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閑話本題

 いつもの「4歳から6歳の育て方」のお話をお休みして「本の話」をたまには書いてみようと思い立ちました。

 『エヴァ・ライカーの記憶』という本があります。この本に、まつわる話を書きます。

 この本は、私が新任である中学校の支援学級(当時、養護学級)の先生になったときに知りました。相棒の先生も本好きで、単行本で読んでいました。かなり、評判の本ということでした。私は新人でお金もなかったので、当時出た文春文庫で買いました。そして、次に読む本を置く本棚の1番手に置きました。
 しかし、友達と議論するために『キャンベル渓谷の決闘』という本を読まなくてはならなくなり、1冊とばしになりました。

 そして、次に読む本(題名は忘れてしまった)が出てきてしまい、更に次に読みたい本を買ってしまってと、あっという間に読む順番が30番目くらいになってしまいました。相棒の先生から「いつ読むんだ。ネタバラシするぞ」と脅され続けて2年。私は、別の小学校の支援学級に転校しました。
 それをいいことに(こんな言い方、していいのかな?)『エヴァ・ライカーの記憶』の次に読む順位は更に下がっていき、100番位になってしまいました。

次に読む本棚。かつては、ここにあった。

 その3年後、私は障害者通園施設に転勤になりました。その頃、結婚したので、実家からアパートに引っ越しました。その時も、もちろん『エヴァ・ライカーの記憶』は持っていきました。そして結婚して2年後に家を建てました。その時、本棚をたくさん作りました(ちょっと前の記事を見てください)。
 その引っ越しと本の移動を切っ掛けに「次に読む本の棚」が一杯になってしまったので「その次に読む本棚」というのが誕生しました。『エヴァ・ライカーの記憶』は、どうしようかなと迷った末(でも、「もう読まない棚」には移すにはもったいない程のいい本という評判なので)「その次に読む本棚」に思い切って引っ越し(「ごめんね、まだ、読めなくて」と言いながら)させました。その頃は、読む順番は300番位に下がっていました。

その次に読む本棚。ここに引っ越した。

 年月が経ち、私が発達相談員をやり始めた頃、「その次に読む本棚」も満杯になる日がやってきました。一念発起して、作者別から並べると綺麗な出版社別にすることも含めて「その次の次に読む本棚」を設定しました。『エヴァ・ライカーの記憶』は「その次の次に読む本棚」の文春文庫コーナーに『アムトラック66列車強奪』『斧』『燃える季節』など40冊の文春文庫と一緒に並ぶことになりました。
 買ってから41年たった『エヴァ・ライカーの記憶』は、現在、読む順番を大まかに数えてみると1200番目位のところにあります。最近は、1年に100冊位しか読めないので、順番が回ってくるのは12年後です。私は、78歳です。生きているでしょうか?

その次の次に読む本棚。今は、ここの上から2段目の文春文庫コーナーにある。

 つまり、これは読んだ本の話ではなく「まだ、読まれていない本」の悲しい物語です。『エヴァ・ライカーの記憶』という本は、とっても面白いという評判です。最近、トマス・ペリーの『逃げる殺し屋』という古い文春文庫を読んで面白かったので「エヴァ・ライカーの記憶も、1200冊とばしで読んでみてもいいかも」と考えている今日この頃です。(でも、年代が古いので、文字が小さく行間が詰まっているのが難点。創元社版を買うのもせんないし…)

これが、すぐ読むコーナーです。

  とりあえず、去年作った「すぐ読むコーナー」に今日移してみることにしました。読んだ時には、報告します(と言っていますが、10年後かも)。

次回から、また、もとの記事の続きに戻ります。

 

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