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七夕の夜空に【おすすめの詩】

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詩/風に吹かれて

詩/風に吹かれて

目の前に完璧な蒼穹を広げて
世界中の高原で花を咲かせて
両手を広げたら風を受けきれることが出来るだろうか
北極から遙か海原を越えてきた冷たい風は
眼前の咲き乱れる丘陵に思わず立ち竦んだんだ

花弁はいっせいに舞い散って

冷たい風は春風へと姿を変えた
蒼い空が一斉に色づく

詩「朝食の食べ忘れ」

詩「朝食の食べ忘れ」

幸せな
 さよなら世界はまわり始めた
記憶
 涙積する関係を極端にほぐしながら

幸せな
 鏡を見ていると思ったら
記憶
 君の顔でしかなかった

幸せな
 朝日に照らされて目をつむると
記憶
 夜と乳房

幸せな
 そのすべては
記憶 
 二で割り切れない尻尾を持つ

山頂で半年前に死んだ友人を思った
幸せな記憶のことを
誰も覚えていないのは
見える幸せに誰も興味がないから

幸せな
 記憶
 

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