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しろいろの街の、その骨の体温の 村田沙耶香
思い出したくなかったことを全て思い出してしまった。
多感すぎたあの頃、特に話したこともないような人から急に嫌われ、負けないように自分も誰かを嫌った。
すれ違いざまに嫌なことを言われるのが怖くてもちろん学校も行きたくなかったけど、行かなくて親に心配される勇気も、少しでも教室の噂になる勇気も待ち合わせていなかった。毎晩お風呂の中で泣きそうになりながら、好きなバンドを大音量で耳の中に流し、ただ時が過
君は永遠にそいつらより若い 津村記久子
優しいなあと思ったホリガイさんは。
どうしようもなく弱っている人のことを放っておけない。特に思い入れもない友達の彼女のリストカットや、一度飲み会で出会っただけの友達の友達、テレビの特番で見ただけの男の子、そしてまだ出会っていない幼い頃のイノギさん。
どうしようもない人生の暗闇に足掻くことすらしなかった、できなかった人たちのことを心の中にいつも留めている。
でも、そこに自惚れじみた正義感は一切
自転しながら公転する 山本文緒
淡々とした日常を描きつつも、常に一歩先が気になる展開で、スイスイと読み進めることができた一冊でした。
読み始める前に「あんたには多分分かんないと思うよ」と渡された通り、只今モラトリアム期にいる私は、アラサーの悩みに完全に共感することはできない。これから先どうなるか分かんないし、何が起こるか予測するのも無理だし、でもまぁ結局は何とかなるだろうから大丈夫っしょ!て今何となーく感じている部分が、きっと
アイネクライネナハトムジーク 伊坂幸太郎
伊坂幸太郎さんの本は初めて読みましたが、登場人物のことがとても好きになれる作品でした。
特に、織田一真さんが好きです。
伊坂幸太郎で唯一読んだのが恋愛短編小説ってなんか申し訳ないですけど。最後点と点が見事に繋がっていくオシャレさに、これがそれか〜となりました。
織田一真みたいな人は、アホっぽいのに芯があって、謎理論っぽいのになんか筋が通ってる気がする、要は魅力的なヤツです。
なんでか分から
忘れられないバーシー@ラオス🇱🇦
ラオスに住む古い友人達に会いに行った。
古い友人といえど、一緒に過ごしたのはたったの2週間だけだったし、その2週間が私にとってはものすごく大きなものだったけど、相手側は覚えていてくれているか分からないし…。まぁラオスに降り立って空気を感じるだけでも良いかと思って航空券を取り、当時滞在していたホテルを予約した。
結果的に、この一泊二日がまた忘れられないものになってしまったし、たった一泊にしたこと
むらさきのスカートの女 今村夏子
「あぁ、、こういうの、あるよなあー、、」と思わせる天才かなと思う、今村夏子さん。
今回も、気味が悪い、しかし気味が悪いと言うのは何だかいけないことな気がする、(だって誰の周りにもこういう人いるしorいたことあるし…)みたいな。気味悪がっちゃいけないよあんた、それ失礼だよ、いいの?みたいな絶妙なラインを、よくもあんなリアルに、、短い文章で、、みたいな。
読む人が持ってる「別にトラウマでも何でもな