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私のイタリア生活

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日々のイタリア生活で感じたことや思うこと。
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#やってみた

微妙なお天気が続く中

微妙なお天気が続く中

日本一時帰国から戻ってきて、20日ほどが過ぎた。
ようやく落ち着いてきたので、
お土産を持って、友人に会いに行く。

「ユキさん、いつも忙しそうだから…」
そう言われてはじめて、
私って、忙しいのかしら?と思った。

フィレンツェとオリーブ畑のあるマレンマ地方を行き来している現在は、
週の半分、フィレンツェ、残りをオリーブ畑で過ごすことが常になっている。
やることはそれなりにあるけれど、
とりわけ

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オリーブオイルは何と味わう

オリーブオイルは何と味わう

5月になった。
オリーブはまだ花芽で、咲くのはもう少し先になりそう。

農協的スーパーに行った。
この時期は、そら豆やアスパラガスなど
春の野菜が並んでいる。
旬の野菜は、季節ごとにあるけれど
春の野菜を見てワクワクするのは、なぜだろう。

グリーンピースも売られていた。
房ごとドサっとカゴに入っていて、
好きな分だけ袋に入れて
量り売りで買う方式。
イタリアの野菜は、パック詰めのものもあるけれど

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作り手としての思い

作り手としての思い

4月も半ば。

オリーブ栽培に携わるようになって、
早くも、4年目の年を迎えようとしている。

今年のノンフィルターオリーブオイルが、現地のイタリア人にも人気で、
フィルターがけをする前に50リットルほど、別のタンクに保存していたものも
おかげさまで、完売に至った。
フィルター済みの方はまだ少し、余裕があるものの
こうして少しずつ、いろいろな方にその味を知ってもらえるのは
本当にありがたいことであ

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OLIVE DELLA YUKI  変わりやすい春のお天気の下で…

OLIVE DELLA YUKI 変わりやすい春のお天気の下で…

すっかり、夏日和だと思ったのは、先週の空。

フィレンツェでは、雹が降り、
グッと気温が下がっている。
北側の山では、雪が降った。

3月の半ばに終えた剪定から
まだあまり日が経っていない時期の急激な冷え込みは、
オリーブの成長にも影響をもたらすんじゃなかろうか…と
実はちょっと心配している。

「風は凄かったけど、雹は降っていないよ。」

あまりにも天気が悪くて、
オリーブ畑には行かなかった今週

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OLIVE DELLA YUKI  初心

OLIVE DELLA YUKI 初心

春の陽気。
陽の当たるオリーブ畑は、
暖かいというより、むしろ、暑いくらいで、
日中の温度は、20度を超えている。

「そうそう、IGPの申請は6月までだからね。」

先日からお世話になっている、
役所のお助け機関のシニョーレが、
そう、言ってくれた。

IGP(イー ジー ピー)
Indicazion Geografica Protetta

日本語で言うと、
「保護指定地域表示」というのだそう

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OLIVE DELLA YUKI  手続き

OLIVE DELLA YUKI 手続き

そろそろ、剪定をお願いしたい…と
収穫をお手伝いしてくれたモロッコ人にお願いしたら、
一週間のうちに、全部の剪定をやってくれていた。

本当は、少しは自分でやってみたかったのだけど、
彼らの都合もあるし、こちらの都合もある。
慣れないうちは、オリーブの木を傷つけてしまったりするだろうから、
ここは、手慣れた彼らにお願いするのが筋だと、思うことにした。

今年のオリーブオイル作りは、こうして、スター

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OLIVE DELLA YUKI  搾油所でのはなし

OLIVE DELLA YUKI 搾油所でのはなし

久々に、搾油所に顔を出した。

事務員のSimonettaは、いつも笑顔で迎えてくれる。
まるで、家族みたいに。
優しいけれど、きっちりしている。
世話役フランコも、そんな彼女のことを高く評価している。

