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オッサンの「心の声」にも耳を傾けるのだ!!|『ハート・オブ・ウーマン』(3)

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テーマ発表!!


 第1回第2回に引き続き、映画「ハート・オブ・ウーマン」をベースに新しい物語を妄想します。

※「ハート・オブ・ウーマン」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 「ハート・オブ・ウーマン」は、ある日突然「女性の心の声」が聞こえるようになった男の「混乱」や「成長」を描いたロマンティック・コメディですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!

三葉 承知しました。

嘉村 前回ご紹介したのは、「突然『女性の心の声』が聞こえるようになったイケイケ若手ビジネスマンが、女性社員の『心の声』に耳を傾け、成長していく物語」、「突然『女性の心の声』が聞こえるようになった非モテ男子大学生が、妹、同級生、バイト先のお姉さんらの『心の声』に耳を傾け、成長していく物語」の2案でした。


案③


嘉村 「案③」にまいりましょう!

三葉 「案③」は、「突然『男性の心の声』が聞こえるようになったバリキャリ女子が、男性社員や男性客の『心の声』に耳を傾け、成長していく物語」です。


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嘉村 バリキャリ女性!

三葉 詳細をご説明する前に、ここで「ハート・オブ・ウーマン」風の物語を作る時に注意すべきポイントを振り返っておきましょう。


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三葉 ……となります(より詳しくは第1回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 さて、「ハート・オブ・ウーマン」にしろ、前回ご紹介した「案①②」にしろ、「主人公は男性。彼が『女性の心の声』に耳を傾けて成長していく物語」でしたが……「案③」はその逆!「『男性の心の声』が聞こえるようになった女性の物語」です。

嘉村 なるほど。

三葉 ストーリーはこんな具合。……主人公は、大企業に勤務する30代前半の女性。彼女はやり手として知られている。

嘉村 ふむ。

三葉 ある日、彼女は孫会社に出向するよう命じられる「ここ数年業績が悪化しているんだ。ぜひきみに建て直しを頼みたい。きみにとっても、きっといい経験になるだろう」。あまり楽しい仕事とは思えませんが、上司からの命令です。致し方がありません。かくして彼女は、社員30人ほどの小さな会社に出向き……唖然とする。社員の大半は中年男性で、彼らの士気が一様に低いのです。

嘉村 ほぉ。

三葉 真昼間からエロサイトを見る。隙あらば喫茶店でサボろうとする。取引先に接待を強要する。およそマネジメントというものが存在せず、誰がいまどこで何をやっているのか把握している人がいない。トイレからは異臭。社長は秘書と愛人契約を結んでおり、それを全社員が知っている。

嘉村 ひどすぎる……。

三葉 主人公は逃げ出してしまいたいのをグッと堪え、精一杯奮闘します。「外出する時は、必ず行き先を伝えてくださいね!」「見積もりを作る時には、必ずこのフォーマットを使ってください!」「外から戻ったら、必ず手を洗いましょう!」。

嘉村 新入社員……いや、幼稚園児を教育しているみたいですね。

三葉 ところが、いくら奮闘しても成果が上がらない。主人公の心が折れかけた……その時!彼女は、ふいに「男性の心の声」が聞こえるようになる。

嘉村 いよいよですね!

三葉 初めは混乱していた主人公。しかし次第に、男性たちの「心の声」に積極的に耳を傾けるようになる。そしてお仕着せではなく、彼らの立場、彼らの考え、そして彼らの心に寄り添った改革を始める。

嘉村 ほぉ……。

三葉 やがて社員の士気が高まり、業績も上向いてくる。

嘉村 お-!

三葉 途中、彼女の上司が、優秀な彼女に嫉妬しており、嫌がらせ半分に出向させていたことが判明。「見てろよー!絶対に昨対比500%を達成してみせるからな!」と、さらに奮起するシーンもあったり。

嘉村 なるほど。

三葉 最終的に、彼女は「男性の気持ちに配慮できる女」に成長。そして会社の再建に成功したところで……おしまい!

嘉村 ふむふむ。

三葉 それでは、以上のストーリーを「ハート・オブ・ウーマン」と比較する形で整理してみましょう。


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案④


嘉村 続いて、「案④」にまいりましょう。

三葉 はい。「案④」は「突然『患者の心の声』が聞こえるようになった歯科医が、患者の『心の声』に耳を傾け、成長していく物語」です。


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嘉村 ほぉ、歯科医ですか!

三葉 まずは、「ハート・オブ・ウーマン」との対比表をご覧ください。


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三葉 「ハート・オブ・ウーマン」や「案①②」は「女性の心の声」、「案③」は「男性の心の声」が聞こえるようになる物語ですが……。

嘉村 ええ。

三葉 「『異性以外の人の心の声』が聞こえるようになる物語」があってもいいでしょう。例えば、「『10歳以下の子ども』の心の声が聞こえるようになる物語」とか。

嘉村 なるほど。

三葉 他にも、「『65歳以上のシニア』の心の声が聞こえるようになる物語」、「『体重100kg以上の肥満者』の心の声が聞こえるようになる物語」、「『寿命が残り1か月未満の人』の心の声が聞こえるようになる物語」なんてのも面白そうですよね。

嘉村 ふむふむ。

三葉 そして「案④」は……「『患者の心の声』が聞こえるようになる物語」!

嘉村 ふむ。

三葉 主人公は、小さな歯科医院の院長です。祖父の代から続く歴史ある病院で、地元の人に親しまれて……いたはずなのですが、ここ数年、患者数が減少。業績も悪化している。

嘉村 ほぉ……。

三葉 しかし、一体なぜ患者が来なくなってしまったのか彼にはわからない。そんなある日、ふいに「患者の心の声」が聞こえるようになります。耳を傾けてみると……「ホント、愛想の悪い医者だよ」、「ううっ、痛い!この先生、ヘタクソなんじゃない!?」、「また患者の顔を見ずに話してる。典型的なダメ医者よねぇ」、「幼い頃からずっと世話になってきたけど、今度から別の病院にしよ」と、彼を批判する声ばかり。

嘉村 ふむふむ。

三葉 彼は耳を疑う。そして、とある患者が「ネットの評判通りだ」と呟いていたのを思い出し、クチコミサイトを見てみると……ボロクソ!近隣の歯科医院が、5段階中「3」や「4」と評価されているのに対して、彼の病院は「1」!

嘉村 ふーむ……。

三葉 彼はショックを受ける……が、努力することを決意する。祖父から継いだこの病院をオレの代で潰すわけにはいかない!

嘉村 なるほど。

三葉 かくして、クチコミサイトで高評価を得ている病院を偵察したり、鏡の前で笑顔の練習をしたり、患者の言葉に真剣に耳を傾けたり、できる限り痛みのない治療を心がけたり……時には、愛想笑いを浮かべようとするが上手くいかず、その不気味な表情に子どもが泣き出してしまうなんて失敗をしつつも、徐々に患者からの評価が高まっていく……そんな物語です。

嘉村 いいですね!楽しい作品になりそう!

三葉 以上、本記事では「『女性の心の声』が聞こえるようになる男性の物語」とは別パターンの、「『ハート・オブ・ウーマン』風物語」のアイデアを2つご紹介しました。


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 「ハート・オブ・ウーマン」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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