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循環畑体験×ソース原理(Source Principle)@伊賀

2022年8月18日は、私にとって忘れられない1日となりました。
私がこれまで人生を懸けて取り組んできていた、

●人の可能性と潜在能力を発揮できるチームのあり方・構造の探求
●3年前に継ぐこととなった実家と、米づくり
●自然の中に生きるいのちのはたらきと、人間の活動の共生と統合

この3つが集約され、私が主宰する体験プログラムとして実現された日となったためです。

この実現を可能にしてくれた、「じゅんかん(循環/JUNKAN)」をキーワードに集った仲間たちと、『Work with Source』邦訳出版イニシアティブ、家族や友人たちの協力、目に見えない多くの確かな繋がりとご縁、パートナーの支えに心から感謝をしたいです。

記事のタイトルとして『JUNKAN畑体験×Source Principle@伊賀』と銘打っておりますので、それがどのような内容になったのかも、以下、まとめていこうと思います。

循環畑体験×ソース原理(Source Principle)@伊賀の概要

結局のところ、具体的にどういった体験となったのでしょうか?

2022年8月。『Source Principle(ソース・プリンシプル / ソース原理)』について体系的にまとめた書籍『Work with Source』を紹介するため、その著者であるトム・ニクソン氏(以下、トム)が来日しました。

2022年10月には『Work with Source』の邦訳版である『すべては1人から始まる』の出版を控えている中で、それに先んじての来日でした。

そのトムが、パートナーのアグネスと共に、私の故郷でありフィールドでもある伊賀を訪れ、『Source Principle(ソース・プリンシプル / ソース原理)』に関する対話を重ねたほか、私の活動の源とも言える自然あふれる風景の中、畑づくりのフィールドワークを行うことができたのです。

地中の深い部分と浅い部分の土を掘って入れ替える天地返しの途中

自宅近くにある鎮守の杜にて、チェックインを行った後、畑に見えた多くの生き物たちの観察、自然のはたらきを活かす畑づくりのフィールドワークを実施しました。

その後、伊賀の地で採れた作物の料理に舌鼓を打ちつつ、『Source(ソース/源)』の継承に関するダイアログを仲間も交えて行うことができました。

観光、神社参拝、農家体験、住み開き、ワーケーション、リトリート…様々な要素が詰め込まれた、ホストする私にとっても贅沢すぎるような、充実した時間を過ごすことができたのです。

ここで結ばれた様々な要素は、一見してつながりが見えずバラバラになっているものです。

そもそも、『Source Principle(ソース・プリンシプル / ソース原理)』とは何か?

なぜ、畑なのか?

人や組織について探求する上で、どのようにそれらは繋がるのか?

そのような問いが浮かんでくる方もいらっしゃるかもしれません。

以下、私の学び直し、振り返りもかねて紐解いていきたいと思います。

ソース原理(Source Principle)とは?

Source Principle(ソース・プリンシプル / ソース原理)』とは、イギリス人経営コンサルタント、コーチであるピーター・カーニック氏(Peter Koenig)によって提唱された、人の創造性の源泉、創造性の源泉に伴う権威影響力創造的なコラボレーションに関する洞察を体系化した知見です。

日本においてのソース(source)の概念の広がりは、『ティール組織(Reinventing Otganizations)』著者のフレデリック・ラルー氏(Frederic Laloux)によって初めて組織、経営、リーダーシップの分野で紹介されたことが契機となっています。

フレデリックもまた、ピーターとの出会い、そしてピーターからの学びを通じて、書籍においては2016年出版のイラスト解説版『Reinventing Organizations』の注釈部分で記載している他、

『新しい組織におけるリーダーの役割』と題した動画内で、このSource Principle(ソース・プリンシプル / ソース原理)について言及しています。

Source Principle(ソース・プリンシプル / ソース原理)』を取り扱った書籍については、昨年2022年10月にトム・ニクソン(Tom Nixon)Work with Sourceの邦訳書籍『すべては1人から始まる―ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力』が出版されました。

そして、この邦訳出版の流れに伴い、トム・ニクソン氏(Tom Nixon)の来日イベントも邦訳出版前に実現されています。

日本での流れに先立ち、『Source Principle(ソース・プリンシプル / ソース原理)』が世界で初めて書籍化されたのは、2019年にステファン・メルケルバッハ(Stefan Merckelbach)A little red book about source』のフランス語版が出版された時でした。

その後、2020年に英訳出版され、

2021年3月にトム・ニクソンによってWork with Sourceが出版されました。

2022年10月に出版された、『Work with Source』邦訳書籍である『すべては1人から始まる』は、このような流れの中に位置づけることができます。

Source Principle(ソース・プリンシプル / ソース原理)』提唱者のピーター・カーニック氏(Peter Koenig)ご本人については、こちらのまとめもよろしければご覧ください。

ソース(Source)とは?

