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名も無き演劇人が初陣で70人以上集客できた理由

2022年4月23日(土)、
小沢佑太セルフプロデュース
一人芝居公演「産声」
が無事に終わりました。
70名以上のお客様が全国各地から見届けてくださり、
そのほぼ全員がカンパを入れて行ってくださいました。

おかげさまで公演は大盛況に終わりました。

たった一日の公演、3ステージ、
しかも無名の、これから頑張って行きますという
宣言のような公演。
さらに、小劇場の舞台に初めて立つ人間の一人芝居。

こんな普通では有り得ない条件下で、
小沢佑太はほぼ一人で
70名を超えるお客様を集めました。

めちゃくちゃ嬉しかったです。
めちゃくちゃ楽しかったです。
めちゃくちゃしあわせでした。
感謝が溢れて止まりませんでした。
帰りに出て行くお客様一人一人に
精いっぱいの感謝の気持ちを伝え続けました。


おかげさまで、カンパだけで
公演準備にかかった費用を全て賄うことができました。

自分で言うのもなんですが、
これは偶然でもなんでもありません。

初めての人間が一人で70人を集客できたのには、
それ相応の理由があります。

自分の整理・分析も兼ねて、
今回はそれらを特別に公開します。

ただ、やっていることに特別なことは何もありません。
何度も言いますが、舞台づくり、初めてです。
そんな人間一人でもできる方法です。

読んで、動けば、できます。
読むか読まないか、動くか動かないか、それだけ。

たかが演劇の話?
違います。
他のどんなことにでも転用できます。

集客に困っている全ての新人さんに当てはまる、
今だからできる麻薬的な方法です。

※この記事における利益はすべて、
 5月5日に立ち上げる劇団、CLOUD9の
 活動資金に充てさせていただきます。


★名も無き演劇人が初陣で70人以上集客できた理由

1.コンセプトとターゲットの明瞭化

とりあえず演劇公演の話で進めてみますね。
まず、公演のコンセプトは何ですか?

今回の僕の「産声」は
タイトルの通り僕の演劇人としての誕生を祝う会です。

それがコンセプト?と思われるかもしませんが、
まあようは、テーマのようなもので結構です。

これをハッキリ決めて、
ここに合うターゲットに絞り込みます。

誕生の産声は人生で一回だけです。
後にも先にもあげてしまったら聴けません。

だからターゲットは、
たった一度の「産声」を見届ける人たち。

誰に見届けてもらいたいか、を考えると、
自ずとその人たちの顔が浮かんできます。

これまでお世話になった人、
これから仲良くしていきたい人、
疎遠になっていたけどまた会いたい人、
ずっと仲良くしてくれている人、
僕の誕生を、夢を応援してくれる人、
僕がただただ大好きな人、、、

こうやって顔が浮かんだら、
その人たちを呼べば良いのです。

それだけ。

SNSの運用?
バズるかどうか?
認知度?

そんなものは二の次、三の次。

まずは誰に見てもらいたいかをハッキリ決める。
その人に声をかけて、来てもらう。

ただそれだけ。


2.熱い想いを確実に伝える方法

じゃあ、いざ浮かんできた人たちに
作った定型文をコピペして、
それで自分の熱い想いが伝わるかというと、
それは火を見るより明らか。
答えはNOです。

定型文で想いなんか伝わるはずがない。

じゃあ一人一人にLINEでメッセージを送りますか?

ちゃんと70人に送れますか?

これを考えたとき、僕は無理だなあと思いました。

理由は単純。時間がない。

だって一人芝居ですよ。
セルフプロデュースですよ。
全部自分で決めて、稽古して、予定立てて、、、
舞台監督は付けませんでしたし、
演出も3作のうち1作しか付けませんでした。
ほぼ、全部一人でやることになりました。

そんな読んでくれるかもわからないものに、
「想いが伝わるかなあ…」なんて考えながら
構成を練って文章を考える時間なんてありません。

そこで使ったのが「ビデオレター」です。

家で内カメラにして、LINEに収まる5分間、
ひたすらカメラに向かって個人宛に喋ります。
一人一人に宛てて、名前を呼んで、
全く違う話を撮って、50人以上に送りました。

これは僕がアドリブが得意で
思い出的な記憶力が比較的良かったから
できたことかもしれません。

文章を書くより想いは乗るし、
事前の準備は要らないし、
何より自分の表情を乗せて送ることができます。

演劇の公演に来てほしいのに、
文章だけで説明しててどうするんですか。

自分の顔で想いを語ったら、
こんなに表情豊かな人間が演技したらどうなるんだろう
って想像してもらえるじゃないですか。

今は背景が部屋だけど、
こいつが舞台に立ったらどんなふうになるんだろう
って想像したくなるじゃないですか。

その答え合わせをしに、
お客さまは足を運んでくれるんです。
その熱量に圧倒されて、
お客さまは心をコチラに向けてくれるんです。

だからこそ僕は「ビデオレター」を選びました。
少なくともこの作業に
10時間ぐらいはかけたんじゃないかな。

その代わり、成果は出ました。結果がこの数字です。
来てくれた人たちはほとんどみんな
僕のビデオレターを受け取っています。

中には熱い返事をくれる人がいました。
ビデオレターの返事もありました。
それを見て、僕は稽古に熱が入り、
結果的に効率よく準備を進めることができました。

熱い想いを乗せれるだけ乗せて、
一人一人に合うように言葉を変えて告知をする、
それを録画して定型文とともに送ることで、
確実に想いと情報を届けることをやっていました。


