【#2 楽器!】「けいおん!」を三幕構成で分析する
▶ 「三幕構成」を詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ😁 → シド・フィールドの「三幕構成」をバッチリ説明するぜ!!
分析対象
三幕構成
ポイント①
本話の主人公は、唯。
ギターを購入するために楽器店に行ったり、バイトをしたりする中で、①唯と律ら3人の距離が縮まり、また②唯の「軽音部に対する意識」が変化するという話です。
ポイント②
特に重要なのは、唯の「軽音部に対する意識」の変化です。
・オープニング:唯は「おいしいお菓子を皆で食べるのが楽しみ」と考えている
・セカンドターニング・ポイント:唯は「早く皆と練習したい」「皆のためにも、早く上手くならなきゃ」と考えるようになる
そもそも第1話の前半、唯は「高校生になったからには何かしたい。しかし、何をすればいいかわからない」という【悩み】を抱えていました。
そして彼女は軽音部に入るのですが……「楽しそうだから」という理由で入部を決めたにすぎず、じつはまだ「何をするか」は定まっていなかった。
そして本話です。
唯は「皆と練習したい」「ギターを習得したい」という明確な【目標・欲求】を抱きます。つまりここに至って、唯の【悩み】はようやく解決したのです。
本話こそが、唯の高校生活の始まりと言えるでしょう。
ポイント③
続いて、「順序」に注目してみましょう。
唯は、軽音部に入り部員と交流する中で、【目標・欲求】を抱くようになりました。
【目標・欲求】を抱いて軽音部に入ったのではありません。
これは、【目標・欲求(= 自分がやりたいこと)】を延々と探し続けるのではなく、まずは思い切って新しい世界に飛び込んでみよ。新しい世界に身を置けば、【目標・欲求】は自ずと見つかるだろう……というメッセージに見えます。
ポイント④
「唯のためにバイトをしよう」と提案したのは律です。
しかしですね、これ、よくよく考えてみると奇妙な話だと思うんですよ。
だって、出会って間もない相手のためにバイトをするというのは、いくら何でも献身的すぎるのではないでしょうか?
しかし……律の発言には違和感がありません。納得感がある。
なぜか?
ズバリ、「ミッドポイント」の少し前に、
・1:「高額だが、どうしてもその楽器がほしくて諦めきれない」という経験を、律もしたことがある
・2: ゆえに、律には唯の気持ちが痛いほどよくわかるのだ
……というエピソードが挿入されているからでしょう。
多くの鑑賞者は、「なるほど。似たような経験があるなら、確かに手助けしたくなるのももっともだ」と納得するのです。
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(担当:三葉)
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