トム・ニクソン『Work with Source』を参照すると、ソース(Source)とは、あるアイデアを実現するために、最初の個人がリスクを取り、最初の無防備な一歩を踏み出したときに自然に生まれる役割を意味しています。

The role emerges naturally when the first individual takes the first vulnerable step to invest herself in the realisation of an idea.

Tom Nixon「Work with Source」p20

また、本書中の用語解説では、『脆弱なリスクを取って、ビジョンの実現に向けて自らを投資することで、率先して行動する個人のこと』と説明されています。

An individual who takes the initiative by taking a vulnerable risk to invest herself in the realisation of a vision.

Tom Nixon「Work with Source」p249

ステファン・メルケルバッハ氏(Stefan Merckelbach)の書籍においては、この役割を担うことになった人について、特に「ソース・パーソン(source person)」と呼んでいます。

A source is a person who has taken an initiative and through that has become the source of something: we can call this a "source person".

Stefan Merckelbach「A little red book about source」p17
Stefan Merckelbach「A little red book about source」
Tom Nixon「Work with Source」

トム、ステファンの両者に共通しているのは、ソース(Source)は特別な人だけがなれる役割ではなく、誰もがソース(Source)になりうる、というものです。

アイデアを実現するために一歩踏み出すことは、社会を変えるような大きなプロジェクトの立ち上げに限りません。

自身の研究課題を決めること、就職を思い立つこと、ランチを作ること、休暇の予定を立てること、パートナーシップを築いていくこと等、日常生活の様々な場で誰しもが何かのソース(Source)として生きていることを両者は強調しています。

This applies not only to the major initiatives that are our life’s work. Every day we start or join initiatives to meet our needs, big and small.[…]Whether it’s making a sandwich or transitioning to a zero-carbon economy, we start or join initiatives to realise ideas.

Tom Nixon「Work with Source」p30

We take initiatives all the time: deciding on a particular course of study, going after a certain job, starting up a business, planning a special dinner. I can initiate a friendship or partnership, change my housing situation, make holiday plans, decide to have a child. Or I might step forward to join a project sourced by someone else.

Stefan Merckelbach「A little red book about source」p17

トム・ニクソン氏(Tom Nixon)

『Work with Source』著者であるトムは、フレデリック・ラルーの『Reinventing Organizations(邦訳:ティール組織)』に共鳴している起業家・コーチであり、フレデリックとも対話を重ねてきた人物です。

トムはピーター・カーニック(Peter Koenig)氏の提唱した『Source Principle(ソース・プリンシプル / ソース原理)』というコンセプトを、トム自身の経営者としての実際的な視点も踏まえつつ体系的に書籍としてまとめ、『Work with Source』という名で2021年3月に出版しました。

現在、この『Work with Source』の翻訳が進んでおり、2022年10月に出版予定です。

人と組織、自然のはたらきを結ぶ「畑」

かねてより私は、人がいのちを繋ぐための営みとしての農と、自然環境における生き物たちのはたらきの相似と相異について、「JUNKAN(じゅんかん/循環)」仲間たちと探求・実践してきていました。

2019年に地元の田んぼを継ぐことになって以降、それまで培ってきた組織のはたらきを円滑にするための様々な技術知見が、どのように農業という領域で、あるいは地域という現場で活かされうるかを実践してきていたため、人と自然、組織というものは私にとって結びついた自然な考え方でもありました。

そして、田んぼを継いで以降も仲間たちと共に、「人の集団におけるダイナミクス」と、「自然における生物たちのダイナミクス」についてもその相似と相異を探求する中で、人間独自のルール設定や構造、階層の存在や、自然に学ぶことができる独自のはたらきや構造についての学びを深めてきました。