3.諦めずに視界に入れ続ける投稿

このnoteは480日以上毎日投稿しています。
そしてその毎日の投稿に
「産声」の公演告知を載せ続けました。

もちろん、メインテーマが何であれです。
全然違う話の時も、最下にお知らせを載せ続けました。

週一回、公演直前は毎日、
noteで現状報告を綴り続けました。

ダメダメな時も、ウトウトの時も、
兆しが見えた時も全部です。

おかげさまで本番直前に何名か、
noteから予約をしてくださった方がいました。

Twitterからnoteにとんで、
制作過程を追いかけてくださっている方もいました。

これとは別に、Twitterでは
ほぼ毎日稽古の状況を動画や写真でアップし、
本番までのカウントダウンをしていました。

おそらくこれによって、
「なんかガムシャラに頑張ってる産声の人」
というイメージが
かなり多くの人に付いていたと思います。

実際、最近知り合った
相互フォローの関係になかった方が、
なぜか僕の活動を知っていました。

この間、noteもTwitterも
バズることはありませんでした。
ツイートのいいねが10超えることは無く、
もちろんリツイートもあって1、2。
noteも安定の10〜30いいねぐらい。

特別すごいことにはなっていませんでしたが、
その代わり毎日どこかしらで僕の「産声」準備を
目の当たりにしていたのではないでしょうか。

それも毎日違う動画や写真が流れてくるので、
流すに流せないという状況を作りました。

ひたすら視界に入れ続けることで、
応援したり興味が湧いたりする工夫をしていました。


4.複数のコミュニティに所属

多くの演劇人が陥る状況の一つに、
演劇人以外に知り合いがいないというのがあります。

これは演劇人に限った話では無く、
そのコミュニティに浸かれば浸かるほど
どんな分野の人でもそうなるはずです。

僕はあちこちのコミュニティに浸かる道を選びました。

学校教育、エネルギーワーク、バースデーランウェイ、
関東の演劇人、音楽関係者、大学生、カウンセラー、
僕の周りには距離も種類もバラバラな仲間が
たくさんいます。

結果、集まってくださったほとんどの方が、
演劇に触れたことがない初観劇の方でした。

結果的に、初観劇者を50名以上集めました。

下は高校生、上は80歳前後まで。
西は広島、東は東京まで。
いろんなタイプの人たちが集い、
僕の「産声」を見届けてくださいました。

こうしてコミュニティの種類を増やして、
その一つ一つで周りを大切にしていけば
自ずと世界は拡がっていきます。
世界が拡がれば、いろんな方々と出会えます。


5.観て欲しいスタンスの明確化

こうして集まった70名を超える方々に、
結局どんな態度・目線で観てもらいたいのか。

これを明確にしておくことで、
「思ってたのと違った」
というミスマッチを大幅に減らせます。

今回、演劇関係者をも含め、
ほとんどのミスマッチを防げたのではないかと
今のところ思っています。

これには細やかな気配りの数々があります。

まず、SNSで発信する際に、
物語の内容や演出といった
演技や演目に直結する内容を最低限に抑えること。

もちろん、ストーリーで惹きつけることはやりました。
が、そうすることでマッチしやすく、
反応してもらいやすそうな人に限定しました。

では、基本的にどのようなスタンスで
お客さまに声をかけていったのか。

答えはもう既にこの文章に何度も出ています。

「見届けてください」

です。

「見届けてください」
とか
「応援してください」
という言葉を意識的に使うようにしていました。

ここを示唆し続けて強調することで、
観る人の姿勢を誘導していました。

このような緻密な準備を重ねて、
お客さんの見方・スタンスをハッキリさせました。

このあたりが、集客の先のカンパ回収に
繋がっていったのだと考えています。


6.80%以上のカンパ回収率

カンパ制度というのを初めて実施しました。

結果的に1〜5で示した「共感」に全振りした
プロデュースとの相性が非常に良く、
想像以上のカンパ回収率となりました。

金額は10万円を超え、
今回の公演準備にかかった費用を全て賄い、
これから立ち上げる劇団、CLOUD9への貯蓄も
僅かですが行うことができました。

ここにもいくつか理由があると思っています。

まず一つに、事前に用途を伝えていたということ。
こちらはクラウドファンディングの浸透で
けっこう当たり前になりつつあるのかなとは思います。
使い道が分かっていると、応援しがいがあるものです。

