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一日一句【菜根譚】#9 『不悪辱穢,礼德賢愚』許容する心:人として生きていく上で大切な心構え

「不悪辱穢,礼德賢愚」の日本語訳は、以下のとおりです。

  • 「辱穢を悪とせず、礼徳賢愚を包容する」

この言葉は、人として生きていく上で大切な心構えを示したものです。

まず、第一の「不悪辱穢:辱穢を悪とせず」とは、他人から辱められたり、汚い言葉をかけられたりしても、それを悪と受け取らず、許容できる心を育むことです。

人は誰でも、時には失敗や過ちを犯すものです。また、他人の言動に傷つけられ、怒りや憎しみを抱くこともあるでしょう。しかし、そうした感情に振り回されず、冷静に受け止め、許容できるようになることが大切です。

第二の「礼徳賢愚を包容する」とは、善人や賢人だけでなく、悪人や愚人にも、礼儀正しく接し、敬う心を持つことです。

人は誰でも、善と悪、賢愚の両面を持っています。善人でも時には悪行を犯すことがあるし、愚人でも時には賢明な判断を下すこともあります。

そのため、他人を善人か悪人、賢人か愚人と一概に判断せず、一人の人間として尊重し、接することが大切です。

この言葉は、中国の古典にもよく登場するものです。
例えば、孔子は「君子如水,水至清則無魚,人至察則無徒」という言葉を残しています。これは、水が清すぎると魚が住めず、人が察しすぎると人が集まらなくなるという意味です。

つまり、人として生きていくためには、ある程度の濁りや汚れは許容し、寛容な心を持つことが大切であるということです。

現代社会においても、この言葉は重要な意味を持っています。
SNSやインターネットの普及により、誹謗中傷や差別的な言動が日常的に行われるようになっています。
そうした言動に傷つき、心を閉ざしてしまう人も少なくありません。

しかし、そうした言動に振り回されず、冷静に受け止め、許容する心を持つことができれば、より豊かで充実した人生を送ることができるでしょう。

一日一句【菜根譚】#10『人力勝天、志一動氣』信念を貫く


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