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暇つぶしに哲学してみた

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哲学なんて不要だ、なんてことを言う方もいますが、哲学は誰でもできるし、いつ始めてもいいし、何を対象にしても良いとても間口の広い学問です。あなたも哲学してみませんか。 ※このマガジ… もっと読む
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記事一覧

心の餓えを満たすのは芸術だ。

心の餓えを満たすのは芸術だ。

19時〜20時過ぎ、表参道の「岡本太郎記念館」に僕は居た。JazzのLiveに身を沈めるためだ。

肩の上に立つことが許されない巨人、岡本太郎は「芸術家」であり「文筆家」であり「哲学者」であった。どんなジャンルの人であっても、その職業の本質が何かをただひたすらに求め続けた時、その人は求め続けたものと同化し、哲学を持つようになる。

今日のイベントは記念館の館長、平野さんが”Days of Deli

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哲学的な良書 勝手に5選

哲学的な良書 勝手に5選

 哲学は物事を深く考え本質を問う学問だ。どんなジャンルのトピックでも深く考えると難解に思えることもある。ここではサイズ的に手に取りやすく、文量的にも多くないもので、個人的に好きな良書を5冊ピックアップしてみた。

■『これは水です』 デヴィッド・フォスター・ウォレス 著/阿部重夫 訳

 前にも書いたが、僕はWebマガジン『bmr』の編集長にして知のサブカルの巨人、文化人である丸屋九兵衛さんを崇拝

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哲学者はなぜ変人と呼ばれ煙たがられてしまうのか

哲学者はなぜ変人と呼ばれ煙たがられてしまうのか

「哲学者」と聞いて誰を思い浮かべるでしょうか。ソクラテス、プラトン、ニーチェ、ハイデガー、キェルケゴール、フロイド、カント、岡潔、千葉雅也、実に多くの人々が哲学を持ち、哲学し、哲学を深めて来ました。

哲学に関心を持つようになり様々な書籍を読んでみて気づいたのは、
「そもそも」という書き出しがとても多いという事実です。
なぜ、「そもそも」が多用されるのかと言えば、哲学が物事の根源であったり、本質を

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プロジェクトマネジメントの哲学

プロジェクトマネジメントの哲学

有言実行タイプではなく、こっそり人知れずいろいろ仕事を進める方が好きなのですが、自分にプレッシャーをかけるためにも敢えて今書こうとしている書籍のインデックスを晒してみようと思います。

§1 哲学とは何か
■哲学はなぜ必要なのか
 ・宗教と哲学のちがい
 ・一神教のリスク、多神教の面白さ
 ・物事の二面性と多面性
 ・封建社会と民主主義と社会主義
 ・Too much Japan
■問題点の発見と

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啓蒙と洗脳のわずかな違いについて

啓蒙と洗脳のわずかな違いについて

ここ3年位、いい歳して僕は勉強をしまくった。俗に言う『自己啓発』に結構な金額を投資し、暇があればネットサーフィンをしていろいろなことを調べまくり、ビジネス書を買いあさって乱読した。

マインドマップを書いてみたり、やりたいことを100個書き出してリスト化したり、ホームページを立ち上げようとしてみたり、ペンネームを何日にも渡って考えてみたり、会社のPCにイラストレータを入れさせてもらったり、自分探し

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人生は死ぬまでの暇つぶし

人生は死ぬまでの暇つぶし

この文言は、みうらじゅんさんが吐いた言葉。らしい。

人間を含む生物なんて個々にそれほど大きな差がある訳じゃなく、一生懸命に生きているだけの存在だと思うのだ。

人間が他の生物と違うのは、「思考」したり、「感情」によって判断を狂わせたり、物事について個々に「解釈」したりすることくらいじゃないかと思うのだ。

洗脳の道具として有名なテレビジョンでは、「神ってる」とか「天才現る」とか、チープな言葉が乱

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「答えは自分の中にある」のか考えてみた

「答えは自分の中にある」のか考えてみた

このフレーズ、どこかで聞いたことありませんか。
世の中にはたぶん人の数と同じくらい様々な問題があります。

年収はいくら稼ぐのが幸せなのか、生涯のパートナーとはいつ出会えるのか、はたまた出会えないのか、子育てはどうすればいいのか、親がボケてきたけどどうすればいいのか、仕事がいつまで経ってもつまらないのだけれどどうしたらいいのか、など千差万別な「問題」がそこら中に存在しているのです。