この仲間たちとの探求の中で、また、米づくりに勤しむ中で気づかされたのは、頭ではなく身体で感じること、体感を伴う経験の大事さでした。

みずたま村と名づけられた、人"も"棲む村に集った循環仲間たち

私たちが仲間内で「循環(じゅんかん/JUNKAN)」という言葉を使うとき、そこにはいのちある様々な生き物たちの大小様々な営みが、それぞれの与えられた場で、その生命を全うしようと自身の存在を世界に表現すること、

そしてその結果、水の分子や微生物から動植物に至るまで、無数のつながりが互いを生かしあい、そしてやがて土に還っていくという円環や生と死のプロセス、協力と共生といったイメージが表現され、共有されています。

この感覚に触れる中で、人も自然も参加し、共に作り上げるのに最も身近なフィールドが「畑」であり、親しみを込めて「循環畑」と呼んだりもしています。

なお、こういった「自然観」を以て人や組織に向き合うといったことは、例えば西洋の文化圏と日本では異なった考え方を持っているのかもしれません。

そういった背景もあったのか、また、まったく別のきっかけがあったのか、トムとパートナーのアグネスも日本での畑体験をいくつか体験してみることにし、今回、伊賀にも伊賀にも来てくれることになったようです。

(帰国後は、彼らも自分たちで畑を始めてみるつもりだと話してくれました)

ここからは、JUNKAN畑体験×Source Principle@伊賀での出来事を備忘録も兼ねて残していきたいと思います。

循環畑体験×ソース原理(Source Principle)@伊賀

伊賀へ到着。まずは一息……

当日の朝、京都を出発していた旅の一行は昼前に伊賀へと到着しました。

それ以前までも、トムやアグネスにとってはハードスケジュールだったため、まずはゆっくりしてもらおうということで、家の和室に入ってもらいます。

ハードスケジュールだった、というのも、『Work with Source』の邦訳出版も控え、『Source Principle(ソース・プリンシプル / ソース原理)』を日本に紹介するべくやってきたトムたちは、全国各地でいくつもの招聘イベントに参加していたのでした。

上記以外にも非公開のイベントも含めると、短期間に相当な量のイベント参加です。

縁側に座ってのんびりしてもらったり、

縁側に腰掛けているのは、トムと「実務でつかむ!ティール組織」著者の吉原史郎さん

仏壇にいるご先祖様たちに挨拶していただいたり、

旅の仲間にそれぞれ関係する本を眺めて他己紹介し合ってもらったり、

『Work with Source』の他、『実務でつかむ!ティール組織』、『ビジネスフレームワーク図鑑』『思考法図鑑』、『忍ジャーエール』などが机に並びました

まずは一息ついて、思い思いに過ごしていただきました。

鎮守の杜でチェックイン

続いては、すぐ近くの神社でチェックインです。

田んぼの真ん中に佇む鎮守の杜

この伊賀という土地に足を踏み入れてもらったということで、新たな気分でこの後の時間に臨んでもらえたらと思い、ご招待。

鎮守の杜には、その土地本来の植生が、古来から今に至るまで保存されています

森の木々に囲まれると空気がひんやりとし、風が吹き抜けるたびに木漏れ日が揺れ、葉の香りが漂ってきます。

チェックインの後は、思い思いに散策してみることにしました

それぞれが一言話した後、この神社に親しむためにそれぞれ思い思いに散策します。

落ち葉が溜められ、菌糸が張っている箇所が見られたり、遥拝所とされた石碑から「神武天皇」「明治天皇」に思いを馳せます。

(石碑にはそれぞれ「神武天皇」「明治天皇」などと刻印されており、鎮座する方角に向けて人が参拝することができます。)

神武天皇といえば、英国人に伝えるなら「The first Japanese emperor」というべき存在であり、2600年以上前の存在です。

日本人の精神性の中にある、遥かな時間軸の一端に触れてもらうことができたでしょうか。

チェックインが済んだ後、旅の一行は再び拠点に戻り、畑へと向かいました。

畑の散策と土中環境改善

現在、我が家の畑にはひまわりの他に、野生化したシソが生えているのみ。

好きなように耕すこともできるわけですが、まずはゆっくり散策します。

アグネスは道中、「あ、トンボ(dragonfly!)」「このクモ(spider)、大きい!」「このバッタ(grasshopper)、カマキリ(mantis)みたい」と、いろいろな虫たちを見つけては驚いたりしてくれていました。

