見出し画像

【#11 ピンチ!】「けいおん!」を三幕構成で分析する

▶ 「三幕構成」を詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ😁 → シド・フィールドの「三幕構成」をバッチリ説明するぜ!!


分析対象


画像1


三幕構成


画像2


ポイント①


<1>

「夜明け前が一番暗い」という言葉がありますが、まさにその通り。多くの物語では、クライマックス直前に主人公が最大のピンチに陥るものです。

そこからの……クライマックス!大勝利!大団円!かくしてカタルシス!というわけですね。


本話は、まさに「夜明け前」に該当するエピソードです。

すなわち、第12話(= 実質的な最終回!)を前に、大小様々な問題が軽音部を襲います


<2>

まずは、「軽音部に襲いかかる問題」を一覧してみましょう。

・1:「講堂使用届」を提出し忘れていた

・2:バンド名を決めていなかった

・3:唯のギターの状態が悪く、急ぎメンテナンスが必要

・4:唯がお金を持っていない

・5:律と澪が気まずくなる

・6:律が風邪を引く

・7:唯が風邪を引く


よくもまぁ、たった22分の中にこれだけの問題を詰め込んだものです。


<3>

さてこの中で、最大の「問題」はどれでしょうか?

ズバリ、「5:律と澪が気まずくなる」です。そしてそれゆえに、本作の主人公は律と澪であると言えるでしょう。


ポイント②


<1>

ところで、律と澪はなぜ気まずくなったのでしょうか?


気まずくなったきっかけは、以下の3つです。

・1:澪が、楽器店で子どものようにふるまい、わがままを言った

・2:律が、澪と和の関係に嫉妬し、醜くふるまった

・3:律が風邪を引いていた(発熱のせいだろう。律は冷静さを欠き、感情的になっている。ゆえに、澪にだる絡みをした)


<2>

さて、ここで特にご注目いただきたいのは以下の2点です。

・1:澪は、真面目でしっかり者。「軽音部の良心」といった感がある。そんな澪が、楽器店で子どものようにふるまい、わがままを言ったのはなぜか?

・2:律は、普段は明るく元気な社交家。その上、空気も読める子だ。そんな律が、澪と和の関係に嫉妬し、醜くふるまったのはなぜか?


つまりですね、澪は澪っぽくなく、また律は律っぽくないんですよ。

はて、一体なぜか?


<3>

答えは簡単、「2人が大の仲よしだから」です。

2人は、唯、紬、梓と仲よくやっている。しかしですね、やはり澪にとっての律、律にとっての澪は特別な存在なんですよね。


澪は、律の前でだけ子どものようにわがままにふるまう(ふるまえる)。

一方律は、相手が澪だからこそ感情的になり、嫉妬してしまう(いわゆる「SBJK」)。


かくして2人は気まずくなってしまった……。


つまりこれ、「仲がよすぎるがゆえに、相手に甘えてしまう/感情的になってしまう → トラブル」というわけです。

そしてそんな2人ですからね、当然ながらあっという間に仲直りする。


要するに本話には、「律と澪の絆の深さ」が描かれているのです。


関連記事


【#1 廃部!】「けいおん!」を三幕構成で分析する

【#2 楽器!】「けいおん!」を三幕構成で分析する

【#3 特訓!】「けいおん!」を三幕構成で分析する

【#4 合宿!】「けいおん!」を三幕構成で分析する

【#5 顧問!】「けいおん!」を三幕構成で分析する

【#6 学園祭!】「けいおん!」を三幕構成で分析する

【#7 クリスマス!】「けいおん!」を三幕構成で分析する

【#8 新勧!】「けいおん!」を三幕構成で分析する

【#9 新入部員!】「けいおん!」を三幕構成で分析する

【#10 また合宿!】「けいおん!」を三幕構成で分析する


---🌞---

関連

---🌞---

最新情報はTwitterで!

---🌞---

 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

最後までご覧いただきありがとうございます! 頂戴したサポートはすべてコンテンツ制作に使います!