見上げてごらん夜の星を―視野を狭めて得することなんか一つもない

現実って一つじゃない。

いきなりだけど、万有引力といえばニュートン。ニュートンといえば万有引力とということになっている。

本当にそうなのか。よくよく考えてみると両者はかぎりなく無関係に近い。

たしかにこの社会で引力の法則を発見したのはニュートンだけど、法則そのものはニュートンがおしめを付けるよりもはるか昔から存在していた。

これはどんな発見にも当てはまる。コペルニクスが地動説をとなえる46億前から地球は回っていた。

天才科学者を過小評価する気はさらさらないけど、僕らは社会に生きていると同時に宇宙にも生きている。宇宙も一つの現実であり、そしてこの現実はかぎりなく広大だ。

やがて人類が消え去り、太陽系が消滅し、「万有引力」という名前が無に還ったのちにも万有引力は存在し続ける。はるかな過去からはるかな未来まで宇宙を貫いて支配する。その偉大さに比べれば、人の営みなんかホントに小さい。

そんなことが私の生活に何の関係があるの?と言われれば、実はあるんですよね。視野が狭くなって得することなんか、実は一つもない。たまに遠くを眺めた方が目の疲れがとれるのと同じです。

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