野生化したシソの葉を食べる一同

シソを食べながら会話しているうちに、史郎さんが動きはじめました。

『おおもりちゃん、マイナスドライバー、ある?』

「ありますよ!」

以降、史郎さんによるマイナスドライバーでの土中改善が始まりました。

マイナスドライバーを土に差し込むトムと史郎さん

土の循環とは、空気と水、そして微生物が生み出す循環です。

土の循環が滞ると、水が溜まり、いつまでもジメジメとして水捌けも悪くなります。また、その土の生態系が乏しくなり、作物も育ちにくくなります。

そこに登場するのが、マイナスドライバーです。

マイナスドライバーを深く土へ差し込み、そこに落ち葉、小さな木の枝等を差し込むことで、水と空気の循環を良くします。

マイナスドライバーの穴に挿した落ち葉、木の枝が朽ちていくことで、そこには微生物が棲みやすい環境が作られ、その微生物たちが土中にネットワークを張り巡らせ、水や空気を伝達していく媒介にもなります。

もちろん、定期的に続けて穴を開けては有機物を詰めていくことで徐々に改善されていくプロセスなので、一度に一気にやるものでもありません。

トムとアグネスにも、実際に体験してもらうことができました🌱

「土中環境」に関する概要は、以下の記事でも取り上げています。

循環畑づくり:天地返しと種まき

土中環境改善に続いては、いよいよ畑づくりです。

朝から曇りがちだった天気は回復しつつあり、絶好の畑日和になろうとしていました。

自分としても、ぜひとも二人には畑を体験してもらいたかったのです。

まずは、スコップを取り出し、トムとアグネスにどこか掘りたい場所を探してもらいます。

ここからは、循環畑の実践者…吉原優子さんの出番です。

各々スコップを手にする中、まずは天地返しのための穴掘りから始まりました。

天地返しの手順を説明する優子さんと、耳を傾ける一同

天地返しとは、その土の浅い部分と深い部分を入れ替えるプロセスです。

15cmほど穴を掘り、その部分の土を一箇所に固めて掻き出しておきます。

続いて、さらに深く15cm、地下30cmあたりの位置まで再びスコップで掘り、土をまた別の場所に集めておきます。

穴の底には準備してあった有機物を入れていきます。米農家なので籾殻、米ぬか、さらに別で集めてあった落ち葉を穴の底へ。

その後、浅い部分の土を掘った穴へ返していき、最後に深い部分の土を返していきます。

こうして文字にするとシンプルなプロセスですが、掘っている本人たちは結構必死です(笑)

伊賀の土地に循環畑が作られつつあります

『優子さん、まだかな?』

『もうちょっと掘りましょう!(A little bit, more!)』

『Oh,OK.』

『レッツ♪エンジョ〜イ🌱』

どんどん天気が良くなり、太陽の日差しが照り付けてきます。

それでもどうにか、トムとアグネス含め一同は天地返しをやり終えました。

この天地返しもまた、有機物が分解されるプロセスで微生物が繁殖しやすくなること、また、土の状態を撹拌することで土中の微生物の動きを活性化させる狙いを以て行うプロセスです。

米ぬかを使うことで、有機物の発酵も促進されます。

以上の天地返しの他、土づくりのプロセスは以下の記事にも詳しいのでご参考までに。

畝の形を今回は丸く整え、この後は、いよいよ種まきです。

素手で種を持ち、常在菌と共に種を植えていきます
大根、ほうれん草など五種類ほどを一緒に播いていきます
播いた種を土に活着させるように押さえていきます
愛情もたっぷり注ぎ込まれた畝になりました!

種まきを終えた後は、畝が乾燥してしまわないように落ち葉や藁、野草の切れ端などを被せてこれにて完了です!

お疲れ様でした!

