7月16日

 朝6時に目が覚めた。昨夜、スマホに入れていたのをすっかり忘れていた瞑想アプリを使って寝落ち瞑想に成功したので、目覚めが良かった。身体を起こしてベッドであぐらをかきながら嵐の曲を聴く。嵐とはもちろんあのスーパーアイドルの嵐のことだ。日付が変わるのと同時にこれまで未収録だったカップリング曲やライブ曲が一挙にストリーミング配信された。私は生来の嵐ファンなのでもちろん全部聞いたことのある曲だったが、フルでしっかりと聴くことは久しぶりだった。比較的マイナーな曲をいくつか選んでスクリーンショットを撮り、SNSにあげた。嵐のことをまだ忘れていない、嵐の曲をまだずっと聴いている、マイナーな曲でもこんなに素晴らしい曲があるんだと、世間に知らせるためにアップロードした。最後に「僕らの日々」を再生して、嵐が毎日のようにテレビに出ていた日々を思い出しながら、部屋のカーテンを開けた。

 支度をして家を出る。空には薄黒い雲が少し低いところに浮かんでいた。駅へと憂鬱そうに歩いて行く人たちとすれ違いながら、私は反対方向のバーミヤンを目指して歩く。家から徒歩で10分ほどの距離にあるのですぐに着いた。バーミヤンじゃなくてジョナサンだった。いつも間違える。7時2分、開店時刻を少し過ぎて店内に入ると5、6人の作業服の男性たちがすでにドリンクバーに並んでいた。朝帰りだろうか。
 朝活をしにここへ来るのは初めてだったので、いつもと少し雰囲気の違う店内に心が少し躍る。端っこのテーブル席に座り、モーニングを頼んだ。500円ワンコインでトーストとフライドポテトと、コンセントとスープ・ドリンクバーが頼めるのだから、お得だ。しかも注文はタブレット端末で行うので、朝のパンパンの顔面を店員さんに晒す必要もない。

 少し後からいかにも常連そうな高齢の男性が3人ほど別々で入ってきて、そのうちの1人は私の方をチラ見してから少し不満そうに反対の端の席に座った。どうやら私が今座っている席がいつもの席らしかった。
 スープとアイスコーヒーを持って席に戻ると、すでにモーニングが置かれていた。スープの味はスープバーのわりにしっかり濃かった。

 食事を済ましてからiPadで外国のニュース記事を見た。英語の勉強を兼ねて毎朝チェックするようにしている。そのあとは、いつもどおり朝の勉強メニューをこなす。
 私はいつも勉強をしに外へ行く時には、休憩に読むために本を一冊持っていく。今日のお供は、寺山修司の『ポケットに名言を』である。集中力が切れるとペラペラとページをめくった。その中にこんな詩が収録されていた。

  地球が二つに割れればいい
  そして片方は洋行すればいい
  すれば私はもう片方に腰掛けて
  青空をばかり――
                                   中原中也「この小児」

地球がパカっと割れて、片方に腰掛ける彼を想像した。すごいなー。こんな想像ができて、こんな少ない文字でそれを表現できるなんて。


少し休憩をし過ぎてしまった。勉強に戻らねば。

良い1日を。


 

 

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