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詩集『よすけ』

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書いた詩をまとめています。見たもの、思ったこと、聞いたこと、そういうものを拙い言葉で綴る。
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2022年12月の記事一覧

〈自由詩〉行列の一番前

〈自由詩〉行列の一番前

書きたいシーン
書きたい風景
書きたい人
書きたい心の動き

行きたい場所
見たい景色
食べたいもの
知りたいこと

いつまでもやまない
どうしても消えない

時間がたりない
待ってくれない

なにも手につかない

〈自由詩〉さいごのひ

〈自由詩〉さいごのひ

 きみと笑ったさいごの日。
 かじかんだ手をかさねた日。
 ふたつの息が混ざった日。
 互いの肌をあわせた日。

 小さなことがたのしい日。
 同じ思い出を分けあう日。
 一緒がいいねと交わした日。
 幸せとぽつりこぼした日。

 言いたいことが言えない日。
 本気になったけんかの日。
 仲なおりしたなみだの日。
 本音をぶつけたなみだの日。

 ただくり返すふつうの日。
 ささいな時間がだいじな

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〈自由詩〉わたしをすくう

〈自由詩〉わたしをすくう

自分を救えるのは自分だけ。
人に救われるのなんてよっぽどだよ。

温かさに触れて。
冷えた心をなでて。
その傷口は背を向けて蓋をする。

叫んだ。
もがいた。
訴える。
主張する。

誰かに向けて紡いだ言葉が、
今の自分に確かに響く。

助けを求めたあの日の言葉が、
今の自分とわかりあう。

誰のため、人のため。
きみのため。いや、誰でもいい。

わかってほしい。
代わりにわかってあげたい。
やっ

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〈自由詩〉天国と地獄

 いつもみたいに
 寝て起きただけなのに

 世界が真逆にひっくり返る

 ふわふわ浮いていた夜が
 朝にはずしんと落ちるのです

 気のいい仲間と話したことも
 乗った電車も歩いた道も
 夢と区別がつかないのです

 いつもより遠慮がなくなるせいで
 何をしたかもあいまいなのに
 勝手に申し訳なくなるのです

 鳴り響く頭と気分の悪さが
 昨日の迂闊さを物語るのです

 一つ自分を救うものは
 

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〈自由詩〉答えあわせ

〈自由詩〉答えあわせ

 答えがないこと、
 それが答えなんだって。

 分かってはいるけど、
 ちゃんと見つけたいんだよ。

 このもやもやする気持ちを、
 ざわざわする心を、
 うんうん唸るこの頭を、

 なんとかしてやりたいだけなんだ。

 変わり続けることが大事。
 変わらないでいることも大事。

 雲みたいに。

 形を変えて、
 表情も変えて、
 気分も変えながら、

 雲みたいに、ゆらゆらと、ゆらゆらと。

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〈自由詩〉ここにいて

〈自由詩〉ここにいて

 今が永遠に続けばいい。

 楽しくて。
 幸せで。
 満たされて。
 愛しくて。

 安らぐ。
 ほっとする。
 温まる。

 この瞬間が。
 この時間が。

 明日も来ればいい。
 繰り返されればいい。

 陽は沈む。
 また昇る。
 時間は過ぎていく。

 いつか終わりが訪れる。

 どうせ終わるなら。
 一緒に終わりにしたい。

 隣にいたい。
 触れていたい。
 感じていたい。

 これ

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〈自由詩〉ここにいる

〈自由詩〉ここにいる

眠れない。

気になっちゃって眠れない。
考えちゃって眠れない。
頭がまわっちゃって眠れない。

布団のかかり方が気に入らなくて眠れない。
体がかゆい気がして眠れない。
足が暑くなって眠れない。

眠いのに眠れない。
睡魔とは反対に目だけが冴える。

すぐにでも寝たいのに。
疲れているのに。

いろいろなことがありすぎる。
毎日が早すぎる。

休める場所を見つけたい。
心を綺麗に洗いたい。
この気

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