スマホを眺める人の群れはどうして不自然なのか?

今や世界中がスマホだらけだ。中国でも日本でもイタリアでも行列している人々はみな一様に俯いてスマホをいじっている。

なんだか不自然な風景だ。でも、なぜなんだろう?

たぶん「みんなが」俯いているからだと思う。
一人二人が俯いて、残りの人が右を向いたり左を向いたりしていれば自然に見えるはずだ。

これはスマホの代わりに文庫本を読んだからといって解決する問題ではない。行列の全員がいっせいに文庫本を読んでいればやはり不自然だと思う。

でもそれはあり得ない。なぜなら文庫本では全員のニーズを満たせないから。

スマホは電子書籍も読めるけど、SNSもできるし、動画も観れるし、ニュースも読める。だからこそみんながみんな一斉に俯いていられる。見た目は同じだけど、やっていることはバラバラだ。

逆に言えば、やっていることがバラバラなのに見た目が一緒になってしまうから不自然なのだ。

でもスマホの多目的性はいいことだと思う。
文庫本に帰ろう、とは僕は思わない。
しかしそうはいっても不自然である。なんとかならないのか。

ここはひとつ毒を以て毒を制すしかないと思う。
やがてGoogleグラスのような拡張現実デバイスが普及すれば、多くの人は俯くことなく前を向いたままニュースやSNSをチェックするようになるだろう。スマホ派は今の文庫派くらいの少数派にもどってめでたしめでたしである

そういう時代が来るまで、不自然さはスルーしたいと思う。

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