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異文化理解

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中国で生活する中で異文化を感じた出来事や、わたしの心の中での異文化理解などについて書いた記事をまとめています。
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記事一覧

ブルネイの思い出

ブルネイの思い出

「平等」という言葉は色々な意味があって、
「平等って何?」という問いに答えられる自信はないが、
前回のnoteを書いた後、ふと思い出したことがある。

前回のnote ↓

かつて世界16か国に店舗を展開していた
国際流通グループヤオハン。
ヤオハンが倒産したとき、私はヤオハンブルネイにいた。

離着陸時にコーランが鳴り響くブルネイ航空に乗り、
ブルネイに降り立った日の晩、
私は社長邸宅の一室に

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セリンダの笑顔

セリンダの笑顔

ブルネイの思い出の続き。

従業員寮で同室になったフィリピン人のセリンダは
夫を国に置いてブルネイに出稼ぎに来ていて、
おなかに赤ちゃんがいた(たぶん臨月に近かった)。
夫と離れ、大きなおなかを抱えて異国で働くなんて
考えるだけで大変だろうと思ったが、
セリンダは明るかった。

来て早々、倒産の憂き目に遭い、
今後どうなるか分からないまま、
従業員寮に放り込まれた私にも、
セリンダはやさしかった

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ぎんなんのおすそ分け、迷惑そうな義父の本心は?

ぎんなんのおすそ分け、迷惑そうな義父の本心は?

先週拾ったぎんなんをきれいに洗って処理し、
ベランダの外で干したのを
1階に住む義父に持って降りたら、
義父、迷惑そうに、

「そんな臭いもの拾って。。。」

とブツブツ。思わず、

「いらないなら、別にいいです」

と言いそうになりましたが、
封筒に入れて1分チンしてお皿に出してあげると、
まんざらでもなさそうにパクパク食べて、

「ワシは本当はぎんなんが好きなんだよ。
 自分で拾わずに食べるだ

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中国と日本が喧嘩しないための3つの心がけ

中国と日本が喧嘩しないための3つの心がけ

昨日書いた記事のタイトル、

を眺めていて、ふと、
(中国人)と(日本人)の「人」を取って
国どうしの関係として考えてみても
同じなんじゃないかと気がついた。

「パパ(中国人)とママ(日本人)はなぜ喧嘩しないのか。」
という娘の問いに対するわたしの答えは、
「忍耐」と「感謝」だ。

「忍耐」というのは、
相手が失敗した時に怒ったり責めたりしないこと。
失敗するごとに怒っていたら、一日中大喧嘩なの

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パパ(中国人)とママ(日本人)はなぜ喧嘩しないの?

パパ(中国人)とママ(日本人)はなぜ喧嘩しないの?

週末、我が家は手抜きの羊肉火鍋。
羊肉のスライスやら適当な野菜やら麺やらを
長ネギや生姜を入れたお湯にしゃぶしゃぶするだけ。
鍋を囲みながら、娘、

「パパとママはなんで喧嘩しないの?
 お友達のパパとママは、ちょっとしたことですぐ大喧嘩するって」

という。小学校も高学年になると、
クラスメイト同士で自分たちの親の話をしたりするようだ。

「うちのパパとママは喧嘩なんてしたことないやん?」

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中国人、手土産をその場で開けるか開けないか

中国人、手土産をその場で開けるか開けないか

親戚の子が持ってきた大量の手土産に
文句言いまくりの義父にその理由を聞き、
一応納得して義父宅のドアを出たのだが、

ふともう一つの疑問が湧いてきた。

中国では、相手が持ってきた手土産を
その人の前で開けるということをあまりしないようだが、
わたしが親戚の持ってきたシャインマスカットを
食後に出したのは、もしかして良くなかったのか?

閉めたドアをもう一度開けて義父に聞いてみると、
それはまぁ、

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中国人、不要不要は本心にあらず

中国人、不要不要は本心にあらず

親戚(夫のいとこの子供)が手土産に山ほど持ってきた
フルーツや牛乳に文句言いまくりの義父。

親戚が帰った翌日、
思い切ってわたしの疑問を義父に聞いてみた。

日本では、訪問者が手土産などを持ってきた場合、
(たとえ気に入らなくても)ありがたくいただくのが一般的だが、
中国では、本人の前であそこまで強く不要だと伝えるものなのか。
(「こんな持ってきても腐るだけ」とか・・・!)

聞いた瞬間、義父や

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親戚の手土産に文句言いまくりの義父、その心は?

親戚の手土産に文句言いまくりの義父、その心は?

週末、1階の義父宅に下りてみると、
北京で就職したばかりの夫のいとこの子供が来ていた。
この子には小さい頃に何度か会ったことがあるが、
今回会うのは数年ぶり。
すっかり大人の女性になっていてびっくり。
そして床には、彼女が持ってきた手土産がどっさり置かれていた。

ブドウ(シャインマスカット)、モモ(大きなの6個)、
メロンにバナナ、それにパック牛乳1ダース。

中国人は伝統的に手土産として重くて

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車間距離と異文化理解

車間距離と異文化理解

週末、家族でカルフールに買い物に行った帰り。
夕方の車の多い時間帯、中国人の夫の車間距離が妙に短い。
ちょっと、気を付けてよ~~~、
と思っていたら、急ブレーキ。

ひやっ!

「だから、車間距離取ってって言ったじゃない!」

思わず苦情モードになるわたし。

「いや、前の車が急に車線変更して」

と、ボクは悪くないモードの夫。

「だから、前の車が急ブレーキ踏んだとしても止まれるよう、
 車間距

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息子の中学、いきなり登校開始

息子の中学、いきなり登校開始

7月末に北京で180日ぶりに新型コロナウイルス患者が出た影響で、
8月中旬に予定されていた5日間の登校日はすべて中止になった
という話を先週書きました ↓ 。

どうやら8月いっぱいは休みで、
コロナが収まれば9月から通常登校になるのかな、
と思いきや、8月24日の夕方ごろ、突然、
「あさってから登校」とのチャット連絡が。

あまりに突然の連絡に、まず湧いてきた感情は「怒り」。
続いて、「あきらめ

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異文化を心の中で消化する方法②-わたしの常識だけが正しいわけではない-

異文化を心の中で消化する方法②-わたしの常識だけが正しいわけではない-

国際結婚して中国に来て17年、
中国人の夫との行動や考え方の違いに驚いたことは
一度や二度じゃありません。

そんな時、わたしは心の中で
この受け入れがたい事態をどう消化するのか。

方法その①はこれ↓

方法その②は、

「私の持っている常識だけが絶対的に正しいわけではない」

と心の中でおまじないのように唱えることです(笑)。

世界は広い。

わたしにはわたしの常識があるのと同じく、
相手に

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異文化を心の中で消化する方法①-ジェネレーションギャップのせいにする-

異文化を心の中で消化する方法①-ジェネレーションギャップのせいにする-

昨日の記事で、
セミのぬけがらを見て騒ぐ子供を前に、
「セミは地面の下にいる時は、おいしいんだよ」
と言って聞かせる夫(中国人)にびっくりした話を書きました。

わたしの第一の反応は、
「えーーっ、そこで子供にそんなこと言う!?」
これはもう、自分の想像外の発想に出会った時に
まず驚かない人はいないでしょう。
聞かなかったことにしたいぐらいの気持ちです。

その後、少し冷静になって、
この想像外の

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セミのぬけがらと異文化理解

セミのぬけがらと異文化理解

夏休み、北京の外に遊びに行くことが難しいので、
週末、家族4人で、北京の端っこのほうにある
「樱桃谷」というところの川辺で遊びました。

少し遊んだところで、急に大粒の雨が降ってきました。
慌てて木陰で雨宿り。
ふと見ると、木の枝にセミのぬけがらが。

うちの子どもたち、セミのぬけがらを見たのはいつ以来か、
北京市内でもセミは鳴いていますが、
うちの近所の街路樹はとても背が高いのが多く、
網や手で

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