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エッセイ

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私的な生活での考えや気付き
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どうして読むのか~わたしはいつもちょっと憂鬱でちょっと幸せ~

どうして読むのか~わたしはいつもちょっと憂鬱でちょっと幸せ~


本を読むこと

わたしにとって本を読むことは、肌寒いときのブランケットとか風邪を引いた時のあったかいスープみたいなもの。疲れたときのお風呂やリフレッシュのための一杯の紅茶でもある。これらは、日常的なちょっとした心地の良いものに思えるが、ないと軸が揺らいでしまうような背骨でもある。

シルヴィア・プラスの『ベル・ジャー』の中で、主人公エスターがお湯とチキンスープの効果を述べる部分があり、私にとって

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ときめきの化身

ときめきの化身

私にとって一番忘れられない恋愛は、大恋愛ではない。勝手に片思いしていたあの時の恋愛。結局、告白さえもしなかった。きっとあの時の恋は、友情とか尊敬とか親愛とか色んなものが混じり合った、とても純度の高いものだった。

ふと、元恋人のことを思い出して何とも言えない気持ちになるときがあるけれど、それとは違う。こんなことあったな、という生易しい振り返りではなく、胸が今でも締め付けられる。

よくあの人の夢を

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日本語で読むか、英語で読むか

日本語で読むか、英語で読むか

前はもっと簡単だった。
基本的に日本語で読む。気に入ったものがあれば洋書に挑戦する。未訳なら洋書で読んでみる。そのくらい。

イギリスに住み始めてから、読書と言語の問題が複雑になった。日本語と英語という選択肢だけでも、ざっと6パターンある。

日本語の本を日本語で読む(一番普通)

英語の本を英語で読む(所謂洋書を読む)

日本語の本を英語で読む(例えば村上春樹を英語版で読む)

英語の本を日本語

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背中を押されているような気がする

背中を押されているような気がする

 もうすべてが嫌だ。うだるような暑さに加えて、体調もすぐれない。仕事だって目立つような活躍ができておらずくすぶっている。人生のパートナーも見つからない。友達に会うのもコロナで制限されているし、まぁ面倒だ。身の回りのことをするのも嫌だ。部屋が汚い。部屋の乱れは心の乱れというものの、まさに乱れだらけだ。

 そんなこんなで上手くいかない中、大叔母の死の報せがあった。もう90歳間近でずっと寝たきりだった

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読書欲vs気力

読書欲vs気力

 私は人一倍「この本が読みたい」という気持ちが強いと思っていた。少なくとも周囲の人々と比べるとそうだ。だが、ネットで知り合った読書仲間は読むペースが相当速い人たちが数いる。月に10冊読めればいいほうだ、私は。

 小説やビジネス書、ページ数や内容の濃さなど要素は様々だが、私は読みたいという気持ちが先走っている気がする。「読みたい」と思うときに他のことが気になったり、少ししか読み進めることができない

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あなたにとって神様ってなんですか?

あなたにとって神様ってなんですか?

 私は物心ついたころから、カトリック教会に通っていた。土曜日には教会学校、日曜日にはミサに出る。それが日常だった。たまにバザーとかのイベントもあった。シスターも同年代の子たちもみんな親切だった。

 「良いことも悪いことも、いつもあなたのそばでイエス様が見守っています。」そんなシスターの言葉を真に受けていた私は、まるでどこにでもあるクマのぬいぐるみのように神様がそこら中にあふれていると思っていた。

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Never Forget the Twilight

Never Forget the Twilight

 ついに念願のブログデビュー。行動に移すのが遅くて、何かアウトプットしたいのにずっと何もせずうずうずしていた。
 公開された場所に何かを書くことに意味があると思う。思ってはいるものの、これまでは私的なノートに「マビノギオン」(名づけはアニメ「中二病でも恋がしたい」より)なんて名前をつけて思考整理のためのメモをつづってきた。
 
 (一応エンジニアなので)あわよくば自作のウェブサイトを作成、またはW

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