「今公演の公演準備と次回以降の公演の準備費用に充てる」と明記していました。

もう一つ、カンパ袋をB5の封筒で用意したこと。
小さな手ではありますが、小銭入れにくいんですこれ。
昔どこかでやられて、あっさり野口さんを入れてしまった自分の経験から採用しました。

最後に、カンパ袋に一筆箋を忍ばせたこと。
予約者限定で封筒に事前に一筆箋を入れておきました。
もちろん、僕の直筆のお手紙です。
(各回の開場直前まで書き続けていたことは内緒🤫)

カンパ袋に既に入っていた想いのこもった手紙を抜く…
そのあと何かしたくなりません?普通。
僕なら同じサイズの紙を入れちゃうなあ、と思って、
実験的にやってみました。

結果は一目瞭然でしたね。

スタッフから
「みんなめちゃくちゃ喜んでいた」
と言ってもらいました。

実際に書いていたときはそんなやらしいことは考えず、
ただひたすらその人のことを思って書いていたので
その想いが伝わり、喜んでもらえてよかったです。

開演前にお客さまの心をガチッと掴む、
これ甘く見積もりがちですがとても重要だなと
改めて思い知らされました。


7.トータルプロデュース

これはハッキリ言って僕の感覚的なものです。
この演目でこの層のお客さんが来て、
この時間でこのタイミングだと、
きっとここで集中が切れて
(あるいはここで集中をリセットさせて)
ここにこれを挟んでこうすればああなって…。

一言でいうとトータルプロデュース。
トータルコーディネート。
お客さまが入場してから退場して、
いや違うな。
お客さまが会場に向かい始めてから、家に着くまで
公演全体の構成をどのように組み立てるか。

結局はこれに尽きるのだと思います。

正直、これは臨機応変にやっていくもので、
普遍的に説明できる代物ではありません。

これは完全に、日々の学校での授業で培ったものです。

言い忘れていましたが小沢、
普段は学校で先生をしています。

塾とは違い、学校にはさまざまな子どもたちが居ます。
それぞれに対するアプローチはもちろん、
全体への問いかけや促しも重要です。
50分をどう刻んであの子たちが
いかに飽きないように設計するか、
日々考えながら生きております。

こう言われると、
今回の「産声」の上演時間が60分だったのも、
なんとなく分かっていただけるのではないでしょうか。
僕の得意なコースだったからです。

あとは、せっかく足を運んで観劇して帰るんだから、
配信なんかでは楽しめない「イベント感」を
しっかり出したほうがいいなあと思い、
「産声カード」というものを準備しました。

当日お客さまに書いてもらったご自身の「産声」たち

ほらね、学校の先生っぽいでしょ?
こういう発想は教育者ならではなのかなあと。

はい、というわけで、
旗揚げ公演や初めての企画など、
もしやりたい方がいれば小沢佑太、
全力でプロデュースさせていただきます。
いつでもお声がけください。


8.この集客法の落とし穴と突破口

最後に、ここまで書いてなんなんだ!
と言われるかもしれませんが、
冒頭に書いた「麻薬的な方法」というところに
言及しておきます。

これだけの、一つ一つは誰にでもできることを
丁寧に丁寧にやり続ければ、
無料カンパ制でも
10万円を超える収入を得ることができます。

ではこれの何が「麻薬的」なのか。

それは、「長続きしない」ということです。

チラッと中盤で書いたのですが、
この「麻薬的な方法」というのは、
具体的に言うなれば
「共感での集客」です。

作品の良し悪しではなく、
小沢佑太への共感や応援で集客しました。

ここまでの集客方法は、
全てこの「共感」「応援」に照準を合わせたものです。

トータルプロデュースも全てこれを前提に行いました。

そうすることで、ブレのない一貫した公演を
創り出すことに成功しました。

ただ、これは多くの演劇人が
大なり小なり最初にやっています。
そして、この方法をやり続けて、相互に疲弊し、
人が離れていくのです。

結局、エンタメやらコンテンツやらは
最終的にはクオリティ。

ここから逃げたらいつか必ず負けます。

この「共感」や「応援」は
僕たちに対するお客さんの「投資」なんです。

「感動」した!
キミの成長を「応援」しているよ!

そういうメッセージなんです。
だからこそ、少しずつ確実に
クオリティを上げていく必要があります。
そのためにはそれ相応の時間が必要です。

「共感」をベースに、
少しずつクオリティに視点を移動させていく
必要があります。

僕自身、「共感」一本で勝負するのは
この「産声」が最初で最後だと確信しました。

まだいくつかやりたかった打ち手が残っているので、
次回以降はそれらに手を出しながら、
できる限りの時間を
クオリティの担保に割いていきます。

ここらはまだこれからの実験なので、
この辺の話はまたいずれ近々、どこかで。

最後まで読んでくださり、購入してくださり、
ありがとうございました。

もしよければ、
僕と一緒に作品づくりをやってみませんか?

あなたの成功を願っております。



2022.4.27 共鳴|集客方法の分析


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