「それはしていいけど、これはダメ。」

働く人たちの、手を煩わせたくなくて、
「ボトル詰めなら、私がやりましょうか?」と言ったら、
はっきりと断られた。
「ボトル詰めする環境が整っていないでしょ

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OLIVE DELLA YUKI  面倒なのがいい

OLIVE DELLA YUKI 面倒なのがいい

12月から少しずつ送っていたオリーブオイルが、
それぞれのお客さんの手元に渡り、
いろいろなメッセージをいただいている。

デジタル化していく世の中とは、反対方向の
アナログ方式に販売していくのは、
お客さんにとっても面倒なことだろうと思うし、
私の頭の中でも、時々、混乱を招いたけれど、
いろいろなメッセージをいただいているうちに、
今のうちは、やっぱりこの方式が良いと思い始めている。

メルカー

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OLIVE DELLA YUKI    進むイタリアのデジタル化の中で

OLIVE DELLA YUKI 進むイタリアのデジタル化の中で

オリーブオイルの販売から、少しずつ落ち着きを取り戻しつつある一方で、
事務処理に追われる毎日を過ごしている。

「あ、そうそう、会計処理は全てコンピューターでやっておいてね。」

思いついたように、そう指示してくる commercialista(ビジネスコンサルタント)に、

どうしてもっと早くに言ってくれないかな…

と思うのは、
先を読んで順序立てて事を運ぶように学んできた日本人と、
思いつい

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OLIVE DELLA YUKI   未来に繋ぐ美味しい…の背景

OLIVE DELLA YUKI 未来に繋ぐ美味しい…の背景

冬のオリーブ畑。
年末年始に降り続けた雨のおかげで、
オリーブの木々は、青々とした草たちに囲まれている。

昨年の今頃はまだ、年老いたプロフェッソーレがこの土地の持ち主で、
「もう、体力的に出来そうにない…」と、数年前から放置されていた土地である。
田舎生活志望の私としては、そんな土地があったら「是非とも、私がやりたい!」と
自分の無知さ加減は棚に上げて、思ったのだけども、
イタリアの若者には、そ

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OLIVE DELLA YUKI   私を支えてくれる人たち

OLIVE DELLA YUKI 私を支えてくれる人たち

せっせ、せっせと、
注文通りのオリーブオイルを
ラベルを点検しながら包み、包んでは梱包し、
梱包しては、新しいモノを包む。

一人一人を思い浮かべ、
出会った時のことを思い出したりなんかしながら、
この単純作業をしている時間が、なかなかに楽しい。

大きな宣伝をうっていない私のオリーブオイルを買ってくれる人たちは、
もちろん、直接お会いしたことのない方もいるけれど、
ブログ上でコメントをやり取りし

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トスカーナ・オリーブの夢 スタートライン

トスカーナ・オリーブの夢 スタートライン

#2021年の出会い

11月の終わり。
相変わらず雨が続いていて、時折、晴れ間が見えると、嬉しい気持ちになる。

ドタバタのラベル作りを終えて、すぐに搾油所へと向かった。
同時進行で、支払いリンクの設定やら、販売用リストの作成やら、
コンピューターに向かうことが多かった日々。
たまにゆっくりと、外の空気を吸うのは気持ちよかった。

搾油所に着くと、みんな笑顔で迎えてくれた。
どの人も、今年出会っ

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トスカーナ・オリーブの夢 一進一退

トスカーナ・オリーブの夢 一進一退

11月に入って、雨が続く日が増えた。
夏前に、少し刈った雑草たちが、茶色く色を染めていたのに、今はもう、すっかり緑になっている。

これくらいの頃から、
「オリーブオイル、買えますか?」というリクエストが増えてきた。
右も左も分からずに、見切り発車で進めてきた私の、
実際、美味しいのかどうかも分からないのに、
「買いたいです。」と言ってくれる人たちがいる。
なんて有難いことかと思うし、早く商品化さ

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