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見えない誰かと 瀬尾まいこ

4月から仮にも教員になる前に、読んでいた本を中断して読んだ瀬尾まいこさんのエッセイ。 本当にこのタイミングで読んで良かったと思った。自分が教育職を目指す段階で一度は思った事、これから大切にしていきたい事が書いてある。 まだ働いてもないけど、きっとどんな職場でも大変な事はあるし、自ら望んで選んだ道でも、迷いも後悔も少なからずあると思う。 でも、悩むならここがいいと思った自分の最初の直感をとりあえず信じて、この本を大事に持って引っ越そう。

    • しろいろの街の、その骨の体温の 村田沙耶香

      思い出したくなかったことを全て思い出してしまった。 多感すぎたあの頃、特に話したこともないような人から急に嫌われ、負けないように自分も誰かを嫌った。 すれ違いざまに嫌なことを言われるのが怖くてもちろん学校も行きたくなかったけど、行かなくて親に心配される勇気も、少しでも教室の噂になる勇気も待ち合わせていなかった。毎晩お風呂の中で泣きそうになりながら、好きなバンドを大音量で耳の中に流し、ただ時が過ぎることをひたすらに願った。学校では周りの友達に、別の人の悪口を言うことで、何と

      • 中学生の娘に読ませてあげたい(いないけど)。

        • 君は永遠にそいつらより若い 津村記久子

          優しいなあと思ったホリガイさんは。 どうしようもなく弱っている人のことを放っておけない。特に思い入れもない友達の彼女のリストカットや、一度飲み会で出会っただけの友達の友達、テレビの特番で見ただけの男の子、そしてまだ出会っていない幼い頃のイノギさん。 どうしようもない人生の暗闇に足掻くことすらしなかった、できなかった人たちのことを心の中にいつも留めている。 でも、そこに自惚れじみた正義感は一切ない。ただ一緒に、そのどうしようもない暗闇に絶望しつつ、でもそれでも結局はこれか

        見えない誰かと 瀬尾まいこ

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          自転しながら公転する 山本文緒

          淡々とした日常を描きつつも、常に一歩先が気になる展開で、スイスイと読み進めることができた一冊でした。 読み始める前に「あんたには多分分かんないと思うよ」と渡された通り、只今モラトリアム期にいる私は、アラサーの悩みに完全に共感することはできない。これから先どうなるか分かんないし、何が起こるか予測するのも無理だし、でもまぁ結局は何とかなるだろうから大丈夫っしょ!て今何となーく感じている部分が、きっと不安で不安で仕方なくなる時期が来るんでしょう。うん、来そう。 それはつまり、結

          自転しながら公転する 山本文緒

          まにまに 西加奈子

          西加奈子さんがめちゃくちゃ好きだ。 「サラバ!」を読んだ時の感動は一生忘れないし、あれを超える本は私にはもう現れないとまで思ってる。 そんな作家さんのエッセイなんて、元気の出る源でしかない。エッセイほど人の中身を覗けて、生き方を、毎日の生活を真似できるものはない。 私はいつも映画と本から、「この世界で起こる出来事は、ここに生きる人達は、決して一つの目線からは語り尽くせなくて、もっと複雑でぐちゃぐちゃしてる」と思わされる。そして、西加奈子さんはそこでいつも、「どんな『私』

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          アイネクライネナハトムジーク 伊坂幸太郎

          伊坂幸太郎さんの本は初めて読みましたが、登場人物のことがとても好きになれる作品でした。 特に、織田一真さんが好きです。 伊坂幸太郎で唯一読んだのが恋愛短編小説ってなんか申し訳ないですけど。最後点と点が見事に繋がっていくオシャレさに、これがそれか〜となりました。 織田一真みたいな人は、アホっぽいのに芯があって、謎理論っぽいのになんか筋が通ってる気がする、要は魅力的なヤツです。 なんでか分からないけど、何となくこの人がいれば人生大丈夫そうか、と思わせてくれるタイプの人。

          アイネクライネナハトムジーク 伊坂幸太郎

          店長がバカすぎて 早見和真

          多分、今まで読んだ小説の中で1番、声出して笑いました。そもそも小説でコメディを読んだのは初めてだったので面白かったです。 以下ネタバレ込み込みです。 この本は、前半と後半でテイストが少し変わる気がします。前半は、きっと書店員あるあるの、業界への不満、救いようのない店長のアホさ、それでも止まない本への愛、など。タイトルから予想できる範囲ではありますが普通にめっちゃ面白い。funnyの意味でも interestingの意味でも。 全然知らなかったですが、書店員さんってこんな

          店長がバカすぎて 早見和真

          忘れられないバーシー@ラオス🇱🇦

          ラオスに住む古い友人達に会いに行った。 古い友人といえど、一緒に過ごしたのはたったの2週間だけだったし、その2週間が私にとってはものすごく大きなものだったけど、相手側は覚えていてくれているか分からないし…。まぁラオスに降り立って空気を感じるだけでも良いかと思って航空券を取り、当時滞在していたホテルを予約した。 結果的に、この一泊二日がまた忘れられないものになってしまったし、たった一泊にしたことも、ラオス語の勉強をして行かなかったことも、お土産にお菓子だけしか持ってこなかっ

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          流浪の月 凪良ゆう

          はっきりとした言葉で書かれている。 筆者の価値観と、そこに込められた想いが。 表向きは、大学生の幼女誘拐事件であったが、実際当時大学生だった文は、その少女にとって、唯一の心の拠り所であった。 この本を読んで思ったことは、出来事が真実であるかどうか見極める力を持つ必要があるというものではなくて、 物事には当人同士にしか到底分かり得ない領域がある、ということを分かっておいた方が良いということだった。 ただここでアンナチュラルの石原さとみ(三澄ミコト)さんの最終回のセリフを

          流浪の月 凪良ゆう

          むらさきのスカートの女 今村夏子

          「あぁ、、こういうの、あるよなあー、、」と思わせる天才かなと思う、今村夏子さん。 今回も、気味が悪い、しかし気味が悪いと言うのは何だかいけないことな気がする、(だって誰の周りにもこういう人いるしorいたことあるし…)みたいな。気味悪がっちゃいけないよあんた、それ失礼だよ、いいの?みたいな絶妙なラインを、よくもあんなリアルに、、短い文章で、、みたいな。 読む人が持ってる「別にトラウマでも何でもないけれど、何となくこのままずっと思い出したくなかった」みたいな記憶を、鮮明なまま

          むらさきのスカートの女 今村夏子

          スラム街ツアーに参加した話(フィリピン🇵🇭滞在記⑦)

           フィリピン、マニラ、トンド地区のかの有名なスラムに行って来ました。ツアーで。高かったです、とても。団体ツアーで1人5000円程度。私たちが、安全に、そして自分たちだけでは行けない場所に入るにはそれだけのお金がかかるということらしい。仕方ないけど、ボホールを一日中満喫したツアーよりひとまわり高い、、。ツアー料金には現地への寄付も含まれているらしいが、一体いくら当てられているのか、、。  はじめに降り立ったのは、少し混沌とした住宅地。中に入ると子供たちが笑顔で手を振って来て、

          スラム街ツアーに参加した話(フィリピン🇵🇭滞在記⑦)

          Grab 使うのやめてみた (フィリピン🇵🇭滞在記⑥)

           最近、ローカルのバスや電車に乗るようになりました。知らない土地でジプニーにも乗るようになりました。  フィリピンにはジェントルマンが多いですね😄✨アメリカ文化に馴染みのあるレディファーストな国、なので、公共の場における女性の優先順位が高いです。日本だったら、オジサンと若い女、なら、オジサンが座っていても何もおかしくないでしょう。しかし、フィリピンでは「アテ!ここに座らんね」と座席を指差して座らせてくれることが多いです。ちなみに、フィリピン人の先生は「日本を訪れた際のカルチ

          Grab 使うのやめてみた (フィリピン🇵🇭滞在記⑥)

          お前のこと誰が好きなん?in the Philippines 🇵🇭

          「お前のこと誰が好きなん?」は私の大好きな芸人さんのネタ的なもの。もともとは確か誹謗中傷に対するパンチを効かせたレスである。 去年くらいからこのフレーズがTwitterで流行っているようで、理不尽なことをされた経験を挙げては「おまだれ」を披露するツイートをよく目にした。 で、それに対する新聞記事を最近知りまして、「この言葉が蔓延る世の中は寂しい。みんな誰かの大切な人。そう思って心穏やかに過ごしていきたい。」というようなことが書いてあった。 そうなんですよね。みんな誰かに

          お前のこと誰が好きなん?in the Philippines 🇵🇭

          変わらない毎日と変えたくない目標(フィリピン滞在記🇵🇭④)

           半年前はどんなに頑張って想像しても、過去の先輩の活躍をネット上で検索して眺めていても、どうしても思い浮かべられなかったフィリピンで生活している自分。  でも今それがやっと少し分かってきた気がする。  寝て起きて、お腹が空いてご飯を食べて、眠くなって寝る。生活ってこれしかない。本当はとってもシンプルなものなんだって、慣れない場所で過ごしているからこそ分かる。  そしてこれに、「誰かと喋る」「仕事をする」「笑う」などの要素が加わる。そして、そんな毎日を幸せだと思う。  

          変わらない毎日と変えたくない目標(フィリピン滞在記🇵🇭④)

          異文化を知るということ(フィリピン滞在記🇵🇭③)

          フィリピンに来て1ヶ月と半分目。 そろそろ友達が欲しい頃。 まぁ、素敵な場所で働かせていただいているので、休日が充実していないことは全部飲み込むとして。(そもそもお仕事に疲れすぎて土日はミイラ化してるけど) 大層な題名にしてしまったけど、単純に、ただ何となく、異文化を知るのって意外と時間がかかるんだなぁと感じただけです。そして、世界って意外と離れてるんだなぁと感じた。 私は今、フィリピン・マニラの学校で唯一の日本人として、恐縮ながら「日本」を紹介してる。その「日本」がどう

          異文化を知るということ(フィリピン滞在記🇵🇭③)