皆さんお疲れなので、休憩も兼ねてお昼ご飯の時間です。

米づくりのイニシアティブと、ソースの継承について

お昼ご飯は、伊賀の大森米のおにぎりも食べつつ、お腹が落ち着いてくると、じっくり語り合いの時間になりました。

そこで、改めて自分がソース(Source)だと自覚しているイニシアティブ(initiative)全般について……田んぼや米づくり、この伊賀のフィールドを活気溢れる場にしていこう、という取り組みの継承に関する対話をすることができました。

おもてなしの際、母が握ってくれました🍙

トム『ソースの継承を感じる瞬間はあったのかな?それは一瞬だったかもしれないけど、どんな瞬間だったんだろう?』

私『……それは多分、父の亡くなる直前に起こった気がするよ。病室を訪れて二人で話したときに。その時、僕は本当に躊躇いがちに「僕がやるわ」って父に伝えたんだ。そうしたら父は「やるの?大変やぞ?(笑)」って茶化すようだったんだけど、どこか嬉しそうで、それから僕もその瞬間に何か熱いものがこみ上げてくるような感覚があってね……。

その後の父との対話は、親子としても一人の人間同士の付き合いとしても、一番親密で、深いところで通じ合いながら過ごせた気がするよ。父が亡くなる2週間くらい前になると、お互いに人生で一番集中して、互いのことを気にかけたり、相手に何か大切なものを伝えようと向き合えていた気がする。その頃には、父が家や田んぼを大事にしているのはわかっていた。それを尊重しつつ今後の、方向性やありたいイメージもalignされた気がする』

トム『そうなんだね。ソースの継承において、最も深い部分、価値観(value)のレベルで継承が行われたように聞こえたよ。聞かせてくれてありがとう。』

このような話を、改めて自分の家で話していることにどこか不思議に感じている自分がいました。

この出来事は極めて個人的なものであり、それは果たして『ソースの継承』に当たるものなのだろうか?と感じることもありました。

ただ、間違いなくあのような対話はあったし、その結果として自分は3年目の稲刈りを控え、そして今回のJUNKAN畑×Source Principleのような機会に恵まれました。

そして、継いだ当初に実現したいと思っていた、自分の原風景の中に豊かなコミュニティを築き、その繋がりがゆっくり輪を描いて広がっていく……というようなビジョンは、ある種、今回の旅で実現されることとなりました。

今後も、トムや循環仲間に限らず、大切なひとや今後の人生も共にワクワクしていきたい人たちにここを訪れてもらい、楽しい時間をつくっていきたい。

そういったことが再確認できたように思います。ありがたい限りです。

母による折り紙手裏剣づくり教室の開催!?

ソースに関する対話の時間は、母が食後のデザートとしてみかんや梨を以てきてくれたことで一区切りとなりました。

そして、ある程度寛いだ後は、箸置きに使っていた折り紙の手裏剣に皆の注目が移るようになりました。

思えば、折り紙もまた日本独自の文化です。

母も思いついたのか、旅の一行に折り紙作りの教室が始まりました。

食後の休憩も兼ねて、折り紙教室が始まりました

実は忍者屋敷観光も選択肢に入れていましたが、あまり移動が増えても慌ただしいし、情緒も味わえないことでしょう。

結果オーライとして、ゆっくりのんびり皆さんにしていただくことを優先しました。

伊賀体験、終了!次の目的地へ

あれよあれよと時間は過ぎ、あっという間に旅の一行が次の目的地へと向かう時間がやってきました。

こうしてまとめを書いていると、当日の感覚が蘇ってきます。そうすると、改めて今でもあの時間があまりにも豊かで現実味がなく、信じられないような気持ちになります(笑)

自分の人生において、大事にしてきたもの、探求してきたテーマ、人生のトランジションを経て新たに手に入れたもの、なくしたと思っていてもちゃんと手元に残っていたもの、仲間たちとの新たな関係性、自分の故郷や畑・田んぼ・家のポテンシャル……

あらゆるものが自分の五感を刺激し、意識を駆け巡り、とにかく「あぁ、よかった!いい時間だった!」と声に出したくなるような、そんな時間でした。

エネルギーがほとばしるままに、まとめようとしてまとまらない部分も多分にありますが、当日の出来事を鮮烈なまま、ここに書き残せたことを嬉しく思います。

今回の旅は、循環仲間たちの協力と後押しによって実現することができました。

また、旅の企画以外の場では、事前に行っていた家族、特にパートナーと母との対話にも助けられました。

何より、いろいろあった三年余りの後、こうして無事に健康体で生きていられることは義実家、親戚の皆さん、地域の皆さん、遠くから近くから見守ってくれている友人や恩人のおかげです。

