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芸術一般

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芸術について、なんでも書きます。はじめはヨーロッパ絵画をかなり題材にしていましたが、現在は映画評論・芸術論・文学論などが多くなっています。
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#写真

<閑話休題・芸術一般>写真のような絵と写真

<閑話休題・芸術一般>写真のような絵と写真

 写真のような絵と写真とは、いったいどこがどう違うのだろうか?

 普通に考えれば、同じようにしか「見えない」。そして、昔よく聞いた言葉として、「写真がすでにあるのだから、絵の役割は写真になることではない。むしろ、写真とは違うものを表現すべきだ」ということがあった。そのため、マティスやピカソのような、あるいは印象派のような、対象そのものではなく、対象から受けた「印象」や自分の中に沸き起こった感情を

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<芸術一般>マンレイと写真について(『ユリイカ』1982年9月号「マンレイ特集」から)

<芸術一般>マンレイと写真について(『ユリイカ』1982年9月号「マンレイ特集」から)

 1982年の雑誌『ユリイカ』はマンレイの特集をしたが、文芸誌では日本で初めてマンレイを特集したと説明されている。私は、シュールレアリスムに関心があったので、たまたまこの時に『ユリイカ』を買い求めたが、当時の日本でマンレイとは、シュールレアリスムの本流から外れた(主に肖像)写真家というイメージが強かったように思う。

 一方、私のマンレイの写真で当時知っていたのは、この有名な「バイオリンダングル」

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<書評・芸術一般>『Sincerely Yours (ごきげんよう、親愛なる・・・)』

<書評・芸術一般>『Sincerely Yours (ごきげんよう、親愛なる・・・)』

 M. Wesley Maransという銀行家の、各国著名人のサインのコレクションを集めたもの。 出版は、A New York Graphic Society Book, little, Brown and Company, Boston, Massachusetts, U.S.A.

 歴史上有名な友人・知人などから自分へ宛てたサイン(及ぼメッセージ)付き写真を集めたもの(ちなみに、書名は手紙の

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<書評>『白と黒の断想』

<書評>『白と黒の断想』

瀧口修造著 2011年 幻戯書房

 日本のシュールレリストの第一人者である瀧口修造が、評論家として、20世紀に活躍した写真家を中心に、ピカソやダリなどの著名な芸術作品も含めて、個々の作品とその短評(解説)をまとめたもの。そして、ところどころに瀧口が作った、それぞれの作家をモチーフにした、シュールレアリスムのイメージあふれる詩編が散りばめられている。

 書名となった「白と黒」とは、全ての写真や美

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<書評>『ロバート・キャパ写真集』

<書評>『ロバート・キャパ写真集』

2017年 ICPロバート・キャパ・アーカイブ編 岩波文庫

 世界で歴史上初めて有名になった、報道写真家・戦争写真家ロバート・キャパ、本名エンドレ・フリードマンという、ユダヤ系ハンガリー人で後にアメリカ市民権を得た「キャパ」の写真集である。

 そこには、スペイン内戦、日中戦争、第二次世界大戦、戦後のヨーロッパやソ連の風景、イスラエル独立(第一次中東戦争)、ヘミングウェイ等の友人たち、戦後の日本

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<芸術一般>マイフェイバリットフォトから

<芸術一般>マイフェイバリットフォトから



「写真の神様」アンリ・カルティエ・ブレッソンに、似たような作品があったと思う。

 2017年アラブ首長国連邦アブダビの、グランドモスク(掲題画像も同じ)にて。

<芸術> キャパとピカソ

<芸術> キャパとピカソ

(まだnoteを始めたばかりなので、自己紹介代わりとして、様々な項目のエッセイあるいは日記をご紹介したいと思います。このエッセイには、画像があるとより分かりやすいと思いますが、著作権の関係もあり、省略しています。もし画像を見られたいのであれば、それぞれの作品名で検索すれば、容易に見られます。なお、初出時より修文し、また言葉使いを丁寧にしています。)

恐らく人類史上最初の戦場カメラマンで、スター的

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