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ファッション哲学の手引

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ファッションに対する価値観やこだわり、好きなアイテムや着こなしついて、持論を書き溜めております。
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#ファッションが好き

サステナブルな装い方

サステナブルな装い方

どうも、Yusugeでございます。

念願の南青山にあるATONに行ってまいりました。

南青山らしい無機質でラグジュアリーな外観。
そして、店内まるごとワードローブにしたくなるようなトーンが統一された洋服の数々。

その中から前々から気になっていたシャツを試着し、この子を育てることに決めた。

何色とも言いがたい鮮やかな染色と精巧なパターンに惹かれた。
オーバーサイズなシルエットでありながら野暮

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満を持して

満を持して

どうも、Yusugeでございます。

風が冷たくなってきましたが、“満を持して”あの方の登場です。
Johnstons(ジョンストンズ)のマフラーです。

Johnstonsは1797年にスコットランド北東に位置するエルガンで創業した老舗ブランドである。
モダンなタータンチェックが特徴で、老若男女問わず使用することのできるデザインである。

実は、今夏の先行予約会でゲットしたので、手元に届いてから

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サステナブルな新規上場

サステナブルな新規上場

どうも、Yusugeでございます。

ついに、Allbirdsの株式が公開された。

これまでAllbirdsについて存分に語ってきたが、簡単におさらいをしよう。
Allbirdsは従来の石油由来とは異なり、ウールやユーカリといった天然素材を使用したサステナブルシューズ、およびアパレルを展開しているブランドである。

今回の株式公開の最大の特徴は、SPOのフレームワークを適用している点である。
S

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ファッションズ・バイブル

ファッションズ・バイブル

どうも、Yusugeでございます。

いつ頃からサステナブルなファッションを意識し始めたか定かではないが、間違いなく言えるのが、この雑誌がバイブルであることだ。

BRUTUS 2019年4月1日号

当時、日本では今ほどサステナビリティについてそれほど認知されていなかったと思われる。
わたし自身も認知はしているものも、サプライチェーンのことや最先端のブランドで何が起こっているのか不勉強であった。

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本当に着たい服がそこにはある

本当に着たい服がそこにはある

どうも、Yusugeでございます。

天候にも恵めれ、絶賛ファッションを楽しんでいる。
最近は、アウターにLAVENHAM(ラベンハム)の定番であるワーカージャケットのコーデュロイとモールスキンを嗜んでおります。

さて、来月11月は昨年2月以来の東京出張が決まりました。
もちろん仕事ではありますが、内容が趣味の延長線上みたいなものなので、学びの多い1日になりそうです。
しかも、一泊することになる

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インサイドアウト思考

インサイドアウト思考

『あなた一人に絶対に刺さるモノを作りたい。』

最近、そのような旨の文脈をよく聞くようになった。
つまり、市場調査をもとに万人受けするモノを創造するのではなく、ブランドやクリエーターがこれだと思うモノを創造することである。

この概念は決して新しいものではなく、従来では前者をマーケットイン、後者をプロダクトアウトと呼ぶ。
個人的に、プロダクトというよりもブランドやクリエーターの内なるモノを外に押し

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ファッションにおけるオープナー戦略

ファッションにおけるオープナー戦略

オープナーと呼ばれる画期的な戦略をご存知だろうか。

オープナーとは、MLB(メジャーリーグベースボール)における投手起用の一つであり、発端は2018年ということで最近取り入れられた戦略である。

従来の継投では、先発投手が5回〜7回投げ、その後リリーフ投手にスイッチするのが一般的である。
昨今のMLBでは1〜3番にスラッガータイプの選手を配置するチームが急増した。
そのため、リリーフ投手を先発で

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ファッション4.0

ファッション4.0

新境地に足を踏み入れようとしている。

ファッションについて、これまで幾度となく自分なりのファッションのあり方について語ってきた。

現在、わたしの身に何が起こっているのか?
結論から申し上げると、欲しい服がないのだ。
もちろん、ファッション熱が下がったわけではなく、むしろこれまで以上にファッションに向き合っている。
では、どのような変化が生じているのか、時系列に沿ってまとめてみる。

ファッショ

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Allbirdsのクレイジーな組織力

Allbirdsのクレイジーな組織力

ここまでAllbirdsの魅力について、存分に語らせていただいた。

なぜAllbirdsはサステナブルシューズとアパレルに取り組んでいるのかに始まり、創業者ストーリー、サステナブル戦略について言及した。しかし、実はAllbirdsの最大の武器をまだ語っていない。正確に言えば、半分わたしの直感であり、もう半分はわたしの妄想である。これまでのSustainability Reportやあらゆるインタ

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Allbirdsの個性豊かな天然素材たち

Allbirdsの個性豊かな天然素材たち

前回はAllbirdsの2025年までのサステナブル戦略に関する具体的なアプローチについて言及した。

アプローチとして、測定、削減、オフセットの3ステップを取り入れることによって、定量的なカーボンフットプリントの削減に努めている。
今回は再生可能素材について言及するが、その前になぜそこに着目しているのかおさらいしよう。

最大の理由は、そもそもスポーツで使用されるシューズやアパレルの主要材料がポ

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Allbirdsの真骨頂

Allbirdsの真骨頂

前回はサステナブル戦略目標について言及した。

2025年までにカーボンフットプリントを半分(7.0 kg CO2e)に削減するために、Allbirdsは再生型農業、再生可能素材、環境的責任のあるエネルギーの3つの優先事項に着目し、それぞれに対して10個の定量目標を定めている。今回はこれらを実行するためのアプローチについて言及する。

Allbirdsは存在意義として掲げている「ビジネスの力で気候

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Allbirdsのサステナブル戦略

Allbirdsのサステナブル戦略

ストーリーを描くだけでは、まさに絵に描いた餅である。

Allbirdsは前衛的かつ魅力的なストーリーを具現化するために、Purpose (存在意義) 「ビジネスの力で気候変動を逆転させる」を掲げ、達成に向けた戦略を策定している。中長期目標として、2025年までに自分たちのカーボンフットプリントを半分(7.0 kg CO2e)、2030年までに95%削減(1.0 kg CO2e以下)にすることを掲

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なぜB Corp認証にこだわるのか?

なぜB Corp認証にこだわるのか?

Allbirds創業者ストーリーは決して自社のエゴではない。

Allbirdsは前衛的なビジネスモデルを社会においても発展させるために、B Corporation(通称B Corp)と呼ばれる認証にこだわっている。

B Corpとは、ステークホルダー(従業員、顧客、サプライヤー、コミュニティ 、環境等)に対して社会的責任を果たすことと、経済的成長を両立しているビジネスに与えられる称号である。A

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Allbirds創業者の描くストーリー

Allbirds創業者の描くストーリー

そもそもなぜAllbirdsはサステナブルシューズとアパレルに取り組んでいるのか?

創業者の一人であるTim Brown氏は、かつてニュージーランド代表のサッカー選手であった。現役時代自身が身に纏うシューズが石油由来の素材で作られていることに違和感を覚えた。

現役引退後、より快適かつ環境に配慮した素材で作られるシューズを追い求め、バイオテクノロジーの専門家であるJoey Zwillinger氏

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