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2023年2月の記事一覧

One Year after the Russian Invasion in Ukraine and Its Meaning for Us

One year has passed since Russia invaded Ukraine on 24th February 2022.

There may be different positions on the Ukraine Issue. Ultimately, however, the crux of the issue is whether to accept “changes

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1年が経過したロシアによるウクライナ侵攻はわれわれにとっていかなる意味を持つか

今日で、2022年2月24日(木)にロシアがウクライナに侵攻してから1年が経ちます。

一見すると遠い地の出来事のように思われるウクライナ問題も、世界的な資源高の原因となっていること、あるいは世界地図を広げれば日本はロシアの隣国にあるため、日本もロシアの動揺と無関係ではないといった思惑から「有事のドル買い、円売り」が生じ、歴史的な円安となったことは、われわれの記憶に新しいところです。

その意味で

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「百貨店の影が薄くなる渋谷」を通して考える百貨店と文化の発信と受容のあり方

去る1月31日(火)に東急百貨店本店が営業を終了したことで、渋谷地区における百貨店は西武渋谷を残すのみとなりました。

かつては東急が本店とともに東横店を擁していたことを考えれば、今昔の感に堪えません。

これは、一方では百貨店の売り上げが1990年代以来、長期にわたり低迷するという業界全体の構造的なあり方を反映した結果と言えます。

また、他方では百貨店の提供する役務が、多様化する消費者の嗜好に

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「次元の異なる少子化対策」に対してわれわれは何を注意すべきか

昨日、岸田文雄首相はこども政策の強化に関する関係府省会議に初めて出席し、少子化を食い止め、出生数の増加を実現するための意欲を示しました[1]。

今年1月の施政方針演説の中で「年齢・性別を問わず、皆が参加する、従来とは次元の異なる少子化対策を実現したい」[2]と指摘したように、少子化対策は岸田首相にとって政権の重要な課題です。

そして、岸田首相の「次元の異なる少子化対策」という一言により、関係各

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球団経営者たちも共和党への深入りをためらう

2022年11月21日(月)、日刊ゲンダイの2022年11月22日号27面に連載「メジャーリーグ通信」の第127回「球団経営者たちも共和党への深入りをためらう」が掲載されました[1]。

今回は、2022年11月に行われた米国中間選挙の結果が、共和党支持者が多い大リーグの球団経営者の行動にどのような影響を与えるかを検討しました。

本文を一部加筆、修正した内容をご紹介しますので、ぜひご覧ください。

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「東京オリパラ汚職・談合事件」を考える上で重要な視点は何か

昨夏に明らかになった東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件は、昨年末から談合事件へと広がり、数多くの逮捕者を出すに至っています[1]。

今回の汚職・談合事件の問題の一端は、国や各都道府県が大会の経費の多くを負担しているにもかかわらず、大会の運営に当たる大会組織委員会が公的機関ではなく、公益法人ではあっても私的な組織であるため、国による情報公開制度の対象となっておらず、不明朗な経費の使用の

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「真砂勇介選手のWBC中国代表選出」はいかなる意味を持つか

現地時間の2月9日(木)、今年3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する全20チームの登録選手が発表されました。

今回は、大リーグ登録40人枠に含まれる選手が186人登録されており[1]、これまでの大会に増して迫力のある試合が行われることが予想されます。

日本代表については、セントルイス・カーディナルスに所属するラーズ・ヌートバ―選手が、日系米国人二世として代表に選

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法整備は「LGBTQへの理解の促進の特効薬」か

性的少数者に対する差別発言によって荒井勝喜首相秘書官を更迭したことを受け、岸田文雄首相は自民党総裁として茂木敏充幹事長に性的少数者に対する理解の増進する法案の整備を検討するよう指示しました[1]。

また、政権与党である公明党の山口那津男代表も荒井氏の発言と更迭に関連して性的少数者の理解を促す法案の整備が重要である旨を提起しており[2]、関連法案の成立に向けた取り組みが本格化する見通しです。

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「荒井秘書官の迅速な更迭」が示唆する岸田文雄首相の憂慮

去る2月4日(土)、岸田文雄首相は同性婚を巡り記者団に対して差別発言をしたとして、荒井勝喜秘書官を更迭しました[1]。

今回の措置は、2月3日(金)の夜に、記者団との間で報道を前提としない非公式のやりとりをする中での発言を受け、同日の深夜に公式な取材が行われた結果、荒井氏が発言を認めるとともに撤回したことを受けたものでした[2]。

岸田政権では、昨年3人の閣僚と1名の政務官が不適切な言動により

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戸籍に記載する読み仮名の基準の設定はいかなる意味を持つか

昨日、法制審議会戸籍法部会が開かれ、戸籍の氏名に読み仮名を付す戸籍法改正の要綱案をまとめるとともに、社会で一般的に認識されている読み方や字義を漢字の読み仮名として認める基準を定められました[1]。

戸籍を持っている人は2024年度になる見通しの改正法施行から1年以内に本籍地や住民票がある地方自治体の役所で読み仮名を申請するとともに、期間内に申請しなかった場合は自治体が職権で住民票に記した読みなど

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