本当にありがとうございます。

この感動や感謝を抱えつつ、米づくりから発展しつつある伊賀の旅や畑体験・田んぼ体験のアテンド、また、社会の再発明(reinventing Society)に繋がる種々の活動に邁進していこうと思います。

3年目の収穫を控えた田んぼの前で🌾

ソース原理の関係者一覧(抜粋)

※以下は、2023年5月現在の情報を反映したものです。

2022年10月の『すべては1人から始まる』出版をきっかけに、ソース原理(Source Principle)の海外の実践者と日本の実践者が交流する機会が増えました。

2023年5月現在でも、『すべては1人から始まる』著者であるトム・ニクソン、ソース原理(Source Principle)提唱者ピーター・カーニック氏の2名以外にもさまざまな実践者との企画が実施され、また、日本語による情報発信が行われてきました。

そこで一度、2023年5月現在で確認できる、ソース原理(Source Principle)の関係者を以下に簡単に整理したいと思います。

ピーター・カーニック氏(Peter Koenig)

ピーター・カーニック氏は、先述の通りソース原理(Source Principle)の提唱者です。

人が無意識にお金に投影している意識の研究と、お金に投影している意識を自らに取り戻す方法・システムである『マネーワーク(moneywork)』を開発され、そのプロセスの中でソース原理(Source Principle)ソースワーク(source work)が生まれました。

今年2023年4月には、お金に関する研究をまとめた著書『30 Lies About Money』のプレ出版企画(4/54/7〜9)が開催され、その際に初来日となりました。

プログラムは数日にわたって開催されましたが、その一部をまとめておりますので、よろしければ参考までにご覧ください。

また、ピーターには何人ものサブソースが存在します。

ソース原理(Source Principle)においては、ソース(Source)が活動を始めると、サブソース(sub source)またはスペシフィック・ソース(specific source)という役割を担う人が現れます。

サブソース(sub source)またはスペシフィック・ソース(specific source)とは、あるソースのビジョンや価値観に共鳴し、あるソース(source)の活動の特定の部分において、ソースへの深いリスペクトをしつつ、創造的に取り組むようになったパートナーと言える存在です。

サブソース(sub source)またはスペシフィック・ソース(specific source)は、グローバルソースによる指名、もしくは立候補のどちらでも生まれうるものであり、その質感は伝播(Transmitting)するもの、という説明も青野さんからありました。

以下に紹介する4人は、ピーターのイニシアチブにおいてサブソースとして活動を共にしているパートナーたちです。

トム・ニクソン氏(Tom Nixon)

トム・ニクソン氏は、『すべては1人から始まる(原題:Work with Source)』の著者です。

2022年10月の邦訳出版に先立って8月に来日し、プレ出版企画として日本を縦断していました。(8/8〜108/118/178/188/22〜25

また、来日後は次世代型組織の実践に関する国際カンファレンス・ネットワークである『Teal Around The World2023』にて登壇した他、

Forbes Japanの2023年5月号にて、令三社代表の山田裕嗣さんとのソース原理に関する対談が掲載されています。

アレクサンダー・インチボルト氏(Alexander Inchbald)

アレクサンダー・インチボルト氏は、ソース原理(Source Principle)を自身の活動の中に取り入れながら活動しているエクストリーム・アーティストであり、創造と革新を専門としたリーダーシップコーチである人物です。

アレクサンダーもまた、ピーターの人生の目的である活動Create love in business等においては彼のサブソース(sub source/specific source)として活動する傍ら、アレクサンダー自身が立ち上げたイニシアティブである #Masterpieceにおいては、ピーターが逆に彼のサブソースとなる形で共同し、コラボレーションしています。

2020年以降、アレクサンダーはオンラインまたはリアルで日本と縁を持つようになり、一度は富士山の絵を描いたこともあるとのことです。

今年2023年3月には、彼の提唱する #Masterpiece について学ぶ招聘企画が青野英明さん主催で実施されました。

さらに、2023年6月には日本人の実践者を対象にギリシャでJ.Creationというプログラムが開催予定です。

このプログラムには、ピーター・カーニック氏だけではなく、日本からも吉原史郎さん嘉村賢州さん(オンライン)が、コーチとして参加予定とのことです。

ステファン・メルケルバッハ氏(Stefan Merckelbach)

