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ユウカイトウの観劇+αレポート

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#劇評

【観劇レポート】ダンスカンパニーデペイズマン『#FAFAFA-Faust』(2022年6月26日観劇)

【観劇レポート】ダンスカンパニーデペイズマン『#FAFAFA-Faust』(2022年6月26日観劇)

※2022年に観たダンスカンパニーデペイズマン『#FAFAFA-Faust』の再演を願って、2024年8月の頭に書いた文章です。あるところに提出するために書いたので、noteに投稿するにあたり少し修正した部分があります。

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ゲーテの『ファウスト』の舞台化ということで、ファウストフリークとしては見逃してはいけないという思いで、2022年にこまばアゴラ劇場での上演を観

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【観劇レポート】『ザ・空気 ver.3 そして彼は去った・・・』(オンライン視聴)

【観劇レポート】『ザ・空気 ver.3 そして彼は去った・・・』(オンライン視聴)

※1000字で劇評チャレンジ※

視聴はこちら↓

本作は、報道番組の裏側を舞台に繰り広げられる、報道の自由を巡る物語である。

「報道9」という番組にゲストとして招かれた政治ジャーナリストの横松(佐藤B作)は、体温が37.4℃だったためコロナ対策で別室に隔離される。しかし、そこはかつて旧知の仲でもある桜木が自死した部屋だったと知り、横松の様子が変わっていく。

番組の打合せでは、新政権に対するコ

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2021/08/04 19:00 劇団普通『病室』@星のホール(+雑記:嗾けられたこと。決断力なんか無い私。)

2021/08/04 19:00 劇団普通『病室』@星のホール(+雑記:嗾けられたこと。決断力なんか無い私。)

ものすごく、ものすごく前になってしまったのだけれど、一応記録として残しておきます。

劇団普通『病室』を観ました。なぜこれを観ようかと思ったかと言うと、Twitterで評判の良いツイートをたくさん見たからです。

やっぱり良いと言われているものは観たくなる。評判が良いことと自分の好みに沿うか、専門家からの評価が高いかは全部別物だけど。

ともあれ、そんな理由で観に行ったので、あらすじや出演者、劇団

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【観劇レポート】亜細亜の骨『また今度!』

【観劇レポート】亜細亜の骨『また今度!』

亜細亜の骨・台湾翻訳劇『また今度!』劇場での上演を無観客で配信する今回の公演。

私は2021/03/30 19:30の回(初回)を観劇しました。

まずはあらすじと概要から。

〈台湾の奇才が放つ荒唐無稽の珍奇劇 男女7人台北ストーリー〉
舞台は台湾。思い出の食堂を訪れる高校教師のチュンユエン。
彼はロマンティックな計画のために友人たちを呼び出していた。ひとりふたりとやってくる訳アリの友人たちと

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2017/08/18『チック』(初演)@シアタートラム【400字演劇レビュー】

2017/08/18『チック』(初演)@シアタートラム【400字演劇レビュー】

こんにちは、演劇ソムリエのいとうゆうかです。

2017年、私が大学2年のとき、「現代日本における公共劇場の役割」というテーマで観劇をしていました。

というのも、大学で観劇助成金をもらうため。観劇助成金をもらえる対象者に選ばれたら、1本400字程度のレポートを提出する必要があった。

その一連の観劇レポートのひとつに、2017年8月18日にシアタートラムで上演された、『チック』という作品で書いた

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2017/10/22 プルカレーテ演出『リチャード三世』@東京芸術劇場

2017/10/22 プルカレーテ演出『リチャード三世』@東京芸術劇場

こんにちは、演劇ソムリエのいとうゆうかです。

日本時間2020年6月18日2時・14時、オンライン開催となったシビウ国際演劇祭2020にて素晴らしいものが配信されました。

そう、2017年に東京芸術劇場で上演された、シルヴィウ・プルカレーテ演出・佐々木蔵之介主演の『リチャード三世』という傑作です。

以前、400字にまとめた簡易的なレポートは投稿しましたが、今回はこの作品のハイライト的な要素を

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【劇評】松竹新喜劇 特別公演『お祭り提灯』 【演劇ソムリエ】

【劇評】松竹新喜劇 特別公演『お祭り提灯』 【演劇ソムリエ】

https://youtu.be/mrlb3WKW-bY

↑公演映像はここから!YouTubeに飛びます。

平成25年11月大阪松竹座にて上演された、松竹新喜劇 劇団創立65周年記念 特別公演「お祭り提灯」の公演映像が、2020年5月6日(水)23:00までの期間限定で無料配信されています。ちなみに無料配信期間が終わっても、松竹新喜劇の作品は衛星劇場オンデマンドで楽しめるようです!

出演者は

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悪い芝居『野性の恋』(2019)は2回以上観るしかないと断言できる

悪い芝居『野性の恋』(2019)は2回以上観るしかないと断言できる

※YouTubeに投稿した音声の書き起こし+αです。「聴く」より「読む」が好きなあなたに。

私が「悪い芝居」の作品を観たのは、2019年9月に東京芸術劇場シアターウエストで上演された『アイスとけるとヤバい』の再演が初めて。フライヤーデザインがすごく可愛くて、これはセンス良いものが観られるに違いない!と思ってチケット取ったら大当たり。観賞後、面白すぎてショック受けたような気持ちで芸劇を後にしたこと

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どうしようもない悲しみの中でも生ける人:劇団桟敷童子『泳ぐ機関車』(2015年)

どうしようもない悲しみの中でも生ける人:劇団桟敷童子『泳ぐ機関車』(2015年)

2017年8月7日放送、NHKプレミアムステージの後半で放送された、劇団桟敷童子公演『泳ぐ機関車』を観ました。これも録画したきり観てなくてやっと観たやつ。我が家のHDDは本でいうところの積読みたいになってる。

演劇を演劇たらしめるのはライブであるということだし、前回のnoteでも私は舞台映像じゃ満足できなくなってしまった旨を書きました。ただし、外出自粛要請が出されているような今のご時勢、家で動画

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人生は悲喜劇、いつまでも愚かな人間を愛したい:熊林弘高 演出『かもめ』(2016年)

人生は悲喜劇、いつまでも愚かな人間を愛したい:熊林弘高 演出『かもめ』(2016年)

2016年11月『かもめ』@東京芸術劇場 プレイハウス(演出:熊林弘高)

なぜ今更この作品について書くのかと言うと、単に2017年3月4日(土)放送の「Eテレシアター」を録画してそのまま3年間も観ずに放置していて、最近やっと観られた(観る気になった)からです。

上京してからは録画じゃなく実際に劇場に赴くことが増えたので、久しぶりに編集された舞台映像を観ると少し疲れてしまうようになっていたことに

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2020/03/11 ゆうめい「ゆうめいの座標軸」『弟兄』

2020/03/11 ゆうめい「ゆうめいの座標軸」『弟兄』

「いじめ」という言葉はきらいです。

その現状に対して、あまりにも軽い言葉に思えるから。じゃあどんな言葉が適切なのかと問われると答えに詰まるので、いつも仕方なくこの言葉を使ってしまう。今回も。

『弟兄』は、クリエーション集団「ゆうめい」の作・演出を務める池田亮さんの実話を基にした舞台作品。

感想を書く前に、「ゆうめい」について少し触れておきます。以下は公式サイトの「『ゆうめい』について」からの

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【観劇レポート】2020/02/11 鮭スペアレ『リヤ王』

【観劇レポート】2020/02/11 鮭スペアレ『リヤ王』

鮭スペアレの方々とは、昨年12月の八王子学生演劇祭に出演者として参加したときに知り合った。演出の中込遊里さんと、アドバイザー的立ち位置だった清水いつ鹿さんと葵さん。お三方とも作品創りにおいて頼りになって、休憩時間のお喋りでも楽しく素敵なお姉さんたちだった。

そして八王子学生演劇祭では私と同じく出演者として参加していた若尾颯太くん。常に進もうとする努力家で、年下ながらとても尊敬できる人。

本当は

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