出版記念会は4コマ漫画の冊子を認知して頂き、障害を抱えている人たちへの理解が進む様にと、同「NPO法人しょうがい者と共に生きる『みんなのかえるランド』」が主催しました。

また、講演会では漫画には描き切れなかった話や、長男の成長から気付いたことなども男性Aさん夫婦から説明がなされ、第3作目のお披露目や、障害を抱えている人たちのサポートなどに関連する理学療法士など4人のパネルディスカッションも実施されました。

参考:「大変だけど、笑いも」 医療的ケア児と家族の日常を4コマ漫画に マイ日新聞(2023年)

同「NPO法人しょうがい者と共に生きる『みんなのかえるランド』」の理事長の男性Bさんは、「男性Aさんの4コマ漫画は心温まる作風で、子育てや学校、障害者福祉のことなど学べることが多くあります。幅広い世代に読んで頂きたいです」と語りました。

問い合わせや4コマ漫画の冊子(1冊350円)の購入希望は同「NPO法人しょうがい者と共に生きる『みんなのかえるランド』」(0942-75-8018)まで。

本当に世の中が変わりましたね。


私は何年か本を読んだり、買ったりすることを控えていたのですが、数年前からまた本熱が上がって、読んだり買ったりする様になりました。

私は紙の書籍が好きなので、買ったりすることが多いのですが、数が増えるとかさばって置き場が無くなってきたので、最近は電子書籍なんかでも読む様になりました。

数年間本を買わなかった間に、随分障害者が題材のテーマの本が増えたなと感じていました。実話とか、悲しい話ではなく、日常を切り取った、そんな本が。

私は10年以上前に発達障害と診断されましたが、その頃は発達障害が主人公の本はありませんでした。それが今では増えて、それが実写化することも増えました。

私は左耳の感音性難聴からしたら、20年以上障害者ですが、こうなるなんて当時の自分では考えられなかった世界観です。

それだけ昔より障害に関する理解が増えたのですかね?理解したい、知りたいと思う気持ちの人が増えたことは嬉しいことですけどね。

今回紹介させて頂いた漫画はどちらも面白そうに感じました。同じ障害者ではあっても、障害の内容が違うので、きっと感じ方も変わるんだろうなぁと思っています。


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