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エッセイ

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#イチオシのおいしい一品

美しきパフェに浸る。II

美しきパフェに浸る。II

パフェとは、つかの間の夢であり刹那のエンターテイメントである。

以前、ブライトンホテル東京ベイのロビーラウンジ「シルフ」にて「美しすぎるパフェ」として苺をふんだんに使用したスワンパフェを堪能した。

そして今回また別のブライトンホテルに泊まることになり、他のスワンにもお目にかかれると知ったとき、これはぜひ会いに行かねばと思った。

というわけでパフェを食す、あの夢のような時間を求めてブライトンホ

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滋賀大津にて、ドイツを堪能する。

滋賀大津にて、ドイツを堪能する。

未知との遭遇は愉しい。

それが不安要素が特に見当たらず、期待に覆われているならばなおさら。

目に飛びこんでくる文字は読めるけれど、どんなものを指すのかは見当もつかない。
しかし、きっと美味しいものであるという期待は膨らむ。

わたしは、ドイツにやってきた。

いや、正しく言うと滋賀県大津市にある
「ヴュルツブルクハウス」というドイツ料理のレストランにやってきた。

可愛らしい民族衣装のようなワ

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ひな祭りの特別な甘酒。

ひな祭りの特別な甘酒。

つい先日まで、冷たい風に首を縮こませて歩いていたというのに急に気温が上がった。

分厚いセーターの下、じわりと微かに汗ばんできたので、コートを腕にかけ歩く。

今日のお稽古はきっとお雛祭りにちなんだしつらえに違いない、なんて思いながら茶道の先生のお宅へ急ぐ。

予想通り、使うお道具も床の間も桃の節句のしつらえ。
菱餅に似たような棚(業平棚というらしい)と、床の間には可愛らしいお雛様と桃の花。

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かつてサロンだった京都の老舗喫茶店。

かつてサロンだった京都の老舗喫茶店。

京都といえば、歴史と文化の町だが、それと同時に喫茶店・カフェ天国でもあると思う。

先日京都の老舗喫茶店「フランソア喫茶室」を訪れた。喫茶店好きな方々の中には、耳にされたことがあるかもしれない。

30分ほど店の前で並んでから、わくわくしながら足を踏み入れた。
重厚なつくりの内装に、老舗と呼ばれるのにふさわしい風格を感じ、気持ちが上がる。

珈琲を頼むつもりだったけれど、一軒目で珈琲を飲んだばかり

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お守りはちみつ。

お守りはちみつ。

「はちみつ、舐めとき。」
幼いわたしが「喉が痛い。」と訴えると母は必ずそう言った。

ガサガサ、チクチク、イガイガ。
わたしの風邪は、決まって喉から嫌な乾燥と痛みを伴ってやって来た。

トローチでもなく、病院でもなく、はちみつ。
はちみつは、我が家の薬とも言える存在だった。
また母から、「はい、これ食べ。」と渡されるはちみつもバリエーション豊かで、ヨーグルトにふんだんにかけた「はちみつヨーグルト」

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美しきパフェに浸る。

美しきパフェに浸る。

パフェほど、なんだか特別感があって心躍る食べ物はないと思う。

鮮やかな果物、クリーム、アイス、その他諸々。それらがぎゅっと集まった一杯には甘い物好きにとって、夢が詰まっているも同然だ。

昔はどんなパフェでも興奮に値するものであった。
しかし社会人10年目に近づき、悲しきかな、やたらと生クリームやコーンフレークが敷き詰められているパフェにはあまり魅力を感じなくなってしまった。

しかしコーンフレ

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奈良の洞川にて、本物レトロに泊まる。

奈良の洞川にて、本物レトロに泊まる。

山道を車でくねくねと上ること、数十分。
本当にこんなところに温泉街があるのだろうかと首をかしげていると、急に並ぶぼんやり明るい提灯の明かりに目を奪われた。

今回訪れたのは、奈良県の南東部、奥大和エリアにある天川村に位置する洞川(どろかわ)。
大峯山の麓に広がる秘境として知られており、この地は役行者(えんのぎょうじゃ)によって開かれ、7世紀後半から修験道の聖地として1300年もの歴史がある。

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喫茶天国、名古屋の旅。

喫茶天国、名古屋の旅。

名古屋はなんといっても喫茶店の街だ。
その歴史は、「茶の湯」が庶民にまで普及した江戸時代にまで遡るらしい。

先日、喫茶店・カフェを巡る「喫茶観光」に繰り出したので、まとめてみる。

1軒目は、
「コーヒーハウス かこ」
名古屋で初めて自家焙煎を始めたお店、らしい。

そして喫茶100銘店にも選ばれた人気店。
開店前の7時から人が並び、時には20人待ち、なんてこともあるそうだ。

ひええ、、、。名

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齢30、ラーメンの奥深さを知る。

齢30、ラーメンの奥深さを知る。

〆のラーメン。

かつてそれは、まるで解散するまでの楽しい時間の延長のような、なんだか心躍る時間であった。

そんな〆のラーメンがわたしの生活の中から消えて久しい。主にその理由は、3つある。

まずこの流行病。言うまでもなく誰かとご飯に行ったり、集まったりという機会がほとんどなくなった。
2つ目。周りの友人たちも家庭を持ち、子どもが生まれるなどのライフステージの変化により、行くとしても晩ではなく、

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スイーツの瓶と種。

スイーツの瓶と種。

一目見て、これはアートだと思った。
以前とあるカフェのアートなスイーツについて書いたが、これはそれとは全く別物の芸術品だ。

そのケーキとの出会いはふいにやってきた。
京都のコンセプトホテル、「GOOD NATURE HOTEL※」に宿泊したわたしは、お部屋の全貌をチェックし終えた後の楽しみ、お茶菓子拝見タイムに取り掛かる。

(※素敵なホテルだったのでまたいつかこれについても書きたい所存...)

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