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2020年3月の記事一覧

「一対多の丸見え現象(仮)」について

僕が思いつく程度の現象には心理学者や社会学者がすでにかっちょいい名前を付けているはずなんだけど、思い当たらないので(仮)としている。

たとえば、新卒面接で就活生の側は一所懸命に対策を練るだろう。そして用意周到に面接の準備を行うわけだが、何百人何千人と面接を繰り返している人事担当者から見れば学生の意図などは全部丸見えというか「またこのパターンかよ」みたいなことになる。あの現象のこと。

たとえば大

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人が人にものを伝えることの困難さには果てしがない

僕は、ここでごく小規模の人たちに向かって発信を行っている。

ごく小規模の発信を行っている者は、少しでも読者を増やしたいと考える。若干増えたら、さらに増やしたいと考える。レベルアップの階段は無限に続く。あそこまでたどり着けばラクになるだろうという気持ちがこの階段をのぼらせる。

しかし考えてみれば、人が人にものを伝えることの困難さには果てしがない。ラクになれる場所などないことがわかる。

地球上で

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人はいくつになっても「あと20年生きられる」と思っている

人はいくつになっても「あと20年生きられる」と思っている

高校生というのは、やたらと背伸びしたがるものだ。むずかしい映画を見たり、むずかしい本を読んだりしたがるものであり、ぼくもそうだった。

むずかしい本を読みたいと思って書店に行って、モンテーニュ著『エセー』というのを買ったんだけど、一巻目で挫折した。ちなみにぜんぶで六巻ある。

でも、当時(1980年代の半ば)、書店にはオウム真理教の雑誌も並んでおり、もしかしたら、ぼくはモンテーニュを買うかわりにそ

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「歴史的瞬間を共有したい気持ち」はどういう心の作用なのだろう

「歴史的瞬間を共有したい気持ち」というのはどういう心の作用によるものなのだろう。

「JFKが暗殺された時あなたはどこで何をしていたか?」というのが一昔前のアメリカ人のあいだでは定番の会話だったそうだ。僕が見たあるドキュメンタリー映画にも「私はその日精神病院に放り込まれたところでTVニュースが流れてきた」と語る女性が登場する。

ちなみにある米国人大学教授に聞いた話では、最近は「チャレンジャーが爆

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10年ぶりの満員電車に乗って命の危険を感じた

この記事の内容は以下の通りです。

・この時期ですら通勤電車は満員だった
・シロウトはラッシュ時の一号車に乗ってはいけない

今週火曜日に、通勤電車に乗って健康診断にでかけたらラッシュに巻き込まれて死にそうになった。

これだけ在宅在宅とうるさいのだから満員電車など存在するわけがない、と高をくくっていた僕は、一号車の先頭に陣取って子どものように運転手の背後の窓から線路を眺めていた。

ただし、乗車

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今日は、たいしたことは書いていない

今日はやたら長いだけで大したことは何も書いていない。
大したことは書いてないわりにやたら長いので読む価値はあまりない。
いつもの3倍の長さがある。
長い割には読む価値があまりない。
そのわりにはやたら長いということだけは間違いないと言えるだろう。

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不思議なこと、目に見

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たとえマズいと思っても「おいしい」というのが彼らの仕事

先日さいたまスーパーアリーナで大きなイベントが強行されて物議をかもしたけど、そこに出席していたタレントさんは「仕事で呼ばれた。コメントに困る」と回答していた。

タレントさんはお座敷に呼ばれてなんぼの商売であり、えり好みをしていたら声がかからなくなる。

缶コーヒーのCMに呼ばれたら、たとえマズいと思っても、画面に向かって「おいしい」というのが彼らの仕事だ。

僕は、商品のプロモーション関係の翻訳

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年に一度の健康診断に行った

へんに思われるかもしれないが、僕は健康診断で鼻カメラを入れるのを毎年楽しみにしている。そのためにわざわざ腹を減らして行くほどだ(指示に従っているだけです)。

今年はカメラを入れる前に看護師さんに「眼鏡外しますか?それとも平気ならモニターを見ていてもいいですよ」と言われて思わず「それが楽しみで来たんです」と答えてしまった。たぶん(あ...変な奴が来た)と思われたことだろう。

今でこそかなり慣れて

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変化は正義か ― バンジーを跳んだことはないけとバンジーを語る

人間は驚くことが好きな生き物なのだそうだ。だからジェットコースターが喜ばれるのだとある心理学者が言っていた。

ただし絶対にジェットコースターに乗りたくないという人もいるわけで、そこは個人差である。

現代社会は、ジェットコースターのような時代だと思う。乱世か治世かといえば乱世。スリル好きにとっては楽しいが、スリルを嫌う人には生きづらいだろう。

ところで、現在の日本社会は世界に後れを取っていて大

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分け入つても 分け入つても 青い山

近所の公園にバスケットのハーフコートがある。中学生が日が暮れるまで走り回っている。

僕も小学生のときはああいう感じで遊びまわっていた。暗くなっても目の前のボールだけを見ていた。

一方で今の僕はもっぱら散歩だ。風や、日差しや、せせらぎや、木々や、日暮れ時の空気を感じたくて歩く。

中学生の意識は一点に集中している。僕の意識は周囲に分散している。環境への注意の向け方が真逆である。中学生は能動的で僕

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見上げてごらん夜の星を―視野を狭めて得することなんか一つもない

現実って一つじゃない。

いきなりだけど、万有引力といえばニュートン。ニュートンといえば万有引力とということになっている。

本当にそうなのか。よくよく考えてみると両者はかぎりなく無関係に近い。

たしかにこの社会で引力の法則を発見したのはニュートンだけど、法則そのものはニュートンがおしめを付けるよりもはるか昔から存在していた。

これはどんな発見にも当てはまる。コペルニクスが地動説をとなえる46

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ギブとテイクについてーオバマもエラいけど、家畜もエラい

与えることと受け取ることについて。

小2のとき、近所の焼き鳥屋さんの裏でトリを絞めている場面に遭遇した(ような気がする)。"気がする"というのはショックで記憶が定かではないからだけど、ともかく以来その道を通れなくなり中学に上がるまで鶏肉を食べられなかった。

中3のころにも、急に肉が食べられなくなって1年ほど食べなかった。きっかけはよく覚えていないけど、思春期ならではの出来事だろう。

今の僕は

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50年後の未来から振り返る奇跡のような光景について

昭和40~50年代、ウチの近所では魚は行商のおばさんから買っていた。

魚売りのおばさんは、その日漁師から仕入れた魚を木製のカートのようなものに乗せて近所の町内を巡回していた。

ウチの前あたりにくると近所の主婦が集まってきて取り囲み、世間話をしながら夕飯の魚を買っていく。鯛やカレイが出ている日もあれば小魚ばかりの日もあった。僕は祖母と一緒によく買いに出た。

何十年も思い出したことのない光景なの

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スマホを眺める人の群れはどうして不自然なのか?

今や世界中がスマホだらけだ。中国でも日本でもイタリアでも行列している人々はみな一様に俯いてスマホをいじっている。

なんだか不自然な風景だ。でも、なぜなんだろう?

たぶん「みんなが」俯いているからだと思う。
一人二人が俯いて、残りの人が右を向いたり左を向いたりしていれば自然に見えるはずだ。

これはスマホの代わりに文庫本を読んだからといって解決する問題ではない。行列の全員がいっせいに文庫本を読ん

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