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OLIVE DELLA YUKI 私を支えてくれる人たち

せっせ、せっせと、
注文通りのオリーブオイルを
ラベルを点検しながら包み、包んでは梱包し、
梱包しては、新しいモノを包む。

一人一人を思い浮かべ、
出会った時のことを思い出したりなんかしながら、
この単純作業をしている時間が、なかなかに楽しい。

大きな宣伝をうっていない私のオリーブオイルを買ってくれる人たちは、
もちろん、直接お会いしたことのない方もいるけれど、
ブログ上でコメントをやり取りしている人を含めれば、
そのほとんどが、知っている人である。
もう、「ありがたい」の一言に尽きる。

すべての発端は、長かったメルカートでの仕事である。
最初から「食」に特別な興味があったわけでもなかった。
やっているうちに、楽しくなっちゃった…という方が近い。
同僚には恵まれていたけれど、オーナーが凄くて、それは、多分、
メルカート内でも有名だった。
悪いヤツ…ではない。
悪いヤツではないけれど、とんでもない人だった。

私はそんなオーナーに、よく怒られた。
なんでもかんでも、要領よく立ち回る方ではないし、
どちらかと言えば、鈍臭い私。
意味のわかんないことで怒られるたびに、心の中では腹を立てた。

やりどころのない怒りや悲しみをどう変換しようか…
そんなことばかり考えたりしていた。

オーナーの面白くもない言葉に翻弄されながら、
入れ替わり立ち替わりやってくるお客さんを相手にしているうちに、
思ったことがあった。

よぉし、おやびん(オーナー)に嫌なことを言われても、
お客さんには、その倍以上に優しく接客しよう! 
と。

コンチクショウ!と思うたびに、
罪のないお客さんに八つ当たりではなく、
最高の笑顔で接客をすることに挑んだ。
そんな時のお客さんの「ありがとう。」が、最高に嬉しかった。

いつかは辞めたいなぁ…と思っていた仕事だったけど、
笑顔を振りまけば振りまくほど、
「また来ちゃいました〜」と、日本だけでなく、
世界各国からやってくるお客さんを相手に、
最後の方は、後ろ髪を引かれていたのも事実で、
辞めた後も、あ、あのお客さん、この時期にやってくるんだよね…と
今も時々、思い出す。

そんなお客さんたちが、
OLIVE DELLA YUKI として再出発した私のオリーブオイルを買ってくれている。

あの時、おやびんに言われたことに腹を立てて、
我慢したり、不機嫌にしていたら、
きっと、その頃のお客さんたちとの今の関係性は無かっただろうと思う。

我慢に代わるなにか。

それを、あの時得たことで、
今、与えられている大きなものがある。

私を支えてくれる人たち。

その人たちのために、
今日もせっせせっせと、オリーブオイルを送り続ける私が
ここに居る。


#我慢に代わる私の選択肢

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