大人になり様

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経済学の目的は「みんなが幸せになる」ことだ。
理系出身の創業者も「多くの人を幸せにする人がもっとも幸せな人である」と言っていた。
自分にとっての、家族にとっての「幸せ」って何なのか。逆に「不幸せ」って何なのか。
本質を探る学問、哲学のように深く深く考えること。ぼくの幸せの一部だ。

「豊かさ」「貧しさ」ってなんだろう

「豊かさ」「貧しさ」ってなんだろう

ぼくの両親は自営業を営んでいて、細々とモノを作りながら生計を立てている。ぼくの幼少期に父は脱サラ&起業して陶芸を生業とした。小学生のころ地方のテレビ局が取材に来てたりしたことをうっすらと覚えている。思い起こしてみると中学生になるころまで「脱サラ」ってなんなのか、ぼくは理解しようともしていなかったし、一般的なサラリーマン家庭がどんなものかなんてテレビの中でしか知らなかった。

サラリーマン家庭で育っ

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シンギュラリティはいつ起こるかに関する哲学的回答

シンギュラリティはいつ起こるかに関する哲学的回答

巷ではAIが人の仕事を奪うとかシンギュラリティがどうだとか、全くもってどうでもいい話題で溢れている。

シンギュラリティとは、「技術的特異点」と和訳され「AIが人間を超える点」を一意的に示す言葉では無い。

AI、すなわちArtificial Intelligenceは人工的に創り出された知性であるので、人間を超える云々の話ではなく、AIをコーディングする人間の判断基準が絶対的なものである。

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失敗学と成功哲学

失敗学と成功哲学

いきなりだが、ウィキペディアの引用からはじめよう。

『失敗学(しっぱいがく)とは、起こってしまった失敗に対し、責任追及のみに終始せず、(物理的・個人的な)直接原因と(背景的・組織的な)根幹原因を究明する学問のことである。』

『成功哲学(せいこうてつがく)とは、目標を達成するための思想や手法を法則化したものである。成功者の行動や思想を分析し、それを模倣することによって同じ効果を得ることができると

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西洋哲学も面白いけど、東洋哲学の方が身近な感じがするのは仏教文化圏で過ごした時間が長いからだろうか。
禅の精神を学び、瞑想やマインドフルネスを意識することは今やビジネスパーソンの常識だ。
目的を持ってなにかをするのも良いが、行為そのものを目的としても良い。シンプルって実は奥深い。

君たちは何をつくるか

君たちは何をつくるか

念願の新規事業開発部門に配属されたので、ぼくはこれから何を作るべきかについて毎日いろいろ考えている。「これから」すなわち「近未来」。未来はもうすぐ現在になる将来かもしれないし、ずっと先のことかもしれない。

電機業界にいるぼくら。未来について考える時、パーソナルコンピュータの父と呼ばれるアラン・ケイの言葉が頻繁に引用されている。

”The best way to predict the futu

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東京ってなんだろう

東京ってなんだろう

有名なブロガーとかも言っているけど、東京は消耗する街だ。多くの人々は通勤するだけで体力を奪われ、職場で仕事に時間を奪われ、帰路につく頃にはたいてい残りHPが一桁まで低下している。

23区内で働くようになって干支が一周する時間が経過した。そのうち1年8ヶ月は九州の工場に出向していたので、地方で働らき始めた際と、都会に戻った際、体内時計を調整することがこんなに難しいのかと困惑した。

東京近郊で生活

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