ああ、この山中湖の上を飛ぶ鳥は きっとこの街の全てを知っている わずか上空100メートルを飛べば この巨大な水溜まりの全てを見渡すことができるのだから 深夜に軽トラッ…
小窓のすきまから吹く息が ゆらしたカーテンの足は 壁に立てかけたギターを弾いている 強い朝日に無力な首を振らない扇風機 町のいくつかのアラームがいっせいに作動し…
人にもしも蛍のような 眩しくて儚い光が発せられたら 渋谷のスクランブル交差点は 僕の目にどう映るのだろう その様相をどこかの高いビルから見下ろすことができれば 今よ…
コンビニへと伸びるくだり坂を、ぼくはおでんのはんぺんについて考えながら歩いていた。琥珀色の汁の上に浮かぶ、真っ白いはんぺんである。高校生のとき、文化祭準備の買…
人の心の中にはそれぞれ心力ゲージがある。それはまるでストーブの灯油残量ゲージのように、「満」から「E」まで目盛りがある。そして、生活の中でそのゲージはみるみる…
※8月下旬に書いたものなので時期に誤差あり 久しぶりに筆をとって(厳密にはキーボードを叩くわけだが)文を書いてみる。しおれた歯磨き粉のチューブから残りの歯磨き…
机に本を開いて置いて 片方の手はそれを支えて置いて あなたは本を読む もう片方の空いている手が てもちぶたさに深緑の栞をくるる 指の間でまわしている それはまる…
知らぬ街を走った そこには家と車と汚れた空気が 人は八方へ歩いてゆく 知らぬ川沿いを走った そこには悠々生い茂る草と 舗装された道のコントラスト 南風が吹く川沿いの…
僕の1日は高木正勝の『産声』という曲で始まる。毎朝6時に、机の上で充電されているiPadから流れるように設定しているのだ。この季節になると、起きる頃にはシャツが汗…
朝6時に目が覚めた。昨夜、スマホに入れていたのをすっかり忘れていた瞑想アプリを使って寝落ち瞑想に成功したので、目覚めが良かった。身体を起こしてベッドであぐらを…
はじめまして。現役大学生の鼻にんにくと申します。男です。現在フォロワー0人の状態でこのnoteを書いているため、単なる独り言のような感覚でいます。しかし、エッセイと…
鼻にんにく
2022年5月30日 10:49
ああ、この山中湖の上を飛ぶ鳥はきっとこの街の全てを知っているわずか上空100メートルを飛べばこの巨大な水溜まりの全てを見渡すことができるのだから深夜に軽トラックに跳ね飛ばされた鹿の親子や熊肉を食べて喉を詰まらせた老人カフェでコーヒーを飲んでいるカップルに殺された小蝿までその全てを知っているのだろうそうさそのままいつまでものんびり、ぼくの上を飛んでいるがいいそしてぼくがいつかこの
2022年5月15日 22:46
小窓のすきまから吹く息がゆらしたカーテンの足は壁に立てかけたギターを弾いている強い朝日に無力な首を振らない扇風機町のいくつかのアラームがいっせいに作動してそのうちひとつがあの三階建ての家から聞こえるしっぽの長い貨物列車は低い音の余韻を残してそうして蝉のまだ起きないこの時間に今日の産声があがる今日の名前をつけてもらいに今日も君に会いにいこうか 料
2022年5月15日 22:45
人にもしも蛍のような眩しくて儚い光が発せられたら渋谷のスクランブル交差点は僕の目にどう映るのだろうその様相をどこかの高いビルから見下ろすことができれば今より少しは都会を好きになれるかもしれない
2022年1月26日 18:18
コンビニへと伸びるくだり坂を、ぼくはおでんのはんぺんについて考えながら歩いていた。琥珀色の汁の上に浮かぶ、真っ白いはんぺんである。高校生のとき、文化祭準備の買い出しで駅前へ出かけた帰りに、コンビニで買ったおでんを公園のベンチに座って、よく友人たちと一緒に食べていた。とくにその時期が寒かったわけではない。制服もまだ夏服がゆるされていたし、木々にもまだ若い葉が残っていた。ただ、その公園には金木犀がう
