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インサイドアウト思考

『あなた一人に絶対に刺さるモノを作りたい。』

最近、そのような旨の文脈をよく聞くようになった。
つまり、市場調査をもとに万人受けするモノを創造するのではなく、ブランドやクリエーターがこれだと思うモノを創造することである。

この概念は決して新しいものではなく、従来では前者をマーケットイン、後者をプロダクトアウトと呼ぶ。
個人的に、プロダクトというよりもブランドやクリエーターの内なるモノを外に押し出しているようなイメージのため、インサイドアウトの方がしっくりくる。

例えば、日本でも徐々に浸透しつつあるサステナブルなプロダクトや取り組みは、まさに気候変動や地球の未来への危機に対して、ブランドやクリエーターの内なる思いの具現化のように思える。
そこに共感した人々が従来の大量生産で作られたモノや環境負荷に注視していないモノから敬遠するようになる。
Allbirdsが好例である。

逆に、マーケットイン、すなわちアウトサイドイン的な思考の場合、どうしてもその業界の一、二番手のコピーに陥りやすい。
これまたAllbirdsから、人気商品がAmazonにコピーされた際に、Allbirdsの創業者がAmazon側に向けて書いた手紙を引用をするが、これが示唆に富んだものである。

「パクるなら、サステナビリティもパクリやがれ!」

外側であるシューズの外観の代わりに、内側からほとばしるサステナビリティへの思いを真似してほしいという願いである。

あなたが今手に取っているプロダクトに耳を傾けると、どんなメッセージが聞こえてきますか?

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