悪い芝居『野性の恋』(2019)は2回以上観るしかないと断言できる
※YouTubeに投稿した音声の書き起こし+αです。「聴く」より「読む」が好きなあなたに。
私が「悪い芝居」の作品を観たのは、2019年9月に東京芸術劇場シアターウエストで上演された『アイスとけるとヤバい』の再演が初めて。フライヤーデザインがすごく可愛くて、これはセンス良いものが観られるに違いない!と思ってチケット取ったら大当たり。観賞後、面白すぎてショック受けたような気持ちで芸劇を後にしたことを覚えています。そのときから、悪い芝居をチェックし始めました。
今回ご紹介するのは、2019年5月~6月に上演された『野性の恋』という作品。
※野性=本能のままの性質。コトバンクより。
以下、公式サイトから引用したコピーです。
今すれ違った知らない誰かと同じ。
今⽇のあなたにはもう会えない。
瞬間的好奇⼼に従う野性の恋⼈たちによる、パンチドランクラブストーリー。
恋の感傷に浸って、そのかけがえのなさを肯定したい私みたいな女にはうってつけの言葉たち…。
そうなんです、悪い芝居は言葉のセンスが研ぎ澄まされているんです。ぽつりと語る台詞に文学的な香りが満ちている。なのにあからさまにはそう見せずに、現実的な演技とテンポの良い掛け合いの狭間にピリッと効いた言葉を落としていく。ドキリとせずにはいられません。
今ならなんとこの作品が、無料で!YouTubeで手軽に観られるんです!!
ただし2020年4月15日までの期間限定です。まだの人はこちらへ急いで~!!
観る前に予習をしたい人と、この記事を読むことによって感想を照らし合わせたいという方のために、どんな物語だと私が切り取ったかというと、
「ボーイミーツガールというには大人になり過ぎた男女の物語」
です。
今回は誰でも観られる環境にあるので、いつもの劇評とは違ってネタバレ。本当に観てほしいから。
恋のエネルギーってどうしようもなくて、諦めたつもりでも忘れられない恋が大人になってしまったからこそ切なかったり。
若さが問答無用にもたらす甘酸っぱさは生ぬるさと同義かもしれないけど、そうじゃなくてもっと世界に傷ついた大人たちの恋愛はちくちくとしていて愛おしい。
あと、音楽のセンスにも思わず唸ってしまいます。キャストが言葉を乗せて歌う歌も、ここぞというときに劇世界に引き込んでくれるBGMも。
他の演目もそうだけど、悪い芝居の作品は音楽がかなり大きい役割を担っています。こうやって音楽が観客を引っ張ってくれるエンタメ性と文学的な台詞との両面で楽しめるのは、悪い芝居の特長ですね。
そんなこの作品。
全体を通して、そして浅いなりに自分の人生と照らし合わせて、何度も擦れ違い、ぶつかり合い、見つめ合い、前向きに諦めながら、ともに歩き出すのが恋愛かも。と思いました。どんな風に受け取るかは観る人によって全く異なってくると思うので、良ければあなたの受け取り方を教えてほしい。
また、繰り返して観ると意味がわかるところがあって、何回も観たくなる作品です。それが手軽にできるのは映像の良さかも。
特に、1回目に観た時はスルーしてしまったんですが、2回目に観てラストの意味が分かって危うく泣くところでした。
何度も言いますが、こうやって何度も観て新しい発見をすることができる機会はなかなかありませんが、今なら可能なんです!!
こちらから観られるので絶対観ましょうね!!
なんかこんなにおすすめしてるとPRみたいですけど、誰にも頼まれてないですからね…!ただみなさんに、かの名言を思い出していただきたい。
「いつまでも いると思うな 親と推し」
以上です!!
〈LINK〉
追伸。
以上とは言ったんですが、私が特に大好きな台詞を以下に記します。共感してくれる人がいたら嬉しい。今回はネタバレなしにすると誓ったので隠しておきますね。
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