2022年1月26日 17:57
人の心の中にはそれぞれ心力ゲージがある。それはまるでストーブの灯油残量ゲージのように、「満」から「E」まで目盛りがある。そして、生活の中でそのゲージはみるみるうちに減っていく。それが完全にゼロになってしまう前に、ぼくたちは給油をしなければならない。心への給油だ。誰にだってときにはそれが必要で、その方法は人それぞれ異なる。その日だけはスマホのタイマーを消してずっと寝たり、溜まっている録画をみたり、
2021年9月9日 20:38
※8月下旬に書いたものなので時期に誤差あり 久しぶりに筆をとって(厳密にはキーボードを叩くわけだが)文を書いてみる。しおれた歯磨き粉のチューブから残りの歯磨き粉を搾り取るように、疲労したこの頭でなんとか文を絞り出して書いてみようと思う。 8月も終盤にさしかかった。私の住む街の夏は、来たる秋に辟易するにはまだ飽き足らぬようで、むしろ暑さは増している。とは言っても、私のこの頃の生活行動といえ
2021年7月30日 14:32
机に本を開いて置いて片方の手はそれを支えて置いてあなたは本を読むもう片方の空いている手がてもちぶたさに深緑の栞をくるる指の間でまわしているそれはまるで職人が糸を織るように母がマフラーを編むように本から伸びる言葉のイトを1つ1つ織るようでいずれそれは言葉のマフラーとなりあなたのその冷えきる心を暖めるのだろう
2021年7月26日 18:05
知らぬ街を走ったそこには家と車と汚れた空気が人は八方へ歩いてゆく知らぬ川沿いを走ったそこには悠々生い茂る草と舗装された道のコントラスト南風が吹く川沿いの道を人は二方へ歩いてゆくリードを大きく伸ばして犬を散歩する強面の男肌を真っ赤に焼いた帰り支度をする釣り人橋の下から聞こえる楽器の音父の肩の上ではしゃぐ少女それを眺める僕とスケボー少年川には誰一人近づかずその流れる方
2021年7月18日 10:01
僕の1日は高木正勝の『産声』という曲で始まる。毎朝6時に、机の上で充電されているiPadから流れるように設定しているのだ。この季節になると、起きる頃にはシャツが汗でじっとりして、大きく空いた窓から吹き込む風でカーテンは揺れ、強い日差しがチラチラと部屋の中に差し込む。外では鳥の小さなさえずりと、電車が走る音、どこかの家から微かなアラームの音が鳴っていた。ベッドの足元で夜通し回っている扇風機は、もう
2021年7月16日 10:35
朝6時に目が覚めた。昨夜、スマホに入れていたのをすっかり忘れていた瞑想アプリを使って寝落ち瞑想に成功したので、目覚めが良かった。身体を起こしてベッドであぐらをかきながら嵐の曲を聴く。嵐とはもちろんあのスーパーアイドルの嵐のことだ。日付が変わるのと同時にこれまで未収録だったカップリング曲やライブ曲が一挙にストリーミング配信された。私は生来の嵐ファンなのでもちろん全部聞いたことのある曲だったが、フル
2021年6月26日 13:36
はじめまして。現役大学生の鼻にんにくと申します。男です。現在フォロワー0人の状態でこのnoteを書いているため、単なる独り言のような感覚でいます。しかし、エッセイとはそういうものだと心得て、肩の力を抜いて書こうと思います。私のただの独り言を、どこかの誰かが何気なく見てくれたら、それでいいです。眺めるだけでも構いません。自己紹介といっても、誰も私の趣味だとか、好きな食べ物が「茄子の生姜焼き」だと