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トラブルと決断の《甲州街道日記》 その13

13.12 月29日(木)-1

 8時に、ILA 白州バーベーキューハウスを出発。今日の心配は、泊まるところです。トラブルが起きないといいんですが…。実は、甲州街道沿いに近江屋というちょうどいい旅館があったんです。(江戸時代から、続いているらしい。らしいと言うのは、取り敢えず、江戸時代に近江屋というのがあったのが事実だから予想してみました)
 もちろん、そこを予約しようとしたんですが「年末は、28日までです」と断られてしまいました。そこで、探し倒して見つけたのが「画家の宿 志満屋」という宿です。その宿が、甲州街道から3キロも離れているんです。それも、高いところにあるので歩いて1時間半以上はかかる見込みです。
 事前の予約では、迎えに来てくれるとのことですが、うまく来てもらえるでしょうか?うまくいかないときは、Bプランでタクシーを呼ばないといけません。今日は、これが気懸りなんですね。

教来石の巨石(経来石)

 道は、国道の一つ北側で歩きやすい田舎道です。電柱の地名を見てみると、教来石(きょうらいせき)という珍しいものでした。地図を見ると、ヤマトタケルノミコトと関係ある遺跡があるらしい。これは、私の#noteのペンネームからして遺跡を見てかなければいけないと、甲州街道を200メートル程離れて(私としては、大盤振る舞いの距離)「教来石」を見に行きました。土手の上に大きな石がありました。これに、ドカッとお尻をのせて座ったのなら、ヤマトタケルノミコトは、お尻の大きい人だったのかなと感じました。(でも、大きな石にちょっこっと座ったかもか? 街道歩きらしい記事を、初めて書いたような気がする)

 暫く行くと「サントリーレストランじんぐう」の看板を見つけましたが、事前の問い合わせで年末はお休みということが分かっています。つまり、昼ご飯をここで食べる夢は叶いません。(このレストランがおいしそうなんですね~)

サントリー白州工場

 更に進むと「サントリー白州工場」が見えました。時々、居酒屋で飲むウィスキーの銘柄なので「白州に拍手」とオヤジギャクを飛ばしながら盛り上がりました。結構、きれいな建物です。醸造所は、年末じゃなければ工場見学できたのですが、今日はできません。これも、残念です(街道歩きなのに、こっちに興味があるのか!!!)。

 今日は、トラブルもなく順調です。かなり、予定より早く歩けて時間に余裕がでてきました(当然、最後に待ち受ける遠くの宿のことは忘れています)。じゃ、カフェでも出てきたら入ってみるかと思っていたら、パンのいい匂いがしてきました。
 私はグルテンフリーの生活をしているのですが、旅行中だけ「何を食べてもOKのルール」にしてます。もともとパン好きなので、このパンの匂いの誘惑はたまりません。

 どこから匂ってくるのか探してみると、古い民家からしてきます。明治時代からのあるような少しボロい建物で、入り口もガラスの引き戸です。入口には看板には「Zelkowa」とありました。何と読むかどんな意味かも分かりませんが、おいしいパンを焼いていることだけは、なぜだか分かりました。

 若い夫婦(年齢を推測するのは、不得意です。以前、50代後半の女の人を、70代に間違えたことがあります)と小さい女の子の3人でやっておられる店のようでした。 

Zelkowaという名のパン屋さん

 少し「人の声」に飢えていたので「このパンは、どんなパンですか?」とか、「Zelkowaは、どういう意味ですか?」とお話ししながら買い物をしました。ちょうど焼き上がったばかりの「ラムカランツとくるみのパン」というのがあったので、それを1個だけ買いました。グルテンフリーへの配慮と実は、今日の昼御飯を食べるところが決まっているからです。

 それを食べながら歩いていると、今度はいいコーヒーの匂いがしてきました。自家焙煎という看板には惹かれましたが、少し引っ込んだところにある店は、入るのにちょっと敷居が高い感じがする建物です。ちょうど、パンを食べ終わったタイミングだったので、自家焙煎を信じて入る決断をしました。店の名前は「こぉーふぃー屋AUTUMN」です。  

「こぉーふぃー屋AUTUMN」は、一見では納屋に見えます

 中に入ってみると、案に反してジャズが流れるいい雰囲気のお店でした。マスターも、大学の先生のような方でした。まわりは、マスターが読み終えた本だらけで、本好きにはたまらない空間です。

全部マスターが読んだらしい

 メニューがいろいろあって、迷いましたが「白州珈琲」というアメリカンタイプのコーヒーを頼み、本棚にあった司馬遼太郎の「街道を行く」を読みながらいいひと時を過ごしました。 

 「こぉーふぃー屋AUTUMN」を出て歩きはじめて驚きました。なんと、今日のランチ予定の「臺眠 」は、「こぉーふぃー屋AUTUMN」からすぐでした。こんな近くにあるとは(コーヒなど飲まないで、さっさと食事をすればよかったという後悔の叫びです)!!
 急いで入ってみると「まだ、オープン前なんですよ」と言われてしまった。どうしようかと迷っていたら「七賢の酒蔵でも、行ってみたらどうですか?」と紹介してもらった。この蔵を改造したレストラン「臺眠 」は、実はその酒蔵七賢の直営だそうです。

 酒蔵と「臺眠 」の話は、次の機会に。

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