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Allbirdsのサステナブル戦略

ストーリーを描くだけでは、まさに絵に描いた餅である。

Allbirdsは前衛的かつ魅力的なストーリーを具現化するために、Purpose (存在意義) 「ビジネスの力で気候変動を逆転させる」を掲げ、達成に向けた戦略を策定している。中長期目標として、2025年までに自分たちのカーボンフットプリントを半分(7.0 kg CO2e)、2030年までに95%削減(1.0 kg CO2e以下)にすることを掲げている。

カーボンフットプリント削減に際し、Allbirdsは3つの優先事項にフォーカスしている。そして、それぞれ3つの優先事項に対して2025年までの定量目標を定めている。

①再生型農業
カーボン削減のために農業形態を転換
・再生型農家からのウールを100%使用
・ウールの年間カーボン排出量を100%削減もしくは吸収

②再生可能素材
天然素材を石油ベース素材の代わりに使用
・サステナブルな手法で調達された天然もしくはリサイクル素材を75%使用
・主要原料のカーボンフットプリントを25%削減
・シューズ及びアパレル製品の素材使用料を25%削減
・シューズ及びアパレル製品の寿命期間をにする

③環境的責任のあるエネルギー
より環境に配慮した燃料及び電気を少量で使用
・「自社所有及び稼働」
「自社所有及び稼働」施設で再生可能エネルギーを100%使用
・製造
T1*で再生可能エネルギーを100%使用
・輸送
製品輸送の95%を海上輸送にする
・お客様による使用
Allbirdsアパレル製品について、お客様の100%が常温洗濯、
そして50%が自然乾燥
*T1=Tier1主要工場
(出典:Allbirds Sustainability Report 2020)

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(出典:Allbirds HP)

上記を見ての通り、Allbirdsは天然素材やリサイクル素材だけでなく、土壌の改善製品寿命再生可能エネルギーお客様の使用にも目を向けている。また、これらの定量目標の基盤としてダイバーシティやジェンダーといった公正な労働化学動物福祉トレーサビリティ及び透明性を重視している。

定性的な目標でさえ明文化しているブランドが少ない中、Allbirdsは言葉とビジュアルを巧みに使って、定量目標でわかりやすく丁寧に説明している。わたしの知る限り、ここまで的確かつ熱量を持ってステークホルダーに説明責任を果たしているブランドは他にはない。

次回は具体的なアプローチについて取り上げる。

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