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恋の話

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2021年9月の記事一覧

あなたの言う“ずっと”はきっと

あなたの言う“ずっと”はきっと

あなたの言う“ずっと”はきっと

10年後も20年後も、とか
おじいさんおばあさんになっても、とか
命が絶えるまで、とか
地球が滅亡するまで、とか

そういう類の“ずっと”じゃないような気がして

不確かな未来、という意味じゃない気がして

信じてみることにした

あなたの言う“ずっと”はきっと

今をたくさん積み上げたその先にあって

よるまでずっと、とか
あさまでずっと、とか
明日までずっと、

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好きな人と、わたし

好きな人と、わたし

好きな人とくっつきたくなって

ちょっぴり眠たくなって

肩に顎を乗せてみた

ら、ふたりの境界がぼやけたような気がした

人はそれを幸せと呼ぶのだろうけれど

もたれかかったその部分から

そのままその人の一部になってしまいそうで

自分の輪郭がにじんでしまいそうで

溶けてしまいそうで

とろけてしまいそうで

たしかにこれは幸せであって

間違いなくこれは幸せであって

これを幸せと呼ばずし

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雨が降っている

雨音を聞きながら読む本は味わい深い。
今日みたいな日に読む本は一層味わい深い。

クッションにからだを預けて本を読む。

粒が大きくなって、雨の音も大きくなって、バラバラと聞こえてくる。地球にいるんだなぁと思ったり、世界から切り離されたように感じたり。

雨音を聞きながら本を読んでいたらいつの間にか眠ってしまっていた。外はさっきよりも暗くなっている。栞を挟むのも忘れて寝てしまったみたいだ。どこまで

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恋をしている、かもしれない

その人が見る景色はどんなか

その人が何を見ていいと思うのか

その人はどんな言葉を紡ぐのか

それが気になったら恋だと思う

だとしたら

わたしは谷川俊太郎に恋をしている

きっとずっと前から

わたしは谷川俊太郎に恋をしている

わたしは谷川俊太郎になりたい

次に恋をするなら

次に恋をするなら

次に恋をするなら、
混ざり合ってしまわない人がいい。

例えば私が赤でその人が青だとして、

二人で紫になってしまうような恋じゃなくて、

ただ私とその人が、それぞれの色のまま、

そのままずーっと続くような恋がいい。

人は、赤と青を足して紫になることを、

そうやって混ざり合うことを、

幸せと呼ぶのかもしれない。

それでも私は赤でありたいと思う。

恋人には青であって欲しいと願うのだと思う

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