ステファン・メルケルバッハ氏は、先述した『A little red book about source』の著者です。

本書の著者であるステファンは、スイスに拠点を置くオルディナータ社(Ordinata)を起業したソースであり、「哲学する経営者(philosopher-manager)」です。

オランダに生まれ、スイスのフリブールで育ったステファンは、2001年にオルディナータ社(Ordinata)を起業し、2013年に初めてソース原理(Source Principle)の生みの親であるピーター・カーニック(Peter Koenig)に出会ったといいます。

"The Source Person" training dayと題されたその日のトレーニングでの出会いをきっかけに、自社の提供する企業を対象としたトレーニングやプログラムにおいてソースの概念は欠かせないものになったと、ステファンは述べています。

現在、ステファンはオルディナータ社(Ordinata)において、ソシオクラシー(Sociocracy)をルーツに持つ組織運営体系参加型ダイナミックス(participatory dynamics)』の提供を行うとともにソース原理(Source Principle)の紹介・研究を有志の国際ネットワークであるwww.workwithsource.comで行なっています。

ナジェシュダ・タランチェフスキ氏(Nadjeschda Taranczewski)

2001年に心理学修士号を取得したナジェシュダ・タランチェフスキ氏:Nadjeschda Taranczewski(ナジャ:Nadja)は、『Conscious You: Become The Hero of Your Own Story』の著者であり、

『Conscious U』のCEOでもあります。

『Conscious U』は、組織を『Conscious Tribe』…すなわち、人々がインナーワークに投資し、全体像を理解し、深いつながりを生き、意識に注意を払う習慣を培う豊かなコミュニティとして改革しようとするCEOとそのチームを支援することに取り組んでいます。

ナジャは、『Source Principle(ソース・プリンシプル / ソース原理)』の国際ネットワークであるworkwithsource.comや、ステファン・メルケルバッハ氏(Stefan Merckelbach)の著書においては、2014年に初めて論文形式でピーターのソース(source)の概念を紹介した人物として紹介されています。(論文はこちら。Whose Idea Was it Anyway? The Role of Source in Organizations

The very first article on source principles is by Nadjeschda Taranczewski in January 2014: Role of Source in Organizations": The Mobius Strip Magazine (Winter 2014): 55-57. In October 2015 she published an updated version, "Who's Idea Was it Anyway? The Role of Source in Organizations": medium.com/@AhoiNadjeschda/who-s-idea-was-it-any-way-therole-of-source-in-organizations-843b407e2879.

Stefan Merckelbach「A little red book about source」p153

加えて、ナジャとピーターによるお金に関する対話の動画がYouTube上でも公開されており、

・『moneywork(マネーワーク)』とは何か?
・なぜ私たちは人生で本当にやりたいことをやらないのか?
・お金に投影する3つのタイプとは?
・どのようにすれば、投影したものを取り戻すことができるのか?

CU*money: A conversation with Peter Koenig about money

といったテーマが扱われています。

また、国内向けのプログラムでは青野英明さんをガイド、ナジャ(ナーディア)をサポーターという形でマネーワーク(moneywork)のプログラムが開催されてきました。

参考リンク

変革はたった「ひとり」から始まる――「ソース原理」が後継者不足に悩む日本にもたらすものとは?

マネー現代に掲載された『Source Principle(ソース・プリンシプル / ソース原理)』に関する記事です。

英治出版:すべては1人から始まる-ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力

『すべては1人から始まる』の出版社である英治出版のページです。アクティブ・ブック・ダイアローグ®︎(ABD)という読書会用のゲラ提供リンクも掲載されています。

ソースプリンシプル(ソース原理)まとめページ【決定版】

JUNKANグローバル探究コミュニティ・吉原史郎さんによるトム・ニクソン、ピーター・カーニック両氏へのインタビューを行った内容を記事化したまとめページです。

ソース原理基礎講座~ビジョン作成編〜

6/14 (水)開催予定の、青野英明さんによるソース原理基礎講座のビジョン作成編です。『すべては1人から始まる』でも紹介されていたチャールズ・デイビス氏(Charles Davies)のVery Clear Ideaを扱う